新体制対談初回を飾るのは、今年度委員に選出されたフッカー佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)とSH宮尾昌典(スポ3=京都成章)の3年生コンビだ。1年生からレギュラーに定着し、先輩に引けを取らない驚異的なプレーで存在感を発揮してきたお二人。…

 新体制対談初回を飾るのは、今年度委員に選出されたフッカー佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)とSH宮尾昌典(スポ3=京都成章)の3年生コンビだ。1年生からレギュラーに定着し、先輩に引けを取らない驚異的なプレーで存在感を発揮してきたお二人。今やそれぞれFW、BKの主力としてチームには欠かせない絶対的存在となった。未来の早大を担う世代最強タックが今後に見据える展望とは。昨年を振り返りながらお話を伺った。

※この取材は3月8日に行われたものです。

「チームのホットラインとして」(佐藤)


取材に答える佐藤

――まずはお互いの紹介をお願いします

佐藤 あー、他己紹介。うわー、これいつも難しいんですよね。

宮尾 じゃあ、僕先に言っていいですか(笑)。

佐藤 いや、ちょ、僕から。

宮尾 えっと・・・。

佐藤 えー(笑)。

宮尾 えっと、健次はまず強いというのが一つ。そしてリーダーシップがある! 誰かの意見や、みんなの意見をまとめる力があるし、他のメンバーに対する影響力も大きい。プレーヤーとしては、1年時から変わってないですが、なんというか、賢いし、自分と狙っている場所とかもほぼ一緒なので、健次がきたらパスを放っちゃうというか。空いているスペースを見ることができなくても、健次にならパスしてしまうような信頼があります。とにかくすごいプレーヤーです(笑)。

佐藤 はい。えー、宮尾昌典くんです(笑) 。

宮尾 はい(笑) 。

佐藤 私生活、プライベートからいうと、本当にチームのムードメーカーというか、チームで笑いが起きていたら、中心にいるのがだいたいまー(宮尾)みたいな。コーチ陣とか先輩も含めて、コミュニケーションを取るのがうまいですし、チームの雰囲気作りをする中で、良いキャラになっているのかなと思います。プレーヤーとしては、スキルであったり、考える力であったり、自分より大きい選手にも タックルに行くなど大事な要素をすべて持っているハーフだと思います。まーも言っていましたが、普通のスクラムハーフではパスできないようなところに走っても、まーなら放ってくれるというか、自分が変な角度で走りこんでも、全部放ってくれるのでそういうところでは、チームのホットラインとして僕とまーが絡んだプレーでゲインできれば良いかなと思います。

――今少しお話にもありましたが、具体的にプレーの中でお互いに尊敬できる部分を教えてください

宮尾 健次は体をめっちゃ張るっていうのと、簡単に倒れない。相手にもよりますが、10回キャリーしたら8回くらいは絶対ゲインしてくれるので。ハーフからしたらポイントまでの距離って結構走るじゃないですか、だから攻め続けてくれるってありがたいですね。周りも見えるし、その時間稼げるっていう。僕のためにやってもらっているとは思っていませんが、何かそういう部分でありがたいプレーヤーやなとか。健次が入ってスクラムが一気に安定したし、スローもすごく頑張ってるしな?

佐藤  はい!

宮尾 2番なんで、モールの最後尾にいるから、そこからのオプションとかは使いやすいなって。ありがたいなと思います。

佐藤 (宮尾は)シンプルにスキルが高くて、フィールドのプレー中にも大きくパスがそれるということがありません。(自分が)パスのことを気にせず違うことを考えていても、構えたところにパスが飛んでくるので、そういうところで僕のプレーの引き出しが多いのは、まーのパスが安定しているおかげなのかなと思います。ちょっとでも誰かが抜けたら取りきってくれたり、誰かが抜かれたら止めてくれたりっていう、チームのピンチを救ってチャンスを最大限生かしてくれます。本当にチームの勝因の一人だと思います。

――入部して2年が経ちますが、お互いに印象が変化したことはありますか

佐藤 いや、もうこのまんまです。

宮尾 このまんま?嘘つけやー(笑)。

佐藤 僕たち中学生の頃から名前は知っていて、高校2年生の時にU17日本代表で初めて一緒になったのですが、その時からこんなんなので(笑)。ずっと変わんないですね。ずっとチームの中心というか。

宮尾 ちょっとは大人なったやろ?

佐藤 なってません。

宮尾 いや、ちょっとは大人になったんですよ(笑)。

佐藤 もう(笑)、なってません。ずっと、子どものままみたいな感じです(笑)。

宮尾 えー(笑)健次は・・・。身体でかなったなーほんまに。なんやろ。体でかなって・・・それ以外あんま変わってないな。髪の毛の質も変わってないし。

一同 (笑)。

佐藤 お互いずっとこんなんです(笑) 。

――お二人のプライベートの交流は

佐藤 普段からよく話す仲という感じです(笑)。あと、この前も友達の家にみんなで行きました。常に一緒の環境にいるみたいな感じです。

佐藤 まあ、そのくらいだね。

――オフの日は、何をして過ごされていますか

佐藤 最近は、落ち着いていますね(笑)。基本ラグビー部で遊びに行くか、寝ているかですね。

宮尾 僕も遊びに行くぐらいかな。オフ前日の夜は出かけて、次の日は寝ちゃうみたいなそんな感じです。

――ラグビーのために、私生活で意識していることはありますか

佐藤 食事制限をすることはあります。夜は炭水化物を控えるとか。

宮尾 僕は、食べたいものを食べています(笑)。

佐藤 細いからね、それでいけるんだよ(笑)。

――中学、高校から注目されているお二人ですが、同世代で意識されている選手はいますか

宮尾 特に意識はしていません。

佐藤 僕は今まで江良颯さん(帝京大)と言っていましたが、今年はあまり周りを意識せずというか、自分に矢印を向けてやっていこうと思っています。自分に集中して周りを意識せずに取り組んでいます。

「自分たちに甘い部分があったのかな」(宮尾)


佐藤と会話を弾ませる宮尾

――昨シーズンの1年間、個人のプレーを振り返っていかがでしたか

宮尾 昨年はシーズンを通して、流れを変えるプレーや、チームを動かせるようなプレーというのを早明戦も含めて意識して試合に臨んでいました。流れを変えるプレーやトライを取りきるという部分では、非常に良いシーズンだったと思います。

佐藤 僕はフッカーになって1年目のシーズンだったのですが、自分の中で評価はあまり良くないです。1年生のシーズンに比べれば、悪い方なのかなと思います。周りがやらなければ自分でボールキャリーしてしまうなど周りを見ることができなくなる部分が多かったので、今年はリーダー格として周りを見ながらプレーしていきたいです。それと、今年はセットプレーの安定を意識していきたいと思います。

――では、成長を感じた部分はありますか

佐藤 スクラムは成長できたのかなと思いますが、他にこれといって成長できた部分というのは、自分の中でもまだ明確化できていません。今年はしっかり成長できた部分を来年のこの時期に言えるようなシーズンにしていきたいと思います。

宮尾 僕はミスが減ったというのが成長かなと思います。1年時はミスが多かったのですが、昨年はミスがなかった試合も何試合かあって、それは1年時の試合の成果がつながっているのかなと思います。

――改めて全国大学選手権(大学選手権)の準優勝という結果をどう受け止めていらっしゃいますか

宮尾  決勝であんなに圧倒されると思っていませんでした。僕らもしっかりと準備はしましたし、やることも明確にして決勝に臨んだので。まだ自分たちに甘い部分があったのかなと決勝を終えて感じました。

佐藤 まーの言った通り、あんなに大差になると思っていませんでした。自分の中でも本当にふがいないプレーをしてしまって、チームとしてもまだまだ帝京大学との差というのを感じた試合でした。悔しかったですが、それよりも来年リベンジしたいという思いの方が強かったです。

――『荒ぶる』達成までに早稲田には何が足りていなかったと思いますか

佐藤 チームの中で自分だけが輝ける部分とか、自分の絶対譲れない部分というのを持っている選手が昨年のチームにはあまりいなかったというのを感じていました。結局、昌彦さん(相良昌彦元主将、令5社卒=東京サントリーサンゴリアス)とか紘さん(吉村紘、令5スポ卒=NECグリーンロケッツ東葛)というリーダーシップがある人について行って、あまり各自の軸を持っていなかったと思うので、今年は自分も含めて、チーム全員が自分の譲らない武器を持つことや、個々のスキルアップ、レベルアップをしていかなければと思いました。

宮尾 チームが完成する段階が、少し昨年は遅かったのかなと。4年生や今年からリーダー陣となる僕ら3年生がチームを昨年以上に、全員が同じ方向性に向かって取り組んでいけるような体制を作っていけたらいいなと思います。

今シーズンに向けて


今後について語る佐藤(右)と宮尾(左)

――4年生の引退を迎えて、お二人が3年生になる率直な感想をお願いします

宮尾 早いですね。やっぱり。もう3年かという感じですね(笑)。

佐藤 僕も3年生になったからといって、あまり気負うこともなく、4年生の背中を追いかけて、頑張りたいと思います。

――委員としてチームの中でどのような役割を担っていきたいですか

宮尾  僕はチームの雰囲気作りとして、けじめをつける瞬間に、僕の声とかアクションによってインパクトをもたらしていきたいです。毎回の練習が良い雰囲気でスタートできるように頑張りたいと思います。

佐藤 今年は自分にフォーカスしていこうという年なので言葉でもチームを引っ張りますし、それ以上に体で見せるというか、残ってずっと自主練習するとか。見せるためにやっているわけではないですが、自分の行動を変えていくことでチーム一人一人の行動を変えていければ良いなと思います。

――今シーズンを引っ張る伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)はお二人にとってどんな存在ですか

宮尾 兄弟みたいに関われるんですよね(笑)。お兄ちゃん・・・、いや親友みたいな、先輩みたいな、なんでも言える存在です。

佐藤 とっても可愛がってもらっています。面倒見がすごくいい人です。

宮尾 そう! 面倒見がいいです。

――現在、新3年生はどのような雰囲気ですか

宮尾 グループとかに分かれがちですが、いざ喋ったら仲良い感じです。

佐藤 まだグループで分かれているので、そこに壁というか、心から仲が良いかと言われたら微妙なラインなのかなと。僕達からアクションを起こしていかなければいけないと思います。仲良い同期になれるように頑張ります。でも、プレー面では、最近(3年生の)自主練習をする意識が出てきたと思いますし、ウエイトでも自主練習で残っているのはほぼ3年生が多いです。今までは僕から声をかけていたのですが「スロー投げてくれない?」とか「パス教えてくれない?」とか「練習しない?」とか声をかけてくれるので、ラグビーでの良い関係性は保ちつつ、それ以外の面で仲良くなっていきたいなと思います。

――後輩で注目している選手はいますか

佐藤 福島秀法(スポ2=福岡・修猷館)、山下一吹(教2=東京・早実)。昨年試合に出ていたメンバー以外で僕が一緒にプレーしたいなと思うのはこの二人ですかね。一吹は残って一緒に自主練習する仲ですし、秀法はシンプルに部屋っ子なので。頑張ってほしいなと思います。

宮尾 僕は、実際同期ですが、粟飯原謙(スポ2=神奈川・桐蔭学園)です。本当に高校の時から目立たない仕事でチームに貢献するような選手で、あんまりボールを持つようなキャラじゃなくてジャッカルとかタックルとかワークレートの高さとかで、チームに貢献してきたような選手なんです。今年はボールキャリーとかパスとかを昨年以上に磨いて一緒プレーにできたらいいかなというのと、野中健吾(スポ2=東海大大阪仰星)は頑張ってほしいですね。僕の部屋っ子なんで(笑)。

――現段階でチームの課題と感じていることはありますか

宮尾 チーム練習をしていないので見えていない部分はありますが、練習に取り組む前の準備とかを今は大切にしようとキャプテンが声をかけています。けじめをつけるという意味でしっかりやろうとチーム作りをしていくうえで土台作りじゃないですが、そういうところの声かけはしています。

――改めて今シーズンのチームの目標と個人の目標を教えてください

佐藤 『日本一』になるという目標は変わりませんが、そこにいく過程で昨年と同じことをやっていたら同じ結果で終わってしまうので、昨年から大きく変えていかなければならないと思います。いろんなことに挑戦して良いチームを作って、最終的には優勝という形で終われたら良いと思っています。個人としては、ずっと言っていますが、もっと高いレベルを見て自分が大学ラグビー界で1番強い選手になりたいと思います。そうすれば必然的にチームの勝つ確率も上がってくると思うので、しっかり1番良いプレーヤーになって、セットプレーなどいろんな観点で自分に焦点を当てていきたいです。

宮尾 個人としては、昨年より自分のプレー幅、オプションの数を増やしていきたいと思っています。周りから見て「宮尾がいれば大丈夫やな」という安心感を持ってもらえるような、高いレベルのプレーで安定性を求めて、良い意味でずるがしこくラグビーしていきたいです。

――最後にファンの方へメッセージをお願いします

宮尾 今年からコロナの制限も緩和されて、交流も増えるかもしれないのでその時は是非声をかけてください。今年は『日本一』を目指して全力で取り組むので応援よろしくお願いします。

佐藤 昨年はあのような結果で終わってしまったのですが、今年は個人としてもチームとしても良いかたちで終われるように1年間頑張ります。応援よろしくお願いします!

――ありがとうございました!

(取材・編集 川上璃々、戸祭華子、長野恵治、千北佳英)


今シーズンに向けて決意を書いていただきました!

◆佐藤健次(さとう・けんじ)(※写真左)

2003(平15)年1月4日生まれ。177センチ。105キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部3年。取材中、宮尾選手の突っ込みに毎回笑顔で反論していた佐藤選手。スマホのケースには卒業した4年生とのプリクラを入れており、先輩愛のあふれる姿が印象的でした。色紙に書く意気込みをなかなか決められず長い時間悩んでいましたが、途中で記者のカメラに興味を持ちだし、「エモ写を取りたい」と一言。趣味もプレーも欲が高まる佐藤選手。今年こそは仲間を、そして何より「己」(自分)を大切に、思いっきりプレーしてくれる姿に期待しましょう!

◆宮尾昌典(みやお・まさのり)(※写真右)

2002(平14)年6月1日生まれ。165センチ。70キロ。京都成章高出身。スポーツ科学部3年。鋭いパスに加えて、ラン、タックルを見事にこなすオールマイティSHの宮尾選手。取材には一発ギャグで入場し、終始佐藤選手へ愛のある突っ込みで現場を盛り上げてくださいました。終了後にはソイジョイを記者にプレゼントしてくれる優しい一面も! そんなチームのムードメーカー的存在の宮尾選手。今季も持ち前の素早い展開プレーでチームに勝利を引き寄せてくれるでしょう!