東京六大学競技大会団体総合優勝、全日本学生大会団体総合2位など偉業の連続だった令和4年度の早大馬術部。今年度は幹部として、板橋真央(商4=早稲田佐賀)を主将、鶴見汐花(スポ4=栃木・佐野日大中教校)、糸山大樹(政経3=熊本・済々黌)を副将…

 東京六大学競技大会団体総合優勝、全日本学生大会団体総合2位など偉業の連続だった令和4年度の早大馬術部。今年度は幹部として、板橋真央(商4=早稲田佐賀)を主将、鶴見汐花(スポ4=栃木・佐野日大中教校)、糸山大樹(政経3=熊本・済々黌)を副将、中山明弥(文構3=東京・東農大一)を主務に据え、新たなスタートを切った。今回の新体制特集では幹部4名全員が集合。昨年度の振り返り、そして今年度の抱負を語っていただいた。

※この取材は2月9日に行われたものです。

これまでを振り返る


他己紹介を行う幹部4名

――他己紹介をお願いします

鶴見 私が紹介するのは主将の板橋真央です。彼女は高校生時代にバスケ部のキャプテンを務めていたこともあって、部員一人一人としっかり向き合う姿勢があって、いつもニコニコしていて周りを和ませてくれて、この表情から出ている通りすごく優しい子なので、みんなから頼りにされる素敵な主将です。

板橋・鶴見 (笑)。

鶴見 じゃあ糸山くんの他己紹介。

板橋 糸山くんは今年の副将です。糸山くんは先輩の言うことは何でも聞いてくれるんですけど、後輩にはすごく厳しく…

一同 (笑)。

板橋 でも部活のことにすごく時間を割いてくれて、どんな時でもここにいます。

一同 (笑)。

鶴見 しっかりして(笑)。

板橋 でも大学から馬術を始めて試合にたくさん出るのは難しいことなんですけど、糸山くんは2年生の頃から試合に出始めて、大学始めの星として頑張ってくれています。人より上手かったら妬みとかを向けられることもあるのに、持ち前の人望で誰からも妬まれないですし、みんな大好きです。

一同 (笑)。

糸山 僕が紹介するのは主務の中山です。彼女は同期の2年生なんですけど、3人しかいない同期の中で飛びぬけてしっかりしていて、同期の中でも飛びぬけて後輩から慕われていて、部の全員結婚したい…

一同 (笑)。

糸山 一生お世話してもらいたいくらい面倒見の良い人です。とても料理も上手で、本当に素晴らしい女性だと思います。

一同 (笑)。

中山 私が紹介するのは副将の鶴見汐花さんです。汐花さんは昨年度も副将をやっていただいていた先輩なんですけど、馬術の競技面では汐花さんなしでは部活が回らないくらい本当にみんなが尊敬している先輩です。ですが…

鶴見 ですが!?(笑)

中山 大学から馬術を始めた人がどうやったら上手くなるか考えてくれている先輩で慕っています。

――皆さんの馬歴は何年でしょうか

板橋 私は3年です。

糸山 僕は2年です。

中山 私は10歳から10年です。

鶴見 12年ですね。

――皆さんの得意種目を教えてください

鶴見 私は障害ですね。

板橋 障害です。

糸山 僕も障害です。

中山 私は馬場です。

――偉業尽くしだった昨年を振り返っていかがですか

鶴見 去年は前主将の雅さん(髙田雅氏、令5人卒=大阪女学院)を筆頭に六大(東京六大学競技大会)から始まって。私たちも想像していなかったような結果がついてきました。部の運営は一昨年とは違った感じで、最初の方は不安もありましたが、結果的にいい方向に運んで、全学(全日本学生大会)でも初の3種目総合2位だったので、この代に携われて本当に良かったなという思いです。

鶴見 (板橋に向かって)全学で馬付きとして支えた側としてはどうだった?

板橋 光佑さん(吉田光佑氏、令5スポ卒=東福岡)とか雅さんの箱番をやったおかげでテキパキやる能力は身についた。

鶴見 光佑さんがいたから引き締まってたよね。雰囲気が。

――印象に残っている試合はありますか

鶴見 去年の一番最初に優勝した六大ですかね。優勝すると思ってなかった。

板橋 六大でココドロを登録し忘れたけど優勝できて、すごさを感じましたね。

鶴見 私の個人的には障害で団体優勝した関東かな。

板橋 全学はあっという間に終わったよね。

鶴見 確かに、しれっと終わったよね(笑)。

糸山 知らない間に(笑)。

鶴見 (印象に残っているのは)六大と関東ですね。

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役職の決まった経緯を語る板橋主将

――役職に就いた経緯は

鶴見 私たちと雅さんがいて、雅さんに突然「主将! 副将! 副将!」って指名されて(笑)。

一同 (笑)。

板橋 主務はもう決まってたもんね。

中山 はい。主務の下に副務があって、副務に就いたら主務の方に仕事を教えてもらうので、大体は副務からそのまま主務になります。

鶴見 主将になるのは次期4年生だったので、(板橋か自分の)どちらかだなとは思っていました。それでどうしようか話をしていたら…(笑)

一同 (笑)。

鶴見 雅さんが、誰も聞き取れない速さでシュシュシュって(笑)。

板橋 みんなで「え?」ってなっているうちに決まりました(笑)。

――新体制になってからチームの雰囲気に変化はありましたか

板橋 今までは先輩が後輩に色々と言うのではなくて、指示をしなくてもきちんと行動できるか静観していくスタイルでした。

鶴見 本当に何も言われない感じでしたね。あとは自分のことは自分でやるというのもあって、先輩後輩関係なくそれぞれがそれぞれのことを独立してやろうという雰囲気でした。でも今はみんなでやろうとしていて、より部活感が出ていると思います。

――今は何に向けて調整していますか

板橋 今一番近い大きい大会は六大学ですね。新体制になって一番大きい大会なので、これまでの馬と人の組み合わせも少し変わってくるかなと思います。今まであまり試合に出たことのない人もどんどん出していきたいと思っているので、これまでの組み合わせにこだわらずに一番いい組み合わせを模索しているところですね。

これからを見据える


今年度の目標を語る鶴見副将

――主将の板橋さんにお聞きします。今年度のチームとしての目標を教えてください

板橋 『感謝、成長、団結』です。これは去年からの目標を引き続き今年の目標にしました。去年はお互いに感謝の気持ちが足りなかったかな、と思うところがありました。例えばサポートする側は「選手に部の代表として試合に出てもらってありがたいな」「普段練習で指導してもらってありがたいな」という気持ちを持つことが大事だと思います。選手だけじゃ部活は成り立たないし、自分が試合に出ている間に東伏見で馬の世話をしてくれている人や、自分が馬の上にいる時に自分が地上でできないことを手伝ってくれる人がいるからできるスポーツなので、お互いに感謝の気持ちを持っていけたらいいなと思っています。みんなが感謝の気持ちを持てたら去年よりもまとまったチームにできるのかなと思っていて、第一に感謝の気持ちを大事にすることを掲げています。感謝の気持ちがあれば、団結につながって、団結できれば成長につながると思っています。

――役職についた上での目標と、選手としての目標を一人ずつ教えてください

鶴見 『旗振り役』と書かせていただいたのですが、最上級生になるので、部の運営でも選手としてもみんなを引っ張っていけるような存在になりたいです。成績の面でも出る試合には全て勝ちたいです。

板橋 今年の目標は『鬼の気持ち』を持つことです。私はみんなと仲良いチームを作りたいなと思った分、ニコニコして優しくしていた方がいいのかなと思っていました。ですが、新体制に変わってからその方針でしばらくいたら、だんだんとだらしなくなってきてしまったところもあったので、厳しく鬼の心を持って、主将という立場に任命していただいた責任を果たせるように、叱るところはきちんと厳しく接したいなと思っています。「厳しく接します!」という目標です(笑)。選手としては今ケガをしてしまっていて、いつ馬に乗り始められるか分からないのですが、早慶戦の小障害に出て、今年は優勝を目指したいと思います。

糸山 僕は『気配り、目配り、心配り』と書きました。自分はまだ2年生ですけど、副将をさせてもらっていて、最上級生も3人しかいらっしゃらないので、気配り、目配り、心配りをして少しでも3人の負担を軽減できればと思っています。選手としてはココドロという、学生が持っている馬としては全国でもトップクラスの馬に乗らせていただいているので、その名を汚さないよう、馬に見合った成績を取れるように頑張りたいと思います。

中山 私は吉實さん(陽介氏、令5政経卒=埼玉・昌平)からの引き継ぎ期間とかも短くて、主務の仕事の全貌をまだきちんと分かっていなくて、「主務ってこんなにやることあったんだ」と日々思っています。主務がやらなければならない申請とかは絶対に期日を守って、部の運営に差し障りがないように、これまで通りしっかり運営できるように頑張っていきたいと思います。選手としては少しずつ選手として色々な大会に出られるようになってきたので、日々馬とコミュニケーションを取りながら、うまく折り合いを見つけて六大学などの試合で部に貢献していきたいです。

――この対談を読んでくださっている方々に一言メッセージをお願いします

鶴見 馬術は日本では全然普及していないスポーツなので、少しでも馬術、馬の魅力を知ってほしいです。ぜひ見学に来てください(笑)。

板橋 みんなが想像している何百倍も馬って可愛くて、優しくて、かっこいいので見にきてください(笑)。

中山 これまでは馬に関わるといっても乗馬クラブに行くくらいで、朝から世話するみたいに生活の中に馬がずっといることはありませんでしたが、馬術部に入ってより馬を身近に感じるようになりました。ですが、やはりお金の面や学生だけじゃどうしようもないこととかも多いです。他のスポーツは道具は大切にしても道具が生き物というわけではありませんが、馬術だけは馬という生き物と一緒にするスポーツで、馬をきちんと管理してちゃんとした状態に保っておかないと死んでしまうし、競技も成り立たなくなってしまうので、少しでも馬に興味を持って応援してくれるだけでもうれしいです。馬のスポーツをテレビでやってたら見てみるとか、興味をもって温かい目で見ていただけるとうれしいです。

糸山 馬とやるスポーツなので一日中馬のことを考えています。心からのパートナーで、自分にとって大事な存在になってくれるので、皆さんにもっと知ってもらえたらな、と思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 新井沙奈、横山勝興、梶谷理桜)


今年度の目標を書いていただきました!

◆板橋真央(いたばし・まお)(※写真中央右)

早稲田佐賀高出身。商学部4年。役職は主将。対談中も笑顔を絶やさない板橋さん。推しの馬はホルスとビビアンリストで、ホルスはひねくれた性格が毛の模様にも出ているところ、最近は従順になってくれているところと栗毛、ビビアンリストはお尻と世話のしがいのある性格が推しポイントだそうです!

◆鶴見汐花(つるみ・しおか)(※写真右)

栃木・佐野日大中教校出身。スポーツ科学部4年。役職は副将。とても軽快に質問に答えてくださった鶴見さん。推しの馬はエオウィンで、かわいい顔で、少しあざといところが推しポイントだそうです!

◆糸山大樹(いとやま・だいき)(※写真左)

熊本・済々黌高出身。政治経済学部3年。役職は副将。いつも穏やかな姿が印象的な糸山さん。推しの馬は稲嵐とホルスとココドロで、稲嵐は毎朝猛烈な勢いで顔を擦り付けてくるところ、ホルスは自分に懐いてくれるところ、ココドロはとても従順で愛くるしいところが推しポイントだそうです!

◆中山明弥(なかやま・あや)

東京・東農大一高出身。文化構想学部3年。役職は主務。主務らしく理路整然に質問に答えてくださった中山さん。推しの馬はタマモコンパスで、表情豊かで構ってくるところが推しポイントだそうです!