第4回は、ディフェンスの司令塔であるLBの中心選手であるLB宗村尚輝(スポ4=京都・立命館宇治)とLB堀田峻平(文構4=東京・早実)の登場。仲の良いLBユニットの様子が垣間見えたお二人に、今シーズンの意気込みを伺った。※この取材は4月8日…
第4回は、ディフェンスの司令塔であるLBの中心選手であるLB宗村尚輝(スポ4=京都・立命館宇治)とLB堀田峻平(文構4=東京・早実)の登場。仲の良いLBユニットの様子が垣間見えたお二人に、今シーズンの意気込みを伺った。
※この取材は4月8日に行われたものです。
アメフトの中で一番かっこいいポジション
桜美林大戦で激しいタックルを決める堀田
――他己紹介をお願いします
宗村 堀田はとにかくまじめで、週7くらいで筋トレをしているのですが、僕のイメージだと肩トレしかやってなくて(笑)。食生活や私生活も全部アメフトにつなげていて、同期に対する気持ちも強いなと思っています。プレーの面で言うと、ラン・パスともに満遍なくプレーに絡んでいるので、運動神経いいなと思いますね。
堀田 宗村はこんなこと言っていますけどコイツもめちゃくちゃ筋トレしていて、ずっと一緒に筋トレをやっている仲です。プレイヤーとしては、一発でビッグプレーを起こせる選手ですごいなと思っています。
――LB(ラインバッカー)というポジションについて教えてください!
宗村 「ラインバッカー」という名前の通り、ラインズの後ろに位置していて、基本的にはDL(ディフェンスライン)とDB(ディフェンスバック)の中間にいるので守備の繋ぎ目なのかなと思っています。(相手の)ラン・パスともに止められるというやりがいもある一方で、その難しさもあるのですが、LBの激しいタックルやヒットを初めてアメフトを見る人にも注目してもらえたらなと思います。
堀田 補足すると、スピードやパワー、戦術理解などアメフトの醍醐味が全て詰まっていて、アメフトの中で一番かっこいいポジションだと思っています。
――お二人のアメフトに関する経歴に触れていきたいのですが、堀田選手はなぜ早実高を選ばれたのですか
堀田 小・中学校はサッカーをやっていて、その地域の中では強いチームに所属していたのですが、「自分がいたから勝てた」ということがないなと思っていて。ただそのチームに所属してプレーしていれば勝っているという感じだったので、高校は自分のプレーでチームを勝たせたいなと思っていて、(アメフトの強豪校ではなかった)早実を選んだという感じです。
――宗村選手は立命館宇治高から関西屈指の強豪校である立命館大に進学せずに、なぜ早大を選んだのですか
宗村 僕が高校2年生の時に、一つ上の学年の先輩の中に日本代表が10人くらいいて、コーチ陣をみても絶対に日本一になれるなという印象だったのですが、日本一になれなくて。代が入れ替わって僕が高校三年生になったタイミングで、コーチ陣が諦めてしまって(コーチが)かなり辞めてしまったのですが、コーチ陣主体だったのが選手主体になっていって、ミーティングや作戦なども含めて自分たちで進めていく面白さみたいなのがあったので、その環境を探していくうちに早大が一番フィットするのかなと思って、早大を選びました。
――宗村選手は早大入学後、一度DLをやって再度LBに戻られたというお話を聞いたのですが、理由はありますか
宗村 初めて練習を見にいった時にDLのコーチが圧倒的な練習量を選手に課していたのですが、練習後にみんながぶっ倒れているけど和気藹々としている様子を見て、一番しんどいユニットなのにアメフトを楽しんでいるのがかっこいいなと思ったのが一つのきっかけです。あとは、当時いた先輩方を見た時に「大学のDLってこんなにゴツいんや」と憧れを抱いてしまったと言いのもあります。ただ、大学2年次に首のケガをしてしまって、なかなかヒットできない状況だったので、高校の時にやっていたLBに戻りました。
――昨年のLBはスタメンのほとんどが1学年上の先輩方でしたが、お二人にとって昨年の4年生はどんな存在ですか
宗村 早稲田のディフェンスは特殊で、4人のLBがそれぞれ違う役割を求められていたのですが、(昨年の4年生は)それぞれ適性があって自分の強みを活かしていて。例えば若原さん(若原碧飛、令5社卒)は圧倒的なスピード、斧田さん(斧田康太郎、令5スポ卒=東京・海城学園)だったら低さ、城さん(城風太、令5文卒)だったらテクニック、大蔵さん(大蔵泰斗、令5スポ卒)は万能型って感じで、各々の強みを活かしながらアメフトをやっていました。どの先輩を見ても上手いなと思っていましたし、尊敬するところしかなかったです。
堀田 プレーに関しては本当にその通りで、全部の選手が強みを持っていて、その強みを超えないと自分たちが試合に出られなかったなという感じです。人間的にもすごく良い人たちで、一人一人が全く違う人たちだったのですが、本当にいいユニットだったなと思います。
宗村 練習後にみんなで談笑していました(笑)。
堀田 一昨年くらいから、LBは談笑ユニットって感じでめっちゃ仲良いんですよね(笑)。
――昨年は甲子園ボウルに出場しましたが、初めて甲子園に立って感じたことなどありましたか。
堀田 自分はLBとしては2プレーくらいしか出場できなくて、それが本当に悔しかったです。試合に負けた時も悔しかったですが、悔しいって言い切れなかったというか、とにかくチームに貢献できなかったことが何よりも悔しかったです。関西と2プレーを戦ってみて思ったのは、ありきたりな表現ですがレベルが違うなと思いました。早大で関学大を想定した練習をしているときはタックルできていたようなプレーが、関学大はスピード感が全く違って(タックルが)間に合わなくて。それでも、このことを経験できたことで、関学大を意識した練習ができるようになっているので、(甲子園ボウルの舞台に立ったことは)本当に大きいことだなと思っています。
宗村 自分も堀田と一緒で2プレーくらいしか出ていないのですが、印象的だったのが、相手のOLやRB、QBがめちゃくちゃコミュニケーションをとっていたなと思っていて。その結果、完璧にアジャストしていたので、アメフトって準備のスポーツだと思うのですが、その面で関学大は圧倒的にすごいなと思いました。試合が終わった時に、チームに何も貢献できなくて自分の一年間が否定されているかのように感じたので、今年ことは絶対に勝ちたいと思っています。立命館宇治高の時から関学というのは意識していて、今年で7年目になるので、今年こそは絶対に倒したいです。
――オフシーズンはどのようなことに取り組んできましたか
堀田 宗村もですが、チーム行きつけの接骨院の先生が社会人チームのノジマ相模原ライズでトレーナーをやっていて、その人にトレーニングを教えてもらっていました。
宗村 他のポジションの上野陸(WR、社4=東京・早実)とかシゲ(TE、重村真丞、社4=東京・早大学院)とか鈴木丈也(DB、社4=東京・早大学院)と一緒に砂浜行って走り込んだりしていました。
――今年度の主将に就任したWR目黒歩偉(スポ4=東京・佼成学園)の印象について
堀田 なんでもズバズバ言ってくれるヤツで、自分が人に強く言えないタイプなので自分が思っていても言えないこととかを代弁してくれる時はありがたいなって思います。
宗村 本当にズバズバ言ってくれて、しかもその意見にすごく納得できるので、周りが見えているなと思います。間違ったことを一つも言っていないので、全員が納得して行動に移すことができることは彼のすごいところだなと思います。あと彼は佼成学園という何度も日本一を経験した高校の出身なので、今後もチームに良い影響を与え続けてくれるだろうなって思います。
――副将であるRB安村充生副将(文構4=東京・早実)とWR中尾公亮副将(社4=東京・早実)に対する印象は
堀田 昨年までの二人には副将になるっていうイメージがなくて、素直に意外だなとは思いました。それでも、中尾は後輩とよくコミュニケーション取っていますし、充生もプレーで引っ張ってくれるのは間違いないので、いいなとは思っています。
宗村 安村はチームの練習で当たるのですが、圧倒的な実力がありますし、その圧倒的な実力があることで後輩たちも慕っているのかなと思います。中尾は低学年の時から学年に関係なくコミュニケーションをとっているので、チーム全体をまとめられる素質があって、なおかつレシーバーとしても上手いのですごい選手だなと思っています。
堀田 あと中尾はコミュニケーションもそうですが、他の人が気づきにくい練習中の指摘などもしてくれるので、気が回るやつだなと思っています。
「(後輩たちは)全員上手い」
東大戦で相手の攻撃を止め、喜ぶ宗村(中央左)と堀田(中央右)
――今年度のチームの雰囲気やユニットの雰囲気などについて教えてください
宗村 なるべく相手ポジションと対峙する練習をふやそうってなっていて、その中で一対一の楽しさや難しさを痛感しながら昨年に劣らず雰囲気良くやれているのかなと思います。
堀田 練習体系が変わって、シンプルに練習の強度が上がって時間も長くなっているので、上達はしているのかなって感じはします。LBでいうと、後輩たちがわからないこととか何でも自分たちに聞いてくれるので、当時の自分たちはそんなことできなかったのですごいなと思っています。あとは、練習前に練習する(全体練習の前に自主練するってことかな)みたいな感じになって全体練習後の時間がすごくあるので、その時間をいかに上手く使うかということを考えています。
宗村 やる気のある人がどんどん上手くなっていく環境なのかなと思います。
――期待している後輩を教えてください
宗村 この選手って言い切れないくらい全員上手いので、全員です。
堀田 でもこれ名前挙げた方がいいよね(笑)。
宗村 じゃあ、強いて言うなら原(康介、LB、法2=東京・早大学院)ですね。原くんは学生のLBとは思えないほどのフィジカルモンスターで、しかもスピードもあるので、バケモンだなと思います。
堀田 自分も宗村と一緒で、本当に全員が必死に上手くなろうとしているので全員に期待しているのですが、その中でも一人挙げるなら石黒(哲、LB、政経3=東京・早大学院)かなと思っています。石黒は入部した時からすごく上手いですが、なかなか日の目を浴びない選手だなって思っていて。だからこそ今年はめっちゃ活躍してくれるだろうなって思っているし、他の後輩もそうなのですが石黒とかのプレーを見ていると自分たちも頑張らないとなって思っています。すごくいい後輩だなと思います。
――LBとしてプレーする時に意識していることは
宗村 直感を大事にしています。外れることもあるのですが、練習中も迷った時には絶対に突っ込むようにしていて。(プレーが決まった後の)サイドラインが沸いている様子を見たいというのもあるので、自分の直感を意識してプレーしています。
堀田 宗村とは真逆で、確かに宗村の思い切りの良さみたいなのはすごく見習いたいのですが、自分は「絶対にミスをしない」という考え方です。自分のプレースタイルが万能型というか、ラン・パスともに対応するって感じなので、そのプレースタイルに合うのはこの考え方だと思っていて。確実に行けるとこは突っ込みますが、自分なりに考えてプレーしているかなって感じです。
――春季オープン戦で早慶戦以外に意識している試合などはありますか
宗村 僕は立命館大ですね。最近インスタとかツイッターで立命館大の筋トレ風景とか見るとみんな体が大きくて、有名な選手もたくさんいるんですけど、そこにひよらずに試合開始から終了まで攻める姿勢を意識して立命館大戦には臨みたいなと思います。
堀田 自分も立命館大ですね。昨年も立命館大とやって通用したこともあったのですが、通用しない部分の方が圧倒的に多かったので。それでも当時よりは確実にレベルアップしていますし、どのくらい通用するようになったのかなというのは気になりますね。
――最後にラストイヤーへの意気込みをお願いします
宗村 日本一はもちろんそうなのですが、ディフェンスのコーディネーターに吉田さんという方がいて、その方が昨年の若原さんに全幅の信頼を寄せていたので、若原さんよりも宗村の方が上だったって言ってもらえるように頑張っていきたいと思います。
堀田 日本一ですが、個人的なことを言うとオール関東に選ばれたるように頑張りたいなと思います。
――ありがとうございました!
(取材 田部井駿平 編集 安齋健、田部井駿平)
守護漢(もりお、LBのスローガン)なお二人の活躍に期待です!
◆宗村尚輝(そうむら・なおき)(※写真右)
京都・立命館宇治高出身。2001年2月2日生まれ。スポーツ科学部4年。180センチ。92キロ。LB。試合で見て欲しい自分のポイントは、LBの中でもずば抜けたそのスピード。直感を信じて相手オフェンスに突っ込みます!
◆堀田峻平(ほりた・しゅんぺい)(※写真左)
東京・早実高出身。2001年12月18日生まれ。文化構想学部4年。175センチ。84キロ。LB。試合で見て欲しい自分のポイントは、全てをオールマイティにこなす万能さ。「ボールのあるところに堀田あり」というプレースタイルに注目!