春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)第9戦は専大と対戦した。立ち上がりこそリードされたものの、すぐに追い上げ第1セットを大差で奪取。第2セットは拮抗(きっこう)した展開になったが、相手に良い形でラリーを持っていかれても、あわてず次の一本に…

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)第9戦は専大と対戦した。立ち上がりこそリードされたものの、すぐに追い上げ第1セットを大差で奪取。第2セットは拮抗(きっこう)した展開になったが、相手に良い形でラリーを持っていかれても、あわてず次の一本に集中。攻守ともに好調で、セットカウント3―0(25―17、25―21、25―17)と快勝した。

 第1セットは「2連戦の次の日というのは(入り方が)難しい」(リベロ布台駿(社4=東京・早実))というように、守備範囲の間を突く相手のサービスエースなどで、いきなり4連続得点を許す。しかし、ここで前衛のOP畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)が止まらない。インナーへの鋭いスパイクやブロックなどで多くの得点に絡み、10―7とした。甲斐孝太郎(専大)の強力なサーブが回ってきた際は、早大はやや崩されながらも強引にいかず、OH山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)が軟打で返すなど落ち着いたプレーを見せる。一方相手はアタックミスが多くなり、20-14と早大リード。25点目はMB伊藤吏玖副将(スポ4=東京・駿台学園)のクイックで奪った。


輪の中心でガッツポーズをする布台

 続くセットは、一進一退の攻防となった。専大は甲斐孝を中心に攻撃を展開し、早大はバランスよく全員が打って得点を重ねる。中盤、良いラリーが続きながらも早大のアタックミスや、相手の好守備で、相手に良い形で点を譲る場面も見られた。一時は13-17とリードされたが、OH水町泰杜主将(スポ4=熊本・鎮西)のパイプ攻撃でブレイク。完全に流れを断ち切り、終盤はセッター前田凌吾のサーブから連続得点。MB麻野堅斗(スポ1=京都・東山)の2本のブロックポイントや山田のバックアタックで23-20と怒涛の追い上げを見せた。水町のノータッチサービスエースで、このセットも奪取。

 第3セットは前セットの良い終わり方をそのまま引き継ぎ、早大のペースで進んだ。忘れたころにやってくるミドル陣のクイックで着実に点を重ね先行。麻野のジャンプフローターサーブでサービスエースが出て14-11とした。その後も水町のパイプ攻撃や山田のバックアタックでサイドアウトを取る。終盤は、麻野のブロックポイントから一気に流れが早大に傾き、5連続得点。麻野のクイック、山田のコーナーへのクロススパイクときて、最後2得点は水町の後ろからの攻撃で締めくくった。


麻野のジャンプフローターサーブ

 全勝対決となった筑波大戦と、暫定3位の専大との山場をストレート勝利で乗り越え、首位を独走する早大。残すところ2試合ではあるが、「最終週になってもやることは変わらない」(布台)というように、選手たちにはおごりも油断もない。このまま無傷の全勝優勝で、水町たちの代初となるリーグ戦のタイトルを取りたいところだ。

(記事 五十嵐香音、写真 町田知穂)

 

セットカウント
早大25-17
25-21
25-17
専大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ4=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ4=東京・駿台学園)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ1=京都・東山)
オポジット 畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ2=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)
リベロ 布台駿(社4=東京・早実)
途中出場
馬渕純(スポ3=岐阜商)
安食浩士(スポ1=宮城・東北)
伊東昌輝(商1=山梨・日本航空)
佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)
コメント

布台駿(社4=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

 昨日かなり上質な試合ができて、4年生の中でも2連戦の次の日というのは難しいねという話をしていたので、序盤の入り方とサイドアウトを意識して今日の試合に臨んだという感じですね。

――第1セットでいきなり相手のサービスエースがありました。レシーバーの間に落ちる良いサーブだったとは思いますが、やはりミスではあったのですか

 まあミスですねあれに関しては。やはり気を付けていても(2連戦の)次の日は難しいから、あの後すぐにブレイク取れたのは、試合を優位に進める上でよかったです。

――早大にはミスが少なく、逆に相手には途中からスパイクミスなどが多く見られました。これは、早大の守りがよかったことなど関係するのでしょうか

 本来専大にはもう1人エースがいるので、いない分誰に球が偏るかは僕たちとしてはわかっていました。精神的にも追い詰めるというか、厳しい状況にすることができた結果、吐き出す形になったのかもしれないです。

――ご自身のプレーについて伺います。直近の試合では、得点につながらなくとも良いディグが多く出ていると思うのですが、振り返っていかがですか

 それは単純にブロックがいいからだと思います。

――ブロックを抜けた先に(布台選手が)いるということが多いので、トータルディフェンスの仕上がりについて伺おうと思っていました

 そうですね、僕一人でできるプレーではないからどうしても。前としっかりコミュニケーション取れて、それに合わせて動いてくれているというのが1番です。結果として自分がよく見えているのは、前がいるからというのが大きいです。

――ディグの秘訣というか、「どこを見ている」などありますか

 まずはチームとしてアナリストが出してくれているデータと動画を見て照らし合わせてというのもそうだけど、トスの離れ具合とか相手の打ち方の癖とか。それはスパイク練習でも試合に入ってもしっかり見るようにしています。

――2枚リベロ、ディグ側もやりにくさはありますか

 やりにくいですね。めちゃくちゃやりにくい。でも春なので、やるしかないです。

――ラストイヤーの目標は

 全部勝つ!

――最終週に向けて意気込みをお願いします

 最終週になってもやることは変わらないので、多分チームとして掲げているサイドアウトだったりを意識して、1週間という短い時間ではありますが、最後に詰めてもう一段ギアを上げていけたらなと思います。

 

麻野堅斗(スポ1=京都・東山)

――今日の試合はチーム全体としていかがでしたか

 昨日の筑波戦の疲労が溜まっている状態で今日の専大戦を迎えたので、最初は相手の変則的なローテーションに対応するのに時間がかかりました。ですが、自分たちのペースを掴んで1、2、3セットと取れたのでよかったと思います。

――ご自身のプレーに関してはいかがでしたか

 昨日よりはコンディションがよくなく、体が重かったのですが、その中でも要所要所でブロックポイントやスパイクポイントを取ることができたので悪くはなかったと思います。

――ジャンプフローターサーブでありながらもサービスエースがありました。そうでなくとも相手を崩す場面が多いですが、ご自身のサーブのどのような部分が取りにくいと思いますか

 自分はジャンプサーブと違ってミスが少ないサーブなので、ジャンプサーブ陣がちゃんと攻められるようにミスが少ないようにしています。いいサーブを打つというより、できるだけミスを少なくするよう意識しています。崩れるか崩れないかは相手次第なので、その中でもサービスポイントを取れたのはすごく大きかったです。

――毎試合、ブロックポイントが出ていますが、ブロックの際に意識していることはありますか

 まずは相手のどの選手が多く打ってくるかというのをデータで確認して、横のスピードや手の出し方を意識しています。

――最終週への意気込みをお願いします

 次の1週間でどれだけ練習して気持ちを高めていくかというのがすごく大事だと思うので、この1週間しっかり取り組んで、来週を迎えたいです。