先週痛恨の2連敗を喫した早大。第7戦の相手は立大だ。連敗からの脱出を目指して臨んだ試合は、序盤早大がリードするも、徐々に立大がペースをつかみ、前半を13―17で折り返す。後半、今度は流れが早大に。ついに試合終盤で立大に追いつくも、あと一歩…

 先週痛恨の2連敗を喫した早大。第7戦の相手は立大だ。連敗からの脱出を目指して臨んだ試合は、序盤早大がリードするも、徐々に立大がペースをつかみ、前半を13―17で折り返す。後半、今度は流れが早大に。ついに試合終盤で立大に追いつくも、あと一歩及ばず30―30でドロー。勝利はまたもやお預けとなった。

 序盤、早大はパスカットからの速攻を2本決め、堅守速攻で流れを作る。しかし雲行きが怪しくなったのは、前半14分。速攻が失敗したことを皮切りに、オフェンスで精彩を欠く。ポストへのパスを2度も遮られ、今度は立大が2つの速攻を含む5連続得点に成功。前半20分に相手が退場者を出すも、その間にわずか1得点しか挙げることができずリズムに乗ることができない。苦しい試合展開のまま前半が終了し、13―17のビハインドで後半へ。


ゴールを守る塚本

 後半、開始早々相手が退場者を出すと、西村悠吾(人2=千葉・市川)がサイドシュートで得点を量産。後半8分に20―22で2点差に詰め、相手の背中が見えてきた。だが、後半10分から両者無得点の重い時間が続く。試合が再び動いたのは後半16分。白築琢磨(文構3=東京・早実)が7mスローを決め、息を吹き返した早大は、後半23分に鍋島弘樹(スポ1=福井・北陸)が今試合2度目のパスカット。そのまま速攻を決めて26―26でついに同点に追いつく。さらにポストへのパスが通るようになり、村松涼雅(商2=岩手・不来方)の要所でのポストシュートが光った。後半28分、塚本智宇(スポ4=富山・高岡向陵)の好セーブから鍋島が勝ち越しゴールを決めて一時逆転に成功。しかし相手も必死に食らいつく。後半29分に西村のサイドシュートで再び勝ち越したところでタイムアウト。どちらが勝つか予想のつかない手に汗握る展開に。残り20秒で立大が得点すると、早大は素早いリスタートから攻撃を仕掛け、試合終了間際でペナルティスローを獲得する。決めれば勝利という張り詰めた空気の中、白築が放ったシュートは惜しくもキーパーに阻まれ、引き分けに終わった。


勝ち越しゴールを決め、感情を爆発させる鍋島

 立大にとってはキーパーの見事なセーブにより引き分けで終えることができたが、早大にとっては勝ち切ることができず悔しい結果に終わった。同じ引き分けでも両校で全く違う意味を持った今回の試合。次戦は日大戦が控える。厳しい戦いが予想されるが、チーム一丸となって苦境を乗り越え、次こそ白星を挙げたい。

(記事 丸山勝央、写真 渡辺詩乃)

関東学生春季リーグ

早大3013―17
17―13
30立大
GK 塚本智宇(スポ4=富山・高岡向陵)
CP 外種子田峻汰(スポ2=鹿児島・国分)
CP 鍋島弘樹(スポ1=福井・北陸)
CP 小柴創(スポ1=千葉・昭和学院)
CP 狩野直樹(スポ4=埼玉・浦和学院)
CP 西村悠吾(人2=千葉・市川)
CP 白築琢磨(文構3=東京・早実)
コメント

狩野直樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 前半流れをつかめなくて厳しい状態が続きましたが、後半は立て直して徐々に詰めていけたので良かったと思います。

――戦ってみた立大の印象はいかがでしたか

 立大も自分達と同じでチームで戦うスタイルだと思います。僕達のミスから速攻を走らせてしまい、相手を流れに乗せてしまったので、ミスを減らしていって自分達のスタイルを固めていきたいです。

――ビハインドで迎えたハーフタイムではどのような話をされましたか

 まだ焦る時間帯ではないというのと、修正できるところはしていこうという話をしました。(シュートを)打ち込まれている展開が多かったので、しっかりディフェンスが当たって自分達の展開に持ち込みたいと話しました。

――立大には同じ浦和学院出身のプレーヤーが多数在籍していますが、意識しましたか

 普通に仲良い人達なので、そこは楽しみながらできたのかなと思います(笑)。

――最後に次戦への意気込みをお願いします。

 ここ3戦勝ち切れていなくて苦しい中でやっているので、次こそしっかりと自分達の望む形で勝っていければと思います。

村松涼雅(商2=岩手・不来方)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 過去一番本調子ではない人が多かったです。その中でも勝ちへのこだわりが強かった試合でした。

――どのようなプレーがあれば勝ち切れましたか

 ディフェンスでは、相手に気持ちよく(シュートを)打たれすぎたかなと思います。早大はディフェンスから形を作りたいチームなので、前半少し点差を離されすぎたと思いました。あとキャプテンの健志(田井健志、スポ4=香川中央)さんが試合に出られていなくて、ここぞという時に盛り上げる人が必要かなと思います。

――戦ってみた立大の印象はいかがでしたか

 相手はリスタートが早く、そこで退場しないようにというのは徹底できました。

――後半ポストにパスが通るようになりましたが、何か後半で変えたことはありますか

 特に変えたことはないです。前半ディフェンスに(パスを)取られたのですが、今日フローターの人達と息が合っているなと思っていましたし、後半追いつくために自分が勢いづけようと思っていたので、噛み合ってくれて良かったです。

――次戦への意気込みをお願いします

 今、成績的にもラスト2戦落とすと厳しくなるので、来週からはキャプテンの健志(田井)さんも復帰しますし、いなかった分自分達が成長できた部分を発揮してラスト2戦勝っていければと思います。

鍋島弘樹(スポ1=福井・北陸)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 キャプテンの健志さん(田井)がいなくても自分たちが勝てると自信を持って言える相手だったので、自分たちのミスで苦しんで勝つことができなかったので悔しいです。

――ミスというのは

 僕(のミス)や、単純にキーパーに止められてしまう場面が前半や後半の最初でもありました。そこで取っておけば、最後あのような展開にはならなかったのでそこが駄目だったと思います。

――後半追い上げることができた要因は何でしょうか

 早稲田はチームとして戦う集団なので全員で守って全員で一点を取ることが徹底できていたからだと思います。

――2度のパスカットでディフェンスでも活躍しましたね

 パスカットをできたのはよかったのですが、キャプテンの健志さんがやっていたポジションを自分が代わりにやる中で、ディフェンス面でもチームに貢献できていないと思っています。それが先週の試合でもあって、チームを勢いに乗せることができなかったのでもっと練習から頑張ってディフェンスの向上を目指したいです。

――一時逆転ゴールを決めましたが、その時の感想は

 ああいった場面で先輩方がパスをくださったのは信頼してもらっているからだと思うのでしっかり決め切ることができてよかったです。これからも頑張って決めます。

――相手選手にマンツーマンをつくことはチームで決めましたか

 そうですね。

――次戦への意気込みをお願いします

 次(日大)は1位の中央大に勝って、勢いもあって完成度も高いチームなのでそれを個人ではなく、早稲田という組織として勝てるようにこの一週間しっかり取り組んで勝利を目指して頑張ります。