鮮烈の飛躍だった。12日に開催されたノルディックスキーの伝統の一戦「第65回雪印メグミルク杯ジャンプ大会」ジュニア組で江別第三中学3年の岡部凜大郎(りんたろう)選手(15)が優勝を飾った。父は長野五輪団体金メダリストの孝信さん(53)。ジ…

 鮮烈の飛躍だった。12日に開催されたノルディックスキーの伝統の一戦「第65回雪印メグミルク杯ジャンプ大会」ジュニア組で江別第三中学3年の岡部凜大郎(りんたろう)選手(15)が優勝を飾った。父は長野五輪団体金メダリストの孝信さん(53)。ジャンプ界の「親子鷹」として、今後注目されそうだ。

 札幌市大倉山ジャンプ競技場にどよめきが起きた。凜大郎選手の1回目。向かい風を味方に、ぐんぐん飛距離を伸ばし、132・5メートルの大ジャンプ。「生まれて初めてガッツポーズが出ました」。2回目でライバルの三上託摩選手(積丹・美国中3年)に追い上げられたが、115メートルを飛んで振り切った。

 7日の全国中学大会(長野)では「力むクセ」が出て3位に終わった。「今大会前に父から『ジャンプの状態はいいから、普段通り、やるべきことを意識して飛べばいい』と言われた。その通りに飛べました」と相好を崩した。

 飛型の美しさは折り紙付きだ。深い前傾姿勢とV字に開いたスキーが一体となる空中姿勢は、まさに孝信さん譲り。「父は時に厳しく、時に優しい。尊敬しています。いつか絶対に超えたい人なので、そこに向かって頑張っていきたい」と初々しく語った。

 孝信さんは現在、雪印メグミルク・スキー部総監督を務める。表彰式では自社の冠大会で優勝した孝行息子に直接メダルを授与し、観客や関係者から温かい拍手を受けた。

 孝信さんは凜大郎選手について「風にも乗れる、いいジャンプになってきた」と評価。「技術的にまだ課題はあるが、あまり口出しはしていない。今はどんどん攻めていけばいいと思う。理想とするジャンプが自分の中にあるみたいなので」。一歩引いて、息子の成長を見守る考えだ。(畑中謙一郎)