史上初となる牝馬の戴冠を目指し、アルファマム(牝5、栗東・佐々木晶三厩舎)とスピーディキック(牝5、浦和・藤原智行厩舎)がフェブラリーステークス(4歳上・GI・ダ1600m)に参戦する。  ここ10年ほど、芝では「牝馬の時代」が到来して…

 史上初となる牝馬の戴冠を目指し、アルファマム(牝5、栗東・佐々木晶三厩舎)とスピーディキック(牝5、浦和・藤原智行厩舎)がフェブラリーステークス(4歳上・GI・ダ1600m)に参戦する。

 ここ10年ほど、芝では「牝馬の時代」が到来しているが、ダートでは牡馬の壁が厳然としてある。フェブラリーSは97年のGI昇格以降、牝馬が延べ34頭参戦。しかしながら00年のゴールドティアラの2着が最高着順で、未だに戴冠には届いていない。

 閉ざされたままの扉を開くべく、今年は2頭の牝馬が挑戦する。アルファマムは過去16戦のうち、13戦で上がり3F最速をマークしている末脚自慢。重賞初挑戦となった前走の根岸Sにしても、展開不向きながら上がり3Fは最速だった。今回は初の1600m、何より大幅な相手強化で楽ではないが、展開次第では見せ場以上があっても驚けない。もう1頭のスピーディキックは南関東の最強牝馬。昨年のフェブラリーSは後方で押っ付けながらの追走だったが、直線ではよく伸びて1秒0差の6着。着順以上に中身のある内容だった。昨年以降も東京シンデレラマイルを制すなど、常に一線級を相手にしながら大崩れなく走れているので、ここでも上位に食い込めていいだろう。

 どちらかが勝てば、GII時代の96年ホクトベガ以来、28年ぶりとなる牝馬のフェブラリーS制覇。さらには15年チャンピオンズCのサンビスタ以来となる牝馬の牡牝混合JRAダートGI制覇となる。ダート界に新たな1ページを刻むことができるか、2頭の走りに要注目となる。