秋を感じさせる冷たい風が吹く中、慶大日吉グラウンドにて早大Cは慶大Cとの試合に臨んだ。前節、帝京大Cに劇的勝利を収めた勢いで、奮起する早大Cは、開始から果敢に敵陣へ攻め込む。その後は、主導権を握られる時間があったものの、FWのパワーやBK…

 秋を感じさせる冷たい風が吹く中、慶大日吉グラウンドにて早大Cは慶大Cとの試合に臨んだ。前節、帝京大Cに劇的勝利を収めた勢いで、奮起する早大Cは、開始から果敢に敵陣へ攻め込む。その後は、主導権を握られる時間があったものの、FWのパワーやBKの展開を武器に24ー14で前半を終えた。後半は、開始早々にトライを許したが、スクラムや粘り強いディフェンス、スピードあるアタックラインで優位に立ち、トライを量産。最終スコア44ー21で、今秋シーズン2勝目を挙げた。

 前半中盤までは、互いがトライを取り合う展開となった。開始9分、敵陣でプレーを続けていた早大Cが、ゴール5メートル手前でスクラムを獲得。安定したスクラムを起点に、ブラインドサイドでWTB鈴木寛大(スポ1=岡山・倉敷)が、ステップで相手を振り切り、インゴールへ飛び込んだ。しかし、その後慶大Cのモールを止め切ることができず、トライを献上する。同点となった前半19分、ハーフライン付近でFL野島信太郎(教1=東海大大阪仰星)がスピードあるキャリーで相手選手を3人巻き込む。外側に数的有利ができたところを、FB髙栁壮史(創理2=東京・早大学院)がブレイクし、最後はフォローに来ていたSH井上泰志(スポ3=福岡・東筑)がトライを獲得した。その後、1トライを返されるも、モールやPR新井瑛大(教1=大阪桐蔭)のフィジカルプレーが慶大のディフェンスを粉砕し、2トライを奪い返す。前半は個の力も光り、24ー14とリードして後半へとつないだ。


インゴールへグラウンディングするSH井上

 迎えた後半は、「最初は個人で勝負してしまっていたが、ハーフタイムやショートトークで修正できた」とNO・8小池航太郎(商4=東京・早実)ゲームキャプテンが振り返るように、チーム一丸となってトライを取り切る場面が多くあった。慶大Cに先制トライを奪われたが、規律あるディフェンス、スクラム、そして継続アタックで優勢となり、その後の主導権は早大Cにあった。特に、スクラムで優勢になったことが、BKにアグレッシブさをもたらした。後半19分、自陣10メートル付近のスクラムでアドバンテージを獲得し、CTB黒川和音(人2=茨城・茗渓学園)がキックで相手裏へボールを浮かす。そのボールをCTB仲山倫平(法2=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)がキャッチし、オフロードでつないで敵陣ゴール前までゲイン。その後、再びペナルティーを獲得し、モールを起点にSH清水翔大(文3=東京・早実)がインゴールへ押し込んだ。試合終盤まで、早大Cの勢いは止まらない。FWの身体を張った連続攻撃からBKがラインブレイク。そのチャンスを逃さず、途中出場のWTB小澤ジョージィ(スポ2=千葉・流経大柏)が2トライを獲得した。慶大Cのアタックに対しても粘り強いタックルで仕留め続け、その後はノースコアに抑えて、44ー21で白星を飾った。


途中出場ながら、勢いある攻撃を見せ2トライを獲得したWTB小澤

 「これまで練習や3試合重ねてきて、互いがどんなプレーをしたいか分かるようになってきて、良いチームになってきている」(小池)と語るように、早大Cがチームとしてのまとまりを見せた本試合。FWがセットプレーや継続で優位に立ち、BKが展開によってトライを取り切るという『早稲田ラグビー』を体現したものであった。次節の東海大C戦は、よりフィジカルが求められる厳しい戦いとなるだろう。ここまでの2連勝の勢いを維持しつつ、改善すべき点を修正して臨む彼らのプレーに目が離せない。

(記事 長野恵治、写真 川上璃々)

コメント

NO・8小池航太郎ゲームキャプテン(商4=東京・早実)

――今日の試合のテーマを教えてください

 今日の試合のテーマは破壊です。慶應さんがブレイクダウンやいろいろな接点において、仕掛けてくることが分かっていたので、逆にそこを破壊して自分たちのペースに持っていこうとしていました。

――試合全体の振り返りをお願いします

 最初のほうは、どこか行けるという気持ちから個人個人のプレーになってしまい、なかなか点差が開かない状況でしたが、底に対してショートトークやハーフタイムで修正していって、15人で動けた結果、点差を開いて勝つことができたと思います。

――これまでの試合を通じて、Cチーム全体をどう評価していますか

 お互いを意識するようになったと思います。最初のほうは、個人が良いプレーをして上に上がるという意識が強かったですが、練習や試合を通じて、今はお互いがどういうプレーをしたいかといった気遣いの部分ができてきているので、良いチームになってきていると思います。

――次戦に向けて修正したい部分はありますか

 ディフェンスにおいて、一人目二人目のファイトがまだまだ足りないので、1週間のうちにできる限り修正して、東海大戦に臨みたいと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 来週が節目となっているので、まずはそこで勝ち切って、チーム全員がいいプレーをしていく中で、自分もいいプレーをしていきたいと思います。

WTB小澤ジョージィ(スポ2=千葉・流経大柏)

――今日の試合の個人的なテーマをお聞かせください

 今日の試合のテーマはトライを量産するということでした。それは体現できたかなと思います。

――ご自身のトライを振り返っていかがですか

 仲山選手(仲山倫平、法2=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)や高栁選手が外にボールを回してくれることは、最初から分かっていたので、信頼してずっと外でボールを待ってました。

――今日の反省点はありますか

 自分はノックオンが多いので、ベーシックスキルのところを課題として持っていて、今回も一度ノックオンをしてしまったので、そこをミスのない選手になっていきたいです。

――今後の意気込みをお願いします

 今後の試合も続いていく中で、自分はトライを取るというところに注力しているので、それを体現してチームの勝利に大きく貢献できればなと思います。

PR新井瑛大(教1=大阪桐蔭)

――今日の個人的なテーマを教えてください

 『ガッツ』です。リロードのところや、接点で圧倒するところをテーマに試合に挑みました。

――スクラムについて振り返っていかがですか

 練習していたメンバーとは違うメンバーで、試合のスクラムを組んだので、合ってない部分はありましたが、試合で修正しながらまとまって組めたので、良かったです。 

――フィールドでアグレッシブなプレーが目立っていました。何か意識されていたことはありますか

 僕は、ボールタッチの回数を意識していました。慶大さんもすぐ立ち上がるディフェンスだったので、一回ボールを持ったら、一発で倒れずに、仕掛けてパスを放ったり、自分でキャリーしたりとかボールタッチの回数をしっかり上げようと意識してました。

――次戦への意気込みをお願いします

 次回はジュニアの東海戦になります。来週まで時間がないですが、しっかりチームで問題点を修正し、自分も課題であるリアクションやスクラム部分を上達させて臨みたいと思います。

 

ジュニア秋季オープン戦
早大Cスコア慶大C
前半後半得点前半後半
242014
44合計21
【得点】▽トライ 鈴木(2T)、井上(1T)、真田(1T)、新井(1T)、清水(1T)、小澤(2T)▽ゴール 糸瀬(2G)
※得点者は早大のみ記載
5小野 史裕スポ3東京・本郷15高栁 壮史創理2東京・早大学院

早大メンバー
背番号名前学部学年出身校
杉本 安伊朗スポ1東京・国学院久我山
真田 稜大教2東京・早実
新井 瑛大教1大阪桐蔭
岡村 圭悟スポ3東京・本郷
西浦 剛臣社3ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール
野島 信太郎教1東海大大阪仰星
◎小池 航太郎商4東京・早実
井上 泰志スポ3福岡・東筑
10糸瀬 真周スポ2福岡・修猷館
11杉野 駿太政経3東京・早大学院
12三浦 称児人4大分舞鶴
13黒川 和音人2茨城・茗渓学園
14鈴木 寛大スポ1岡山・倉敷
リザーブ
16佐々木 柊スポ3東京・本郷
17下間 元貴スポ4秋田
18池田 裕哉スポ3東京・明大中野
19佐土原 脩基理4埼玉・早大本庄
20小野 史裕スポ3東京・本郷
21渡辺 駿斗商4東京・早実
22山田 凜太法1茨城・茗渓学園
23松永 拓実スポ3埼玉・県浦和
24桝谷 連太郎スポ3東京・本郷
25大賀 雅仁スポ1神奈川・桐蔭学園
26鳥海 雄図教4東京・早実
27小澤 ジョージィスポ2千葉・流経大柏
28鈴木 陽結政経4東京・早大学院
29仲山 倫平法2ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)