飛込競技の金・銀メダルを取りまくっている中国勢。ただそれは“飛込大国”にすれば、層の厚さを考えれば、ほんの一部にすぎなかった。「世界水泳ドーハ2024」9日目が2月10日に行われ、男子10m高飛込決勝では、楊昊(中国)が金メダル、曹縁(中…

 飛込競技の金・銀メダルを取りまくっている中国勢。ただそれは“飛込大国”にすれば、層の厚さを考えれば、ほんの一部にすぎなかった。「世界水泳ドーハ2024」9日目が2月10日に行われ、男子10m高飛込決勝では、楊昊(中国)が金メダル、曹縁(中国)が金メダルを獲得し、飛込競技最終日をワンツーフィニッシュで締め括った。本来であればメダル獲得に緊張の最終演技であるところ、いとも簡単に決め続けたところ、解説者からは「国内の決勝では同じレベルの選手が10何人もいる」と驚きのコメントがあった。

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 今夏にパリ五輪を控える中国勢は、出場を見合わせたものを除き、今大会でも金メダルラッシュ。前回の福岡大会で金メダルを逃した男子10m高飛込でも金銀独占を果たし、パリ五輪での「全種目制覇」に向けて、着々と仕上げてきた印象だ。銀メダルを取った曹縁は、最終6本目に5255B(後ろ宙返り2回半2回半ひねりえび型)を完璧に決めて99.00をマーク。トータル553.20と十分に金メダル級の高得点を出した。

 落ち着き払った演技に驚いた解説者だが、ここぞという場面で失敗をしない理由について、驚きの現実を語り出した。「考えたら、国内でもっと強い選手たちが決勝では同じレベルぐらいの選手10何人もいること。これくらいはプレッシャーに感じないかもしれない」。今回は銅メダルにオレクシー・セレダ(ウクライナ)が食い込んだが、中国代表を決める戦いには、金メダルの楊昊、銀メダルの曹縁と同レベルの力を持った者が、ゴロゴロ出てくるのだという。

 仮に各国に出場枠の制限がなければ、飛込競技に関しては「表彰台独占」どころか「決勝進出者が全員中国勢」という異常事態も引き起こせているはず。氷山の一角とよく言われるが、仮に楊昊、曹縁に何かあったとしても、同等かそれ以上の選手が出てくるとあっては、飛込大国が揺らぐイメージはまるで湧かない。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)