スポーツクライミングの日本一を決める「ジャパンカップ2024」が、佐賀県多久市の県立多久高校内に昨年新設された施設で12日まで開かれている。この大会が県内で実施されるのは初めて。 大会の会場は、県が約8億2千万円かけて整備している「九州ク…

 スポーツクライミングの日本一を決める「ジャパンカップ2024」が、佐賀県多久市の県立多久高校内に昨年新設された施設で12日まで開かれている。この大会が県内で実施されるのは初めて。

 大会の会場は、県が約8億2千万円かけて整備している「九州クライミングベースSAGA」。制限時間内に完登した課題の数を競う「ボルダー」、登った高さを競う「リード」、完登の速さを競う「スピード」の3種目に対応する、九州では初、全国では10番目の施設だ。

 壁の大きさは、ボルダーが幅30メートル、高さ4・8メートル。リードが幅12メートル、高さ15メートル。スピードが幅6メートル、高さ15・6メートル。3種目とも世界大会の開催基準を満たしており、秋に県内で開催される国民スポーツ大会の競技会場にもなる。

 佐賀を拠点に活躍するトップアスリートを育てようという「SAGAスポーツピラミッド構想」の一環として建設された。多久高校には以前からスポーツクライミングの施設があり、地域のユースクラブの練習にも使われていたことから、新たな施設も同校内に設けられた。

 10日から行われているのはボルダーの大会。壁に取り付けられているホールドと呼ばれる突起物の位置は、男女の予選、準決勝、決勝などプログラムによって変更される。全員が完登できても、だれも登れなくても困るため、適度な難易度になるよう、ルートセッターの役員が事前に綿密に準備するという。

 11日午前は男子の準決勝があり、前日の予選を勝ち抜いた20人が参加。各課題を5分以内に登らねばならず、四つの課題のうちいくつ完登できたかを競う。各選手は、観客の「ガンバ!」という声援に後押しされながら壁に挑み、見事に完登すると、拍手や歓声が上がっていた。午後は女子の予選があり、12日に男子の決勝と女子の準決勝、決勝が行われる。

 ジャパンカップは今月23、24日にリード、25日にスピードの大会が、いずれも同じ九州クライミングベースSAGAで行われる。(小陳勇一)