第4回は2年生の村松涼雅(商2=岩手・不来方)、守屋雄司(スポ2=神奈川・法政二)、1年生の小柴創(スポ1=千葉・昭和学院)にお話を伺った。ポストという共通点を持つ3人。良きライバルとしてそれぞれのプレーの特徴や強み、そして全日本学生選手…

 第4回は2年生の村松涼雅(商2=岩手・不来方)、守屋雄司(スポ2=神奈川・法政二)、1年生の小柴創(スポ1=千葉・昭和学院)にお話を伺った。ポストという共通点を持つ3人。良きライバルとしてそれぞれのプレーの特徴や強み、そして全日本学生選手権(インカレ)への意気込みを語っていただいた。

※この取材は10月24日に行われたものです。


左から、守屋、小柴、村松。

――簡単に名前とポジションの自己紹介をお願いします

村松 村松涼雅です。ポジションはポストをやっています。

小柴 小柴創です。ポジションはポストをやっています。

守屋 守屋雄司です。ポジションはポストをやっています。

――右隣の選手を紹介するかたちで他己紹介をお願いします(村松→小柴、小柴→守屋、守屋→村松)

村松 隣の創くんはチームのディフェンスの要と言っても過言ではないです。1年生なんですけど、チームの中心としてインカレでも頑張ってくれると思います。

小柴 雄司さんはフィジカルがチームの中でも抜きん出ていて、身長はそんなになんですけど、でかい他大学の選手に対しても全然引けを取らないと思います。あと、プレー面だけじゃなくて盛り上げる部分でも中心となってとてもチームに大事な存在です。

守屋 村松くんは春(関東学生春季リーグ)はずっと僕が試合で出れてない間ポストとしてチームを支えてくれた、すごくありがたい存在です。ちょっと前まで本当に人として終わってたんですけど、最近やる気が芽生えてきて、ケアとか準備とかもちゃんとやってるんで一緒にポストとしてやっていて、とてもたくましい存在であり、いいライバル関係ですね。

――オフの日にしていることってなんかありますか

村松 インカレが近くてやっぱり練習もハードな日が多いので、ハードな日はちゃんと食事をして、体を休めて、練習に万全の状態でいけるようにしています。

小柴 僕はオフの日は寮のベランダにいて、好きな動画を見たり、音楽を聞いたり、 残っている課題とかをやったりしてリラックスしています。

守屋 オフの日はトレーニングを少しやって、最近は奥田(理仁、人2=群馬・富岡)と一緒にスーパー銭湯に行くことがちょっとブームなので、よく夜中にスーパー銭湯行ってますね。

――次にハンドボールを始められたきっかけを教えてください

村松 僕は小学校から始めたんですけど、友達に誘われて始めました。

小柴 僕はサッカーを小学校でやっていて、あまり自分に合ってなくて、中学校は何やろうかなって思っている時にお姉ちゃんがハンドボールやっていて興味があったので始めました。

守屋 親の影響で始めて。3兄弟なんですけど、(親が)3兄弟全員にハンドボール始めさせたくてハンドボール教室を作ったのがきっかけで、そこに通い始めてからです。

――ハンドボールをやめたいなと思ったことはありますか

村松 高校とかは勉強もありましたし、うまく(部活と勉強の)バランスが取れなくなるとやめたいなって思うことはありました。

小柴 僕も(やめたいと思ったことが)あって、中学校の頃、監督が厳しかったり、練習が厳しかったりもあるんですけど、キャプテンをやってみて、ちょっと自分には荷が重すぎてやめたいなって思った時は何度もありました。

守屋 続けるか悩んだのは、高校から大学に進学する時に続けるかどうか1回悩みました。自分が上で通用するのかどうかすごく不安になって、続けるか悩んだんですけど、高校の選抜(全国高等学校選抜大会)、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)と消化不良で終わってしまったんで、上でも続けたいなと思うようになって今も続けています。

――皆さんは下級生ですが、仲のいい先輩はいますか

村松 仲のいいのは例えば、大輝さん(渡辺、スポ4=東京都市大付)。トレーナーで副キャプテンの方なんですけど、寮でも一緒ですし、いろんな下級生に対して距離感を近くしてくれたり、一緒にアニメの話とかしたりすることもあります。あと、狩野さん(直樹、スポ4=埼玉・浦和学院)とかもウェイトで同じ班ですし、ディフェンスでも隣になることがあるので。ハンドボールのこと以外でも気さくに話してくれる人が多いので、今の2人以外にも基本的に仲がいいと思っています。

小柴 特に仲いいのは、田井健志さん(スポ4=香川中央)で。弟みたいに可愛がってもらっているというか(笑)。あとは、ゲーム一緒にやったりとかもしてるんで、1番仲いいかなと思っています。

守屋 基本皆さんと仲いいんですけど、健志さんは僕が初めて練習来た時からすごく優しく接してくれて、そこからずっと仲良くさせてもらっています。最近はちょっと大輝さんが僕の恋愛の師匠みたいな感じなんで(笑)。恋愛相談をして一緒に悩みながら過ごしています。3年生は航平さん(渡辺、人3=神奈川・桐光学園)が同じ地元神奈川出身なんで、いつも仲良く高校時代の話をしています。

――村松選手と守屋選手から見て今の1年生の学年の印象はどんな感じですか

村松 仲も結構いいというか、いつも一緒にいるイメージがあります。レベルが高い選手が多い印象で、やっぱり1年生からあんなに活躍できる選手が多いってのは結構珍しいというか、貴重な存在なので僕たちからしても頼りになる存在です。

守屋 村松も言っていたんですけど、本当に頼りになる後輩たちばかりで。僕らの代だけでは去年とかすごく不安だったんですけど、今年の1年生が入ってくれたことによって、今後の早稲田の未来が明るくなったのかなって感じはしています。今年のインカレでも1年生が活躍してくれたらなと思います。

――小柴選手から見て2年生の印象はいかがですか

小柴 3、4年生に比べていい意味で相談しやすいっていうか、話しやすいっていうのが1番の心の支えになります。あとは、1年生だけじゃなくて2年生も結構試合に出ていてチームには欠かせない人たちだと思います。早稲田大学はルールが結構多いんですけど、そういうのも全部教えてくれたり、時には僕たちがやらかした時とかには厳しく言ってくれるので良い先輩だと思っています。

「インカレに向けてレベルアップする機会に変えられた」(村松)


秋季リーグを振り返る村松

――ここから関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)の話に移りますが、改めて秋季リーグを振り返っていかがですか

村松 そうですね、全体としてやっぱ苦しかったっていうのが1番の印象です。僕はけがで最初から出れていたわけじゃないんですけど、勝てる試合を自分たちの実力を発揮できずに落とす場面が多かったです。逆にその状況をポジティブに捉えて、自分たちがインカレに向けてレベルアップする機会に変えられたことは、素直に良い時期っていうか、良いリーグになったのかなと思います。

小柴 秋季リーグはシュートミスがいっぱい目立って、勝てる試合をいくつも引き分けとか負けたりとかで勝ちきれなかったので、前半は苦しかったです。でもそんな時に落ち込まないでキャプテン中心に次の週から盛り上げてウェイトトレーニングしたりとかでチームは盛り上がることができて、なんとか後半は大事な試合に勝つことができて入れ替え戦を回避することができたのでよかったと思います。

守屋 村松が言っていた通り、本当に苦しくて辛い秋季リーグだったと思いますね。(自身)4回目のリーグ戦だったんですけど、ここまで崖っぷちに立たされたリーグ戦っていうの初めてで。僕自身は去年の春のリーグ戦出て、そこからけがで2つリーグ戦に出られなくて復帰戦となる秋季リーグだったんですけど、やっぱりけがの影響で全部の試合に出れてなかったり、1試合通して出れてなかったりとか、チームにも結構迷惑かけてしまったなっていうのもあります。自分のプレーが原因で負けてしまった試合も何個かあったのと、自分が出てない春リーグよりも順位が落ちちゃったっていうのはすごく考える部分がありますが、その分一つ一つの処理っていうのは重く大事なものっていうのは感じましたし、そこを勝ち切る大変さっていうのも実感できたのが大きかったかなと思います。それをインカレにどう生かしていくのか。あと1週間ぐらいしかないですけど、また一つ一つやっていきたいなと思います。

――今年で印象に残った試合はありますか

村松 僕はそうですね、1つはやっぱり秋リーグの中大戦(○31―30)かなって思っていて。今全国2連覇しているチームってこともあって、そこまで(早大は)負け続きだったし、本当に勝たないとやばいっていう状況で、1点差で勝ち切ったあの瞬間っていうのはチームの総力というか、みんなが力を出し切った試合だなって思います。あの勝ちがきっかけで、その後の秋リーグも勝っていくことができたかなと思うので、あの試合がなかったら入れ替え戦に行ってたかもしれないし、そういった意味では、やっぱりこの1年だとあの中大戦が1番印象に残っています。

小柴 僕も中大戦で。相手の主力メンバーが1人いなかったっていうのも大きいんですけど、すごいプレーヤーが多いチームに対して最後まで粘って、最後雄司さんがシュートを決めた時は、もうなんか鳥肌っていうか、今でも記憶に残っています。もう1つは順大戦(●28―29)でやっぱり前半流れ良くて、6、7点差離れていたんですけど、退場とかで一気にひっくり返されて最後逆転されちゃったのは、結構辛かったんですけど、チームにとってはいいことを学んだなと。あれがあったから東海大戦(○37―25)とかでも、大差が開いても油断しないで最後までやりきろうってなって追いつかれるというような展開にならなかったので、順大戦もチームにとっては大事な試合だったかなと思います。

守屋 2人と同じになってしまうんですけど、やっぱ秋リーグの中大戦は1番印象に残っている試合かなと思います。最後勝ち切ったのと、最後に1点取ったあの興奮とか、あの瞬間っていうのは本当に忘れられないものです。僕はハンドボールを始めてもう10年以上経っているんですよ。なんですけど、そうやって自分の1本でチームの勝ちが決まった瞬間っていうのは今まで経験したことがなかったんで、本当に初めての経験で、ハンドボールってこんなに面白いんだなって、またさらに実感できた瞬間である試合だったんで、あの試合のパフォーマンスをコンスタントにできるようにしたいなっていう風に感じた試合でした。

――秋リーグでの個人のプレーを振り返っていかがですか

村松 僕は出遅れたってのもあったし、春と比べてしまうと、シュート決定率であったりとか、貢献度っていうのも落ちてしまう部分もあったんですけど、雄司とは違う良さというか。雄司はフィジカルを生かしたプレーが得意なのに対して僕はディフェンスの裏を走ったりとか、長い手足を使ったプレーっていう特徴を生かして、秋リーグでは出場時間はそんなに多くもなかったんですけど、チームの攻撃の起点の1つとして機能することはできたのかなと思ってます。

小柴 僕は隣のディフェンスの健志さんと直樹さんのフォローがあったので、ある程度自由にディフェンスできたので、運動量を持って(ディフェンスを)できたんですけど、個々の力が強いチームに対してのミドルシュートを全部守りきれなかったっていうところが課題だと思いました。オフェンスの面でまだ全然チームに貢献できているところがないので、これからはディフェンスだけじゃなくて、オフェンスも強化できたらなと思います。

守屋 秋リーグは本当に波が激しかったのかなっていうのが自分の印象です。いい試合は本当に良かったんですけど、悪い試合は本当に印象のないプレーヤーになってしまったっていうのが自分の中の反省としてあるんで、いい状態を常にキープできるようにしていくのが今後の課題かなと思います。

――小柴選手は高校と大学のハンドボールで何か違いは感じましたか

小柴 大学に入って一気にフィジカルの差とかを痛感しました。ある程度高校に比べて危ないプレーとかも許されているので、最初入った時はフィジカルの差をやっぱ1番感じましたね。あと、スピードの差とかも結構感じました。

――先ほど村松選手もおっしゃっていましたが、皆さんポスト同士でそれぞれのプレーに対してどんな印象ですか

村松 創は最初も言ったんですけど、ディフェンスの要です。どうしても他の大学の選手よりかはフィジカルで押されちゃうっていうのは、仕方ないことなんですけど、やっぱりそこを運動量とか、相手との駆け引きで頑張って守ってくれたおかげで、僕たちの流れが悪い時に自分たちの流れに持ってくることができましたし、オフェンスでもちゃんと決めて欲しいところで決めてくれるので、本当に創がいたから春、秋と僕たちは勝ってこれたと思っています。雄司も本当に1年間リハビリを頑張っていて、ウェイトとか体力とか、けがする前よりも上がっています。ポストって普段はあんまり目立たないポジションなんですけど、ほぼ毎試合光るプレーを何度も連発してくれる存在なので、本当に2人のプレーはいつも勉強にしています。

小柴 涼雅さんは相手の崩れたところに対して、スライドしたりして相手のディフェンスの穴を見つけるのがすごく上手で。(パスを)もらう位置だけじゃなく、シュートもただ打ち込むんじゃなくてスピンシュートとかもあって。そういったシュートを決めたらチームが盛り上がるので、そういうところがいいと思います。雄司さんはスペースに走るっていうよりは、フィジカルで空間を作って、それだけで相手は崩れるので、そこが強いと思います。

守屋 村松はやっぱりスライドは本当にうまいなと。特に大きな距離移動するスライドっていうのは見習っていかなきゃいけないなと思う部分です。あとスピンシュートを何年も練習しているんですけど、僕は一向に身に付かないので(笑)。本当に羨ましいなと思いながら見ています。創は僕とか村松とか黒沼(大幹、教1=東京・明星)、結城(颯太、スポ1=千葉・昭和学院)に比べて速さを持っているので、ポストのターンとかっていうのはすごく光るものがあるなっていうのと、手が長いんで届きそうにないボールも手が届くってのは羨ましいなと思ってプレーを見ています。

――試合はお三方で交代しながら出場していますが、このタイミングは自分が出場するみたいなのは決まっていますか

村松 例えば、相手の立体ディフェンスが高い時とかだと、雄司の方が判断力とか(良くて)、相手同士が離れているので、その間を強く行くことができるので、そういう時には自分が出ている時とかでも、三津さん(三津英士監督、平8人卒=久留米工業大附)とか永田コーチ(奈音、平30スポ卒=小林秀峰)とかに、「雄司の方がいいと思います」みたいな会話をしますし、逆に(雄司が)合ってないなみたいな、うまく相手のディフェンスの裏をかけていない時は、「自分が出ます」みたいな会話をします。僕とか雄司とか創を相手に合わせて、1番合う選手を入れるようにはいつも考えています。

小柴 僕はやっぱりディフェンスから速攻とかリスタートでどれだけ早くポストの位置を取れるかっていうところはできるんですけど、セットオフェンスになるとどうしても2人には劣っちゃうので、2人のどっちかが退場した時とか、けがした時に自分が出るかなと思います。

守屋 村松も言っていたんですけど、(相手が)立体ディフェンスの時はなぜか僕なんですよね。あんまり立体得意じゃないんですけど(笑)。他のポストの人があまり得意じゃないので、立体だけは基本僕になるかなっていうのと、あとリスタートをしてくるチームの時は小柴と交代せずにディフェンスに入ることが多いですね。一線のディフェンスに関しては僕が調子良ければ、僕が出るつもり満々なんで(笑)、 調子悪かった時だけ代わってもらえればいいかなという心づもりでいつもプレーはしています。

――お三方は良い意味でライバル関係ですか

村松 そうですね。最近はポストのポジションの人が多くて、1回あたりの練習時間っていうのもすごく短いので、セットオフェンスでバックプレーヤーの人と合わせるっていう機会が少ない中で、どっちが多く出るとか、あと試合の後とかも、今日は(自分が)長く出たみたいな、点数入れたみたいなちょっとそういう会話を交えながら、いい意味で刺激し合っている関係であるかなと思います。

小柴 ディフェンスの方ではライバル視をしています。僕と代わって同じポジションに交代で入った時に、自分より2人がうまくやっているのを見ると、ライバル視しちゃうっていうか、「マジか」みたいにちょっとなるんですけど、オフェンスではライバル視っていうよりは見本ていう感じで、2人のプレーを見て取り入れたいなって思っています。

守屋 基本みんな僕はライバル視させてもらっています(笑)。今僕含めてポストが5人いて、誰にも負けたくないなっていう思いで日々の練習に取り組んでいますし、フィジカル、身長とかは僕が1番持っていない人間なんで、それをどう埋めて負けないでいられるかっていうのは、それぞれのプレーを見て、盗めるところは盗んで自分のものにして、自分が少しでも長く試合で活躍できるようにしたいなと思いながらプレーしています。

――もしポスト以外のポジションをやるとしたらどこをやってみたいですか

村松 できるなら、キーパー以外だったらどこでもやりたいんですけど(笑)。キーパーは顔当たったりするのを見ると、ちょっといいかなって思います。やっぱどうしてもポストって相手のディフェンスの中にいるので、フィジカルとかのトレーニングが大事なんですけど、サイドとかだとあんまりフィジカルなくても点数取れて活躍できるなっていうのをみると、サイドもいいかなって思います。エースとかは、活躍するとかっこいいですし、得点もたくさん取れるところなので、たまに人が足りないときに(エースに)入ったりするんですけど、ポストとはまた違う楽しさっていうのがあるのでどこと限らず、いろんなポジションを経験としてやってみたいかなと思っています。

小柴 僕は左サイドをやってみたいです。上(フローター)のポジションに比べてシュートの機会とかは少ないんですけど、シュートに来た時は大体大事な場面で、接戦の時とか逆転の場面とかが多くて緊張はするんですけど、そういうところで決めた分、やっぱ喜びは大きいかなと思っていて。あと、僕は手が長いのでサイドなら生かせるかなと思います。

守屋 キーパーをやってみたいですね。

一同 (笑)。

守屋 コードプレーヤーではちょっとユーティリティープレーヤーとしてやっている部分があって、逆サイドとしての出場もあったので(笑)。どこでも出る可能性があるかなと思うんですけど、やっぱキーパーだけは出場の可能性ないんで、1度公式戦でノーマークシュートを止めて、沸き上がる瞬間を味わいたいなと思います。

――ここからインカレの話に移りますが、現在のチームの仕上がり具合はいかがですか

村松 本当に良くなっていると思っています。先日、実業団で監督をされている早稲田のOBの阿部直人先生が練習にいらして、ディフェンスシステムとかオフェンスのことについて色々ご指導いただいたんですけど、それから本当に、僕らのディフェンスの運動量っていうのも格段に上がっていますし、オフェンスでも身長とかはあんまりないんですけど、いろんな選手を入れながら最近はプレーできているので、総力的にもどんどんインカレで勝つために上がっているとは思います。

小柴 涼雅さんと同じで阿部先生が来てくださってからディフェンスシステムを変えて、インカルまで2週間ほどしかなかったので、変えてからはあんまりうまくいかなくて心配な面が多かったんですけど、先週の土日の筑波大と日大の練習試合を通して結構そのディフェンスが通じたので、だいぶチームが仕上がってきているのかなと思っています。オフェンスでは攻められない場面でも色々試してみて、シュートまでいかなくて悩むっていうことは無くなったので仕上がってきたと思います。

守屋 皆さん仕上がってきているって言っているんですけど(笑)、僕はまだもう少し足りないのかなと思います。この前明大の人と喋る機会があったんですけど、明大の人が話していたのは「4年生はもうこれでラストなのに、その雰囲気に明大はまだなっていないんじゃないか」という話を聞いて、はっとなりました。そこを考えると僕たちもまだまだやれる部分が残っているのかなっていうのは感じますね。練習試合も含めて勝ちきれない部分っていうのはまだまだあるのかなと思うので、本当に後悔を生まないような1週間、2週間弱を過ごして、仕上げられる部分は仕上げていくべきかなと感じます。

「初戦が1番の勝負所」(小柴)


インカレの組み合わせについて語る小柴

――インカレの組み合わせをご覧になっていかがですか

村松 そうですね。正直言うと、本当に初戦から大変な試合になりそうだなっていうのはあって。やっぱり秋リーグで僕たちは4位以内、シード圏を狙っていたんですけど、そこに届かずにどちらかというと低い順位になってしまって、他の地区の強いチームと当たるかなっていうのは、ある程度予想していました。東海地区2位っていうのもあるし、相手の情報を色々集めているんですけど、過去の動画とか見ていると、フェイントもキレるし、シュート力もある選手が多いなっていう印象です。でもそこ(中京大)に勝てれば、本当に勢いづくと思いますし、目標である優勝も見えてくるかなと思うので、初戦が決勝だと思って今はもう勝つしかないっていう気持ちでいます。

小柴 初戦東海(東海学生秋季リーグ)2位の中京大になって、選手みんな力があるので厳しい戦いになるとは思うんですけど、そこで怯まずに初戦勝てれば、勢いつくので、やっぱ初戦が1番の勝負所ですね。

守屋 中京大の山を引いて、「あ、引いたなー」っていう風に思いましたけど、難しい山と言えば難しい山になるんですけど、他の関東の大学も強いところと当たっているチームが多いので仕方ないのかなっていう部分もありますし、やるしかないなという風に感じましたね。目の前の一戦一戦勝つしかないなと。去年、一昨年とで1回戦の難しさと悔しさってのはわかっていると思うんで、そこを突破して優勝を目指していくしかないかなと感じました。

――今年のリーグ戦も含め、早稲田は初戦に対して苦手意識がある印象ですが、今回のインカレの初戦はどのように臨んでいこうと考えていますか

村松 そうですね、やっぱり全国大会は慣れていない場所でやるってこともあるし、函館なのでもうこの時期は、寒いかなと思うので。早稲田が勝っている時っていうのは、足も動いてるし、速攻に走れているので、どれだけ動けるか、最初からエンジンかけていけるかっていうのが、試合の勝敗を左右するのかなって思います。しっかりと1発目から自分たちのディフェンスができるように、体力トレーニングだったり、意思の統一を図っていきたいなと思っています。

小柴 春リーグ、秋リーグの初戦は9試合あるうちの1試合って感じで、なんかぬるい感じで入ってしまいました。でもインカレのトーナメントは負けたらそこで終わりなので、初戦でも全部出し切るっていう気持ちでやっぱ入らないといけないと思います。

守屋 初戦はやっぱ大事なんで、エキサイトしてファイティングな姿勢を見せていくしかないなと思いますし、やっぱそこを見せられるのが僕の持ち味かなと思っているんで(笑)。いかにチームを引っ張っていけるかっていうのは自分の鍵になってくると思いますし、高校時代はそういうところが得意の部分だったんで、もう一度そこを呼び起こして戦っていきたいなと思います。

「早稲田を背負う漢に」(守屋)


インカレへの意気込みを色紙につづる守屋

――目標の日本一になるためのキープレーヤーは誰になると思いますか

村松 やっぱり3年生の琢磨さんは(白築、文構3=東京・早実)は春、秋で得点王ですし、他の大学からも警戒される人物だと思うので、やっぱりそこを封じられた時に、次周りがどうプレーするかっていうのが重要かなと思います。まあ2人目はやっぱり僕。僕がやっぱり相手を退場させたりとか、得意のスピンシュートでチームを盛り上げて、勢いづかせればいいかなって思います。

小柴 僕はキープレーヤーはキーパー陣だと思っています。リーグ戦を見ても、キーパーが調子いい時はいい試合なので。やっぱり智宇さん(塚本、スポ4=富山・高岡向陵)と航平さんがどれだけ(シュートを)止めてくれるかっていうのは、勝利がどれだけ近づくかにつながりますし、あとはやっぱり僕(笑)。

一同 (笑)。

守屋 流れきてる(笑)。

小柴 僕も運動量を持って相手をビビらせるぐらいやれば勝てると思います。

守屋 重要なキープレーヤーでいえば、やっぱり4年生なのかなと。今年は良くも悪くも4年生のチームだなとこのチームが始まった時から思っていたんで、4年生の頑張りっていうのが本当に重要になってくるのかなと。まあ、やっぱ最重要キーパーソンといえば僕ですね(笑)。

一同 (笑)。

守屋  どんなプレーが出るかっていうのはインカレを見ていてくれればわかると思うんですけど、早稲田を背負う漢に、この函館でなってきます。

――ご自身に関して注目してほしいプレーとか強みは何ですか

村松 やっぱり僕は、プレーのとこでも言ったと思うんですけど、スライドとかシュートバリエーションっていうとこで、シュート1つにしても、思いっきり打ったり変に打ったり、入れば同じ1点ですけど、決める姿勢とか決めるまでのプレーの完成度とかっていうのが高ければ高いほどその後のチームのプレイにも影響するし、逆に相手のプレッシャーにもなり得るので、ポストってあんまりシュート回数が試合通して多くないですけど、ボールをもらった時には全力で決めに行くので、その姿勢に注目してもらえたらなと思います。

小柴 1つは、ディフェンスの運動量で、1人が抜かれても、運動量を生かしてフォローに行って(相手を)止めるっていうところです。もう1つはリスタートの早さで、僕がリスタートの最初なので、そこをいかに早くできるかで得点のシュート回数も増えますし、そこが僕の強みかなと思います。

守屋 僕は僕の全てを見ていてほしいなと思います。プレーに関係なく、僕の一挙手一投足全てを。インカレを意味のあるものにしたいと思います。その上でインカレで5試合やっていれば、1回ぐらいは逆サイドのシュートがあると思うので(笑)。

一同 (笑)。

守屋 そこには乞うご期待していただいて結構です(笑)。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします

村松 本当に4年生にとっても最後の大会ですし、花をもたせるじゃないですけど、僕たちの頑張りっていうのも本当大事になってくると思います。インカレが終わってしまえば、次は自分たちが上級生としてチームを引っ張っていかないといけない存在になるので、インカレ後も見据えてしっかり自分がレベルアップできるように、そしてチームがインカレで優勝できるように、残り1週間、少しでもレベルアップできるように自分と向き合いながら頑張っていきたいと思います。

小柴 早稲田は多分全国でも優勝候補として注目はされていないし、リーグ(関東学生リーグ)で5位以下のチームが優勝したことないらしいので、史上初の5位以下の優勝を狙いたいなと思います!

守屋 勝ちます!

――ありがとうございました!

(取材・編集 澤崎円佳、丸山勝央)


最後にインカレへの意気込みを書いていただきました!

◆守屋雄司(もりや・ゆうじ)(※集合写真左)

2003(平成15)年5月17日生まれ。175センチ。神奈川・法政二高出身。スポーツ科学部2年。秋季リーグの中大戦では残り3秒で劇的ゴールを決めた守屋選手。初めての対談にもかかわらず、軽快なトークで盛り上げてくれました。チームの火付け役として早稲田を背負う漢がインカレでもエキサイトしてファイティングな姿勢でチームを奮い立たせます!


◆村松涼雅(むらまつ・りょうが)(※集合写真中央)

2003(平成15)年8月16日生まれ。182センチ。岩手・不来方高出身。商学部2年。テクニックを生かしたポストプレーやシュートが持ち味の村松選手。春はけがで欠場していた守屋選手の分までポストとしての役割を全うしていました。インカレでもさまざまなシュートで相手キーパーを翻弄(ほんろう)します!


◆小柴創(こしば・あらた)(※集合写真右)

2005(平成17)年3月8日生まれ。180センチ。千葉・昭和学院出身。スポーツ科学部1年。1年生ながら早大ディフェンスの要を担っている小柴選手。試合中の真剣な表情とは打って変わって対談中の柔和な表情が印象的でした。驚異的な運動量のディフェンスで相手をビビらせます!