第1回は、早稲田の攻撃を支える下級生5人。セッターの浅野翼(スポ3=宮城・東北)と前田凌吾(スポ2=大阪・清風)、OP畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)と佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)、OH安食浩士(スポ1=宮城・東北)に今年の振り返…

  第1回は、早稲田の攻撃を支える下級生5人。セッターの浅野翼(スポ3=宮城・東北)と前田凌吾(スポ2=大阪・清風)、OP畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)と佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)、OH安食浩士(スポ1=宮城・東北)に今年の振り返りや全日本インカレに向けた意気込みを伺った。

※この取材は11月16日に行われたものです。

お互いのこと


対談中の選手たち

――自己紹介をお願いします

浅野 スポーツ科学部スポーツ科学科3年の浅野翼です。最近の休日の過ごし方は・・・とにかく寝ています。

佐藤 スポーツ科学部スポーツ科学科1年、佐藤遥斗です。休日・・・えー、休日は同じく、寝ています(笑)。

前田 スポーツ科学部スポーツ科学科2年の前田凌吾です。最近日曜夜とかはレスリング部の尾西くんという子とご飯に行ったりします。授業で仲良くなって、もう毎週、ずっと一緒にいますね。

安食 スポーツ科学部スポーツ科学科1年の安食浩士です。月曜日が教職で1、2、4、5、6限まで授業があるのでなかなか時間が取れないのですが、空いた時間で最近は映画を見たりしています。SFの、なんかちょっと現実離れした映画なんですけど・・・現実から逃れたいんですかね(笑)

 スポーツ科学部スポーツ科学科2年の畑虎太郎です。最近の休日は、よく夜に1人でサウナに行っています。

――上級生から見て、1年生2人が入部したときからプレー面や性格が変わったところはありますか

前田 遥斗は真面目だと思っていました。入学当初から、そのまま今まで来てくれていますね。あとは出てきたら声出してやってくれるところとか徹底するところ、自分がやらないといけない役割をわかっているので、そこは僕が去年全くできなかったことをできていて本当にすごいなと思っています。浩士はふざけてるんですけど、練習で自分がやるべきことを自分なりに考えてやっていたり、良いところでサーブに出てきてやってくれたりとか、大貴さん(山田、スポ4=静岡・清水桜が丘)が怪我したときもよく頑張ってくれました。今年の全日本インカレは多分出るところがあると思うので、そこで活躍するために練習頑張ってほしいなと思います。

 (佐藤選手は)勝手な偏見なのですが、駿台学園高のときにエースで日本一になったので、もっと「俺はすごいんだ」みたいな感じだと思っていました。でも実際に話してみると結構ちょっかい出してきてくれるんです。遥斗からしたら僕って嫌な立場、邪魔な立場だと思いますが、そういったコミュニケーションを取ってくれるので僕はありがたいなと思っています。浩士に関しては、4月とかはふざけていて、言い方悪いですけどバカっぽい子だと思ったんですけど(笑)、実は繊細な心を持っているように僕は感じています。

――浅野選手は、2年生2人を見ていて、今年になって変わったところを教えてください

浅野 虎太郎は、交代の遥斗とかがいるから余計に試合で結果出さなきゃいけないというプレッシャーもあると思います。たまに集中切れますけど、しっかりプレッシャーに耐えて、チームのために頑張ってくれてる姿っていうのは1年生のときよりもすごく感じます。凌吾に関しては、元々こういうキャラなので言いたいことは言いますし、ふざけること多いですけど、でもその中でチームについて考えていることが多分彼なりにあります。セッターって点数にならないけれど、自分の影響力というのがしっかりチームに直接影響を与えるのですごく難しいのですが、そこを2年生ながら頑張ってくれてるっていうのは、1年生のときからですけど本当にすごいなと思っています。だからこそ、2人の状況を自分自身も理解した上で接するようにしています。

――1年生2人は尊敬している人はいますか

佐藤 自分は個人として誰か、例えば泰杜さん(水町主将、スポ4=熊本・鎮西)になりたいとか大貴さんになりたいとかはあまり思ったことがなくて。4年生もそれぞれの人たちに違った良さがあると思うし、各学年でいる人たち全員にそれぞれ違う良さがあると思うので、僕はそういう良いところを全部吸収して、ベストな自分になりたいです。

安食 高校の頃からそうだったのですが、僕はあまり口が上手くないので、やっぱりプレーで引っ張れるような選手になりたいです。その点では、泰杜さんは天皇杯とかで一緒に試合していても外から見ていても、試合中にもちろんキャプテンとして多く声をかけてくださるんですけど、何よりも自分で点数をしっかり苦しいときにとれる力と、あの人に任せれば大丈夫だと思わせてくれるような安心感があります。そういった苦しい場面でチームを任せてもらえる、安心して託してもらえるようなプレイヤーになりたいと思うので、泰杜さんを尊敬しています。

今年を振り返って


対談中の浅野(左)、佐藤(中央)、前田

――今年を振り返って、春季リーグ戦(春リーグ)や東日本大学選手権(東日本インカレ)から今までで、自分の成長を感じた点はありますか

浅野 4年生の方々が教育実習でいない中で3年生以下が主体で練習する際に、東日本インカレを控えていたので初めての調整をするにあたり、チームを動かす難しさとか、下級生とどう調整していくかという苦しみがわかりました。その点は、4年生に寄り添っていこうというか、気持ちの部分でチームを引っ張っていかなきゃいけないということを理解できたという点で、成長を感じたかなと思います。

――前田選手は同時期にバイスキャプテンも務めていたと思うのですが、コミュニケーションとか取られましたか

前田 3年生とはコミュニケーション取るようになりました。3年生でスタートから試合に出ている人はいないのですが、その分外からしっかり言ってくれていたので、やりやすさは非常にありました。

――2人でどういうことを意識してチームを回していましたか

前田 あの期間に基本的なプレーを重点的にやっていたんですけど、そこが下級生はできていなかったので、どうやって練習に落とし込んでいくかというのは2人で話しながらやっていました。

――他の方々は、成長した点についていかがですか

 自分としては、上半期は僕がとことん悪くて遥斗と変わってというのを繰り返していたんですが、最近はちょっとずつですが試合に出られる時間が増えていったかなと思います。具体的にチームルールというかチームでの約束事、例えばこのボールは落としちゃダメだよ、とかこの時ブロックはこっち締めるとか、そういった部分が自分の中ではちゃんと理解して頭に入っているのかなと感じています。

安食 春、夏よりも秋からここまでにかけて出場機会をいただくことが次第に多くなってきました。特に春リーグではサーブで出していただいて、その中でほとんどの確率でミスをしてしまい、自分としても上手くいかないなと思う時期が長かったです。でも、少しずつ出場機会をいただく中で、自分としての持ち味とか出せるようになってきて、チームのゲーム中の雰囲気や、やらなければいけないことが身についてきて、それに加えてミスも少しずつ減ってきたのかなと。今回のインカレの序盤の方では出していただく機会があるかもしれないので、自分らしさを出しつつミスを抑えて、その中でしっかりと早稲田らしいプレーをできたらいいなと思いました。

佐藤 自分は春に比べて出場機会が少し減ってしまいましたが、その中で自分がどんな立ち位置なのかもう一度見直して、虎太郎さんがダメな時に1回リセットしてもらう時間を作るのが役割だと思うし、1年生として雰囲気つくるのも自分の役割だと思います。そういう役割を再確認して、試合のときにコートの中でしっかりプレーとして出せるようになったというのが成長だと思います。

――結構佐藤選手は試合中明るいですよね

前田 そういうタイプじゃないと思うんですけどね(笑)。よくやってますよ、1年生なのに。

――秋季リーグ戦(秋リーグ)を振り返って

前田 春、全勝がかかったところで中大に負けたのは、最後レフトの大貴さんと泰杜さんの2人に頼ってしまったところが原因かなと思いました。秋はライトも使うというところで、幅が広がって相手のブロックがつきにくい状況にはなったかなと思っています。秋に全部勝てたということは自信にもなりましたし、全カレに向けて自分が何をしたらいいかがわかったので、あとは質をどんどん上げていって良いコンビを作れるように今は頑張っています。

――昨年にフォームを変えてから、今年に入り安定した手応えなどは感じましたか

前田 去年よりプレーは自分ではわからないんですけど、2年生になったという事もありますし、広くコートが見えるとか、見え方が変わったところが1番安定したというか、自分がやりたいことができているかなと思います。

――他の方は秋リーグを通していかがですか

浅野 どちらかというと、勝つことが当たり前のようになってしまっていて、もっと出せることが出せないという歯痒い時期だったのかなと、客観的に見ていました。逆に凌吾や大貴さんが怪我などで途中で出られなくなって他のメンバーが入ったときに、ガンといつもの早稲田らしい、一層チーム力が上がる瞬間がすごく見られたので、良くも悪くも刺激的なリーグになったと思うし、ここから試合に向けて修正しながらになるんじゃないかなと思いました。

 最後の3戦くらいで自分はとてもいい経験ができたと思います。それは自分の調子が良かったのももちろんあるんですけど、相手と自分達のチームの強さがどんどん近くなって、点差も離せない中でどう勝ち切るかという試合が続いたので、3戦勝てたのがとても自信になりましたし、全日本インカレに向けてもいい経験になりました。

佐藤 秋は、ベンチに入って外から試合を見ることが多かったです。勝つことも大事だと思うんですけど、練習でやってきたことを全部出し切るっていうのが一番大事だと思います。その点では、体のコンディションなどの問題もあったと思うのですが、もっとチーム全体として、ベンチにいる人も含めてもう少し出せることがあったのかなと思います。

安食 僕もベンチで試合を観る事が多い中で、あまりコート内の雰囲気が良くないときは自分たちがミスをして落としてしまったり、遥斗も言っていたように今までの練習のやってきたことがなかなかうまくいかなかったりと噛み合わないことが多かったです。逆に噛み合ったときは、ゲームの後半戦に関しても、力の差があるようなゲーム展開っていうのが多いです。松井先生も以前に波があるっておっしゃっていたのですが、自分が言えた立場じゃないのですが、コートの中で試合をする人もそうだし、コート外でもいつでも何かあったときのために、全員が全日本インカレに向けて戦うために準備をしていかなければいけないんじゃないのかなと感じました。

――秋リーグを通しての課題はありますか

前田 セットを取られることが少し多かったかなと。そこがチームとして全日本インカレまでの課題かなと自分は思っています。(筑波大戦の後半など)現状は(水町選手に)集まってしまうことになっているんで、それは直さないといけないところです。特に全日本インカレではマークされると思うので、そこをどう散らすかというのは勝つために、一つ自分がやらないといけないことかなと思っています。

全日本インカレに向けて


対談中の安食(左)、畑

――自分たちのコンビの今の関係性や完成度を教えてください

前田 遥斗はどちらかといえば今スタートからではないというところで、ディフェンシブなことをチームから要求されてそこに徹してくれているので、攻撃面について僕から言うことはもう本当に無いのですが、コンビのときにはもっとこうして欲しいって遥斗が言ってくれます。僕が要求に応えることができたら必ず決めてくれると思うので、あと2週間切っているのですが、関係性を作りたいなと思います。虎太郎は、中学校から一応知っているので、多分僕が思っていることを虎太郎もわかってくれていると思っているので、いい意味で気使わず、適当と言ったら悪いですけど、虎太郎が欲しいトスを思うときに出せていると自分では一応思っています。あとはレフト2人に頼らず、いかにライトの虎太郎とコンビを組めるかということが大事で、そこは本当に全日本インカレでかかっているところなので、2人でもう少し慎重にコンビ作っていけたらなと思います。

――浅野・安食のコンビはいかがですか

安食 僕はスパイクが上手くないので、入るタイミングとか翼さんに何回も注意されたり、全然違うって怒られたりすることもあるので、普段一緒に合わせていることが多い中でもコントロールしてもらっているな、みたいな(笑)。技術的なところでもいろいろと教えてくれて、しっかり意識しながらやれています。また、高校から合わせているところもあるので、やっぱりバッチリだと思います。

浅野 まだ安食が欲しいトスをちゃんと上げられている確率は多分低いと思うのですが、欲しいトスっていうのは大体わかってきたので、それをしっかりゲームとかで打たせられるように、自分が練習していけばいいかなと思っています。

――1年生2人は初めての全日本インカレになると思うのですが、緊張していますか

安食 正直全く何をすればいいかわからない状況です。ただ、高校の全国大会とやっぱり雰囲気とかプレッシャーも4年生は特に違うと思うんですけど、緊張しているのかな・・・でも、しっかり勝てるようにサポートしたいです。

佐藤 緊張はしてないです。

――自分の注目してほしいポイント

浅野 得点には多分ならないことの方が多いと思うのですが、ピンサーやレシーブなど、いろんな場面で役割を変えてチームを救えるポジションにいると思うので、そこに注目していただければなと思います。

佐藤 自分はこれまでやってきたことを全部出して元気いっぱいやるので、そこをしっかりみんなに見てもらえたらなと思います。

前田 多分レフトの大貴さんと泰杜さんが1番相手にマークされ、ブロックが集まるところなので、どれだけ分散させられるかっていうのが一つポイントです。そこは自分にとって全カレで頑張らないといけないところだなと思っています。去年も負けてしまっているので、リベンジという強い気持ちで戦えればいいかなと思っています。

安食 出場機会をいただけたら、まずしっかりと1年生らしく雰囲気を作ります。また、スパイク打てるチャンスがあったら、ちゃんと自分の持ち味である高さとかを出せるように頑張るので、注目していただきたいです。

 自分は集中力があまりないのですが、ノってきた状況のプレーは本当に自信あるので、そこに注目して見てほしいなって思います。

――意気込みをお願いします!

 結果にこだわって硬くなるよりも、自分の良いプレーを出して満足して終われるように頑張りたいと思います。

安食 そのときにできることをしっかりと徹底して、チームに貢献します。

前田 さっきも言ったのですが、去年負けてしまっているのでリベンジという強い気持ちを持って戦います。また、4年生と2年間一緒にやらせてもらって、本当に良いことを学べたと思うので、最後自分が4年生に良い結果で終わってもらえるように、自分がやるべきことをしっかりやっていきたいなと思います。

佐藤 これまで練習でやってきたことをしっかり全部出し切ります!

浅野 自分ができること、チームのためにできることを全力でやって、4年生やこのチーム全員が笑顔で終われるように頑張りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集・写真 五十嵐香音、井口瞳、末松花菜)


全日本インカレに向けて、抱負を書いていただきました!

◆浅野翼(あさの・つばさ)※写真前列左

2002(平14)年7月3日生まれ。173センチ。最高到達点300センチ。宮城・東北高出身。スポーツ科学部3年。最後に全員が『笑顔』で終われるように。そして、苦しい場面での途中出場で、少しでも雰囲気を明るくできるように『笑顔』を心がけてプレーします!

◆畑虎太郎(はた・こたろう)※写真後列中央

2003(平15)年12月11日生まれ。187センチ。最高到達点335センチ。福井工大付福井高出身。スポーツ科学部2年。いつも通りのプレーができないときは集中できていないときだと反省する畑選手。全日本インカレでは全試合最後まで『集中』してプレーをし、チームに勢いをもたらします!

◆前田凌吾(まえだ・りょうご)※写真前列右

2003(平15)年5月27日生まれ。178センチ。最高到達点318センチ。大阪・清風高出身。スポーツ科学部2年。4年生への『感謝』の気持ちを持って戦いに挑みます!

◆安食浩士(あじき・ひろし)※写真後列右

2004(平16)年6月2日生まれ。185センチ。最高到達点343センチ。宮城・東北高出身。スポーツ科学部1年。持っている力をすべて『出し切る』ことで、チームに貢献します!

◆佐藤遥斗(さとう・はると)

2004(平16)年12月1日生まれ。190センチ。最高到達点333センチ。東京・駿台学園高出身。スポーツ科学部1年。1年生らしく雰囲気を作り、『全力』で戦い抜きます!