TEAM1Q2Q3Q4QTOTAL早大 BIG BEARS7160326法大 ORANGE06006 約3カ月に渡って行われた関東大学秋季リーグ戦も最終節。早大BIG BEARSが対戦するのは、前節で優勝を決めた法大ORANGEだ。第1クオ…

TEAM1Q2Q3Q4QTOTAL
早大 BIG BEARS1626
法大 ORANGE

 約3カ月に渡って行われた関東大学秋季リーグ戦も最終節。早大BIG BEARSが対戦するのは、前節で優勝を決めた法大ORANGEだ。第1クオーター(Q)にRB安村充生副将(文構4=東京・早実)のTDで先制。第2Qには立て続けにTDを奪い、点差を広げた。後半も関東王者を相手に攻守とも奮闘し、リードを保ち続け、26-6で完勝した。


独走TDを見せたRB安藤

 第1Qは早大の攻撃から始まった。QB國元孝凱(社4=東京・早大学院)がWR入江優祐(商3=大阪・関西大倉)やWR吉規颯真(政経2=東京・早大学院)などへパスを散らし、攻撃の的を絞らせない。さらにWR中尾公亮副将(社4=東京・早実)へのパスでレッドゾーンへ侵入すると、最後はRB安村のランによる先制TD。約9分間のオープニングドライブをしっかり得点につなげた。ディフェンスでは、LB石黒哲(政経3=東京・早大学院)やDB鈴木晴貴(基理3=神奈川・鎌倉学園)のロスタックルが飛び出す。しかし、法大にTDを奪われ、1点差に詰められてしまう。点差が縮まったことで緊張感が高まった早大だったが、RB安藤慶太郎(社2=東京・早大学院)の86ヤードの独走TDで再び点差を広げた。さらに法大の攻撃を4thダウンまで追い詰めると、DB塚田隼也(商3=東京・早大学院)がパントをブロック。DB鈴木がボールを拾い、そのままエンドゾーンまで駆け抜けた。早大は第2Q終盤にも攻撃権を奪うと、K曽木聡(スポ4=東京・国学院久我山)がFGを決め、23-6で前半を折り返した。


TDに手をあげて喜ぶDB鈴木とチームメイトたち

  第3Qになると、早大はRB花宮圭一郎(文構4=東京・足立学園)のランを中心に、TE重村真丞(社4=東京・早大学院)やWR北川大智(スポ3=東京・佼成学園)へのパスで着実にヤードを進める。しかし、フォルススタートなどの反則も重なり、得点につながらず。両校が攻撃の決め手を欠くこう着状態が続いた。それでも法大のパントをリターナーで入ったWR角井春樹(文構3=東京・早大学院)のナイスリターンによって、敵陣から攻撃が始まると流れが変わる。QB國元からWR上野陸(社4=東京・早実)へのパスやRB安村のランでゲイン。最後は再びK曽木がFGを決め、ダメ押しの追加点を加えた。その後もLB原康介(法2=東京・早大学院)のロスタックルやRB安藤のビッグゲインなどの好プレーもあったものの、スコアは動かず。26-6で今季の関東覇者である法大に快勝した。


リーグ最終戦でも持ち味のランで相手をほんろうしたRB安村

 ここまでチームが目指してきた『早稲田らしいフットボール』。最終戦ではその真髄が遺憾なく発揮された。ランとパスをバランスよく織り交ぜたオフェンス。体格で勝る相手でも決して引き下がらない粘りのディフェンス。試合の流れを幾度も変えたキッキング。ODKともに今年の集大成となった。しかし、BIG BEARSにとってここがゴールではない。今年の4年生はこれまでの自分自身を『凌駕』し続けてきた。その背中を見た後輩たちが今後も『凌駕』していくだろう。

(記事 田部井駿平、写真 渡辺詩乃、梶谷里桜、五十嵐香音、沼澤泰平、廣野一眞、長屋咲希)

担当記者のPICK UP PLAYER


目黒主将を中心に集合写真を撮るBIG BEARSの4年生

 「自分がチームに貢献できることは何か」。WR目黒歩偉主将(スポ4=東京・佼成学園)ほどこの1年間、このことについて何度も考えてきた人はそうはいないだろう。名門・佼成学園から早大に入り、2年生から主力のWRとして活躍。しかし、3年生時は度重なるけがで複数回の戦線離脱を経験し、甲子園の舞台に立つことも叶わなかった。代が変わって主将になった目黒だったが、早い段階でプレイヤーとしてではなく、主将としてチームを支えることに専念することを決断。下級生の頃から上級生に対しても物おじせずに意見していた目黒は、チームの練習体制の改革に着手し、上級生から下級生まで全員の意識を変えていった。今年の春はチームがなかなか勝てず、目黒自身も苦しんだが、「周りの支えがありながら1年間なんとかやってこれた」と語るようにチームメイト同士が支え合った。2年連続の甲子園とはならなかったが、この1年間は決して無駄ではない。目黒のつくったチームに対する姿勢は後輩たちへ引き継がれていく。

(記事・写真 田部井駿平)

得点経過
TEAMPLAYPLAYER(S)PATPLAYERG/NGスコア
早大RUN#33安村#11曽木7-0
法大RUN#7新井#8大橋→ #87井上NG7-6
早大RUN#30安藤#11曽木NG13-6
早大PR#9鈴木#11曽木20-6
早大FG#11曽木   23-6
早大FG#11曽木   26-6
星取表(11月24日現在)
 早大法大明大中大立大東大慶大
早大26○67●1636○020●2144○017○0
法大6●2614○644○76○320○021○14
明大16○76●1431○610●1427○720○0
中大0●367●446●3114●2021〇117●3
立大21〇203●614〇1020〇1462〇3531〇6
東大0●440●207●2711●2135●6520●45
慶大0●1714●210●207○36●3145○20
コメント(選手コメントは後日別記事で掲載いたします)

髙岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)

――法大は順位が決まっている中で、どのように試合に臨もうと話されましたか

 まず早稲田のフットボールがリーグ戦の中でしっかりできていませんでした。できることの100%のフットボールをやろうということで、敵は法政ではなく自分の心の中にあると目黒と一緒にチームには言ってきました。

――試合内容としては攻守ともに結果を出したと思いますが、早稲田のフットボールはどれほどできたでしょうか

 100%できたかと言われると、課題であった反則もありましたし、色々な防げるミスがありました。100点とは言い切れない試合でしたが、優勝がなくなりモチベーションを失った中でしっかりと試合をできたというのは、部員全員の姿勢が良かったと思います。

――WR目黒歩偉主将(スポ4=東京・佼成学園)やWR中尾公亮副将(社4=東京・早実)、RB安村充生副将(文構4=東京・早実)の存在感はリーグ戦を経るごとに変化などありましたか

 主将の目黒はプレーができない中で、大きな声を出してチームを鼓舞してくれました。彼のできることをやってくれていたと思います。中尾と安村も高校の時から見てきましたが、頑張ってくれたと思います。

――今年のチームはどのようなチームに成長しましたか

 今年の4年生は1年生の時からコロナ禍で、一番コロナに影響を受けた代だったと思います。4年間の成長の曲線はこれまでに比べると伸び悩んだ部分もありましたが、最後まで全員がきっちりやろうよという気持ちの部分が今日の試合でも出てくれたと思います。

――引退する4年生に伝えられたい言葉はありますか

 4年生も含めてチームはこれで終わりではないですし、自分のできることをしっかりやり遂げよう。そういう文化を積み重ねてもらって、何かのために自分がどうするか。それを社会に出た時に大事なことなので継続してやって欲しいという話をしました。

――来季への意気込みをお願いします

 今シーズン4位というところをしっかりと受け止めて、どうチャレンジするか。早稲田のフットボールをどうブラッシュアップしていくか。これを残された1年生から3年生までがしっかり取り組んでもらいたいです。今日でチームが終わった訳ではないので、それを全員が認識して欲しい。ハドルでもそのように言ったので、やっていきたいと思います。