早慶戦直前対談第1回は、男子部から主将・道下新大(スポ4=東京・国士舘)、主務・荻野祥平(先進理工4=東京・早実)、飯田健介(社3=福岡・南筑)、笠井雄太(スポ2=愛知・桜丘)が登場。主将・主務としてこれまでチームを率いてきた4年生二人、…

 早慶戦直前対談第1回は、男子部から主将・道下新大(スポ4=東京・国士舘)、主務・荻野祥平(先進理工4=東京・早実)、飯田健介(社3=福岡・南筑)、笠井雄太(スポ2=愛知・桜丘)が登場。主将・主務としてこれまでチームを率いてきた4年生二人、そしてこれからの早大柔道部を担う3年生・2年生のエース二人に、早慶戦に向けた意気込みや普段の柔道生活での胸の内を語っていただいた。

※この取材は11月11日に行われたものです。

「道下がキャプテンでよかった(荻野)」

――まずは上級生、下級生同士で他己紹介をお願いします

荻野 さあ来い!さあ来い!!

道下 荻野祥平くんです。彼はかなり仕事ができるんですけど、語気がかなり強くなってしまって。他方に敵を作ることで結構有名で、 敵を作りながら仕事を遂行するから周りは何も文句を言えない、という支配力のある方です。

荻野 結構独裁政権にしちゃったよね(笑)。やめようとは思ってるんだけど、気づいてたら。

一同 (笑)。

道下 結構さ、主務の常識壊してるところない?

荻野 自由にやらせてもらいました。本当に。2年間。

道下 現役の選手じゃなくて、 主務を専属でやってるが故のこの行動力というかさ、主務の仕事の密度の高さと、あとは持ち前の気の強さで自分の意見を押し通していく突破力。

荻野 なんかだいぶ褒められてる気がしない(笑)。おかしいな。

一同 (笑)。

荻野 本当に僕は自分の代のキャプテンが道下でよかったなとは思ってて。背中で語るタイプということで、あまり強くは言わないんですけど、日常生活からしっかりしてるので。まあ夜更かしはしてるんですけど。みんな見習って注意しなくても済むので、部活の雰囲気も良くなって。あととてもずっと落ち着いてるんで、僕が結構精神的に不安定になったりする時があるんですけど彼はずっと落ち着いてて、なんかあったら「大丈夫だよ」っていっつも意外と優しくほんわかと(笑)。やっぱり頼りがいがあって、安心感はすごいあって、良かったなとは思いますね。良かったよ。

笠井 感動するっす、うるうるきた。

道下 いや、目カピカピじゃん。

一同 (笑)。

飯田 笠井くんは柔道の結果がすごいじゃないですか。それで柔道だけって思うかもしんないですけど、 実はもう勉強ができて、最近だと結構隙間時間で英語を勉強してるんです。で、みんなに優しくて、面白い。で、えー、なんもないっすね(笑)。

荻野 面白いかな・・・・面白くはなくない?

笠井 いや、一番売りみたいなとこなんですけど(笑)。

笠井 飯田先輩は学生の模範みたいな、自分が目指すべきところでもあるのかなと思います。なんか柔道の結果でも勉強も両方してちゃんと自立してて、すごい先輩だと思います。もうなんか褒めるところが多すぎて見当たらない感じで。

荻野 逆にね!全部がマックスいっちゃってるから。

飯田 新大さんは秘めた男っていう言葉が1番当てはまりますね。試合の時とかに礼するじゃないですか。「シャー!」っていう、僕あのシャーにめっちゃ感動するんですよ。

一同 (笑)。

飯田 チームのことをめっちゃ思ってるってことなんで、やっぱキャプテンとして尊敬しますね。あととにかく、僕1回も怒られたことないんですけど。優しい。

荻野 これ録音しておかなくていい?

道下 ちょっと…(携帯準備)。俺がいかに素晴らしかったか。

一同 (笑)。

笠井 いや、俺も似た感じですね。俺も秘めた男だと思ってるっす。

道下 おんなじこと言うなよ。

笠井 (笑)。試合終わった後に、例えば負けちゃったりもするじゃないですか。その時も「意外とサバサバしてんのかな」と思ったら、すごく悔しい涙とか流してて。「それだけ熱量を持ってやってたんだな」って、すごく今になって感じます。あと、色々趣味も合うんで。 ゲームで、割と共通の話題も話しやすい先輩です。

――荻野主務から見て後輩のお二方はどうですか

荻野 健介はしっかりしてるなとすごく思ってて。 ちゃんと締め切りも守ったり、自分からどうすればいいかって相談に来れるので、健介はちゃんと3年生になって自覚を持ってやることをやっている感じはします。 雄太に関しては先輩に甘えるのがものすごいうまいんですよ(笑)。 ほんとに甘え上手なんで。もうどっちかといえば、こっちから世話を焼きたくなっちゃう子で、なんか1、2回やらかしたじゃない?

笠井 そうですね。

荻野 でもまあ、可愛いからいっか!みたいな感じで、ついつい甘やかしちゃってるんですよね、僕。

――ちょっと対照的な後輩像がいいですね(笑)

荻野 そうですね、ツンデレ(飯田)とデレデレ(笠井)って感じで(笑)。

「考え方や生き方が変わった4年間だった(道下)」

――道下主将、荻野主務にお聞きします。これまでの4年間を振り返ってみていかがですか

道下 最初の1年がコロナ最盛期というか、一番活動に制限がかかっていました。入学もしてない段階で、柔道部の活動が一旦停止みたいになっていて。6月中旬ぐらいまでは練習してなかったですし、最初の1年が学生の試合に関しては全くなくて、自分自身は他の全日本の大会とかがあったんで、試合自体はできてたんですけど。そこの期間にもうちょっと詰めることができてたら、自分個人の成績はもうちょっと上がってきたのかなっていう反省はありつつも、2、3、4年とやっていく中で、けがとかであんまり練習が詰めれていない時期があったにしては、途中で腐らずに熱量を持って柔道できた自分自身に若干驚いてるというか。大学入った時点で柔道をどうしようかなって思ってた自分とは対照的に、今は柔道が楽しいなって思ってやっている部分もあるので、4年間で考え方とか生き方が大きく変わったような感じがします。

荻野 やっぱり悔やんでいるのは、1、2年の頃は早稲田でのイベントもなくなって、あんまり僕たちの代は早稲田らしいことをやっていないんですよ。スポーツフェスタもしかり、早稲田祭もしかり、いろんな大会に向けてアピールする機会がなくて。4年生になってようやく出てきたなとは思うんですけど、それでもまだ少ないですし、あんまり柔道部がPRを積極的にしない部活でもあるので、僕自身としては選択権をもうちょっと残しておいてあげた方が良かったかなと思います。別にやりたくないと言って出ないのは自由だと思うんですけど、それを全く元からできない状態にしてしまったというのは少し申し訳なかったなと思いました。僕が主務になってからはいろんなイベントにちょくちょく顔を出すようにはしてるんですけど、もうちょっと早稲田らしいことをやらせてあげられればなと。もうちょっと体育会に入ってよかったな、早稲田って楽しいなと思えるような部活にはしていきたかったなとは思ってますね。


来季からチームを率いる飯田

――飯田選手、笠井選手は今季を振り返ってみていかがですか

笠井 だいぶ柔道に対する価値観が非常に変わった1年だったなと。1年生の頃、東京都学生もジュニアも一回戦負けをして、そこで悔しい思いをしたからか、そこから柔道に1から向き直す時期があって。そこから自習練とかもし始めて、やっと結果がついてきた年でした。でも結果が伴った一方、自分自身がもう少しチームのために頑張れたところがあったんじゃないかなと思います。夜更かしをして朝練寝坊したりしてたんで、それはほんとにちょっと道下キャプテンには申し訳ないし。提出物とか、荻野さんにもだいぶ迷惑かけたのもあるので、3年生ではそういうミスを減らしていけたらなという反省と、本当に一番激しい年だったと思います。まあ大学は2年しかいないんですけど。

荻野 二分の一だもんね(笑)。

飯田 僕は去年と今年で、キャプテンの進め方っていうのは結構変わっていて。新大さんは主体的なチーム運営をしてて、そこで「自分でもなんかやっていかないといけないな」「ついていくだけじゃダメだな」という自覚も芽生えたし、それもあって「強くなりたい」という思いもあって。練習とかも、 去年よりは頑張れてたかなと思います。

――飯田選手は来年から最上級生となりますが、道下主将をどのようにご覧になっていますか

飯田 僕からしたら、新大さんは「部員からの信頼を得てるな」という感覚はすごくありました。新大さんについていかない人って、今年多分誰一人いなかったし。言ってることに普段の行動が伴ってるから、僕もそういう最上級生になれたらなとは思いますね。

――これを聞いていかがでしょうか

道下 去年のキャプテンと自分との方針はやっぱり意識して変えていて。というのも、今年主力になるようなメンバーってマイペースな奴が非常に多いんですよ。すごくマイペースで「自分のやりたいことはやる!」みたいな。そういう奴を、勇斗さん(長嶋勇斗、令4スポ卒)みたいに「やれやれ!」ってガツガツ引っ張っていくタイプのキャプテンでやっていくのは、ちょっと難しいなって思っていて。自分の性格的なものもありますけど、そう引っ張っていくのは、ある程度の威圧感というか、そういうものがある人じゃないとやっぱりできないなと。普段そんなガツガツやってるような、ちょっと半分い○め・・

笠井 い○め!?ちょっと、違う違う(笑)。

荻野 君も止まった方がいいね。

一同 (笑)。

道下 そんな威圧感があるような引っ張り方をできるような人間じゃないので、何をするにもとりあえず部員に聞くみたいな。だから、普段の練習メニューも「今日何やりたい?」って聞いて決めたりとか。だから意外と、自分自身が率先して「じゃあこれはこうしよう」って決めてることは意外とないんですよね。やっぱり部員が「一つになってるな」という感覚を持つことが、チームとして勝つことにつながると思っていたので、今年はそういう方針でやってました。だから来年、健介もこういう風にやればいいかというと実はそうでもなくて、健介の性格とかを加味したチームの運営方法を、なるべく早い段階で見つけることが大事で。今年のチームに関して言うと、雰囲気としては多分どの大学にも負けてないと思います。それは母校愛とかではないと思いますけど(笑)。うちは他の大学に比べて人数も少ないですし、まとめやすくて、いい雰囲気に最終的になってくれたのかなと思います。


道下主将(左)と荻野主務(右)

――ここからは再びお一人ずつお聞きしたいと思います。ご自身の趣味や、オフの日の過ごし方を教えてください

荻野 僕オフないです。

一同 (笑)。

荻野 1ヶ月に1日あるかないかぐらい。

道下 違う違う。そういう休みがあったら、何をしたいかだよ。

荻野 …研究してます。そういう休みがあっても研究したい。 じゃないと進まないじゃん。

道下 じゃあ「よし、今日は遊ぶぞ!」てなったら、どこでどうするの。「今日はもう絶対研究しないっ!!」て日絶対あるでしょ?

荻野 寝てるよ?

一同 ああ〜。

笠井 え、俺ら遊んでること言うの言いづらくないっすか(笑)。

一同 (笑)。

荻野 ゲームでしょ?

道下 ゲームだね。ゲームをしない時は…何してるんだろ。ちょっと前は映画かな。映画は結構好きで暇な時は観てるんですけど、基本ゲームだよね。

笠井 ゲームっすね。寮のドア開けると毎回ヘッドフォンつけてずっとやってて。

――具体的にどんなゲームをされているのでしょうか

道下 ゲームはApexとオーバーウォッチ、ストリートファイターかな。その3つですね。

――Apexのランクは

道下 今は最高ランクの一個下で…。

荻野 え!じゃあ柔道やめてさ、eゲーム部創ってた方が成績良かった説ない?それ。

道下 いや、上には上がいるから。

一同 おぉ〜。

道下 だってさ、俺らは部活やりながらゲームしてるけどさ、毎日ゲーム何十時間もやってる奴らがいるんだよ。

荻野 だから、やったら勝てない?

道下 ……やったら勝てるよ。

一同 (笑)。

道下 自分って凝っちゃうというか、ハマったものにすごくのめり込むんですよね。だから、例えばApexとかでも「こうしたら勝てるんじゃないか」っていうのを普段から考えるんですよ。ハマってるものがあると普段から考えちゃう。…柔道はそんな考えないけど。

笠井 (笑)。

道下 柔道は柔道やってる時しか考えないけど、普段YouTubeで調べたりして「ああ、こうやればいいんだ」とかいう知識を、ハマってるものは入れられるんですよ。それが勉強にいければ良かったんだけど、勉強にはなかなかね…。

一同 (笑)。

飯田 僕は最近日本シリーズが終わっちゃったんですけど、野球観戦が好きですね。練習終わったら、すぐ携帯を開いてチェックしてます。ソフトバンクファンなんですけど、今年ダメだったんですよね…。

道下 俺の前でダメだったって言うなよ。(日本ハムファン)

飯田 (笑)。Twitter(現:X)って結構アンチがいるんですけど、たまーに賛同することがありますね。「その采配はなんなん!」「なんでその人代打なの」みたいな。

笠井 僕はゲームと筋トレとゴルフっすね。ゴルフは、打ちっぱなしとかもう高校生ぐらいとかから行ってたんですけど、最近コースとかも周り始めてって感じです。家族が全員やっていて、一式もうそろってる状態だったんで。 ゲームは息抜きとかでやるんですけど、別にそんな本気でやるのはもうやめちゃいましたね。

――今年度から就任された呉世鎭監督(平20教卒=千葉・成東)はどのような方でしょうか

飯田 試合の時とかは、世鎭さんがいると安心感はありますよね。試合の前には気を遣ってくれたり、相手の研究とかにも一緒に付き合ったりしてくれるので、ありがたいなと思いますね。

道下 世鎭さんって監督というよりも先輩って感じだよね。もともと練習にちょくちょく来てくれていて。元から早稲田がどういう雰囲気かも知ってるし、学生に極力合わせようっていう気持ちもあるし、自分自身も柔道をガッツリやってたから、練習メニューとか心持ちとかいろいろ知識を持っているし。あとは自分自身も会社の社長とかをやっていて組織運営にも長けているので、結構なんでもできる人ですね。今のチームは世鎭さんによって組織改革というか、それに似た部分はあったのかなと思います。自分は距離が近いというか仲がいい方なので、試合のオーダーとかまで一緒に考えていて。そういう意味で、世鎭さんは学生と一緒にやっていくっていうイメージですね。

――次にお一人ずつお聞きします。それぞれの学年について教えてください

笠井 どの学年もそうだと思うんですけど、2年生もやっぱり変わってる奴が多いなと(笑)。自分もだいぶ変わっている自覚はあったんですけど、その常識が通用しないくらいみんな変わっていて。今パッと思いつくのは凱(渋田凱、スポ2=福岡・嘉穂)くらいですね。まともな人が少ないと言ったらあれですけど、みんな面白いです。

――昨年も渋田選手が変わっているというお話がありましたね(笑)

道下 でも、去年とはレベルが違ってきた。

飯田 ある意味成長したっすね。

荻野 ちゃんと1年間の熟成を経てね!

一同 (笑)。

飯田 僕たちの学年は、結構柔道に対して熱い人が多いなと思います。例で言うと、大輝(工藤大輝、法3=福岡・小倉)には法学部っていう肩書きがあって。失礼かもしれませんが、僕はそういう人って「とりあえず頑張ろう」みたいなマインドなのかなと思っていたんですよね。でも、大輝は出ると決まっていた尼崎(全日本学生体重別団体)の前に、練習にもトレーニングにも本気で取り組んでいて。他にも智博(中野智博、スポ3=神奈川・桐蔭学園)や瑞貴(中島瑞貴、スポ3=福岡・西日本短大付)とかもめっちゃ熱いので、それがいい結果につながっているのかなと思いますね。

荻野 4年生もすごく仲は良いと思います。全体としては変な人たちというか自分を曲げない方々ばっかりですね。荻野をはじめ自我が強い人がいるんですけど、ぶつからず仲良く楽しくやっているよね。

飯田 下級生から見たら面白いですね、4年生は。いろんな人がいて。

道下 俺は結局、康平(西中康平、スポ4=東京・早実)の存在が一番大きいと思う。あいつが常に中心にいる。4年生だけじゃなくて柔道部全体でもそうなんだけど、あいつの周りに常に人がいるって感じる。それはあいつが引っ張ってるってことじゃないんだけど。

荻野 なんか行きやすいんだよね。

道下 康平はなんであんなに人を引き寄せるのかよくわからないんだけど、後輩にも多分一番慕われている先輩だね。優しいし。結局あいつを中心に4年生の会とかも回ってるし、いなかったらバラけてる気がする。

荻野 なんか嫌なことがあったり雰囲気が悪くなったりしても、一旦彼を挟んでおけば、元に戻すんだよね。クッションになるから争いにならないし、まあ彼は性格も丸いので。

道下 ………身体も(小声)。

荻野 ちょっと今思ったよ。性格『も』って他は何だろうって自分でも思ったけど。

一同 (笑)。

得意な技は…

――次は柔道に関してお聞きします。みなさんの得意技を教えてください

飯田 僕は結構右と左で違って。相四つだと袖釣り(袖釣込腰)っていう技なんですけど、ケンカ四つで左と右とかだと正直ないかもですね。挙げるとしたら肩車かな。みんな右左共通してるんですけど僕は違うので、結構特徴的なタイプかなと思いますね。

笠井 自分は、とりあえず相手によって掛ける技を変えようっていう意識があります。周りから足技が上手いみたいなことを言われるから、調子に乗っちゃうこともありますね。多分足技が得意です。足払いとか。

道下 でもさ、結局試合で決めてるの内股じゃない?

笠井 あ、確かに。じゃあ内股で(笑)。

道下 俺はやっぱ巴投げかなぁ……。

笠井 おいおい、一択やろ!一番一択やろ!!

一同 (笑)。

道下 はい、払い巻き(払巻込)だね。払い巻きは、本当に学生で一番上手い気がする。俺ほど決めてる奴見たことない。

飯田 抜けないんですよね、あれ。

道下 面白いのが、投げられた相手が絶対首をかしげるんですよ。「くっそ〜」みたいな。尼崎とかも。

荻野 尼崎さ、あなた絶対払い巻きしかやらないみたいな顔してたよね。

道下 本当にさ、投げると絶対に首傾げるの。だから多分、技を受けられそうだなって思うんだろうね。受けられそうだってところで、受けられなくて投げられちゃったみたいな。だから、相手はミスったのかなって思うのかもしれない。

飯田 それができないカラクリなんすね。

道下 そうそう。俺もどういうメカニズムで投げてるのかはよくわかっていないんだけど(笑)。あれは高校の一個上の先輩から伝授されたというか、見様見真似でやった技なんだよね。

――そもそも、みなさんはどのように技を習得されるのでしょうか

飯田 僕は大学で、もともと使っていた技の精度が上がりましたね。大学で急に学ぼうとか増やそうとかは特になかったです。

笠井 僕が技を掛けるきっかけは、動画とかで「これかっこいいな」みたいなものを見つけることですね。実際に自分もやられた、明治の選手の足技とかを「かっこいいな」と思ったりして。投げる原理とかがわからない、一見したら「なんで投げられてるんだろう?」って思う技に興味を持つことがあるので、それで練習し始めることもあります。

飯田 袖釣りは俺でしょ?

笠井 そうそう。健介さん(笑)。

荻野 それ言えるのいいね!俺でしょ〜?って。

一同 (笑)。

道下 払い巻きは?俺に憧れて払い巻きって人、誰もいないんだけど。

笠井 できないんすよ、あれ!!

荻野 でもさ、自分もメカニズムわかってないじゃん。

道下 ああ、そうだ。教えられない。

一同 (笑)。

道下 俺はさっきの直伝のパターンもあるし、練習中にふざけてこの技いってみようって思ってやったら、「あれ、意外といける」って。肩車とかそうですね。ふざけてやって、今度使ってみようってなって、試合に投入されたパターンとかもあります。

――試合前に「この技を掛けたい」など頭の中で組み立てるのでしょうか

笠井 事前に何を掛けようって考えると、失敗した時にめっちゃスタミナが削られて、精神面で辛いんですよ。だから、僕は組んだ感じで入りやすい技を掛けるんですけど、一個決めちゃうとそれができなかったときに精神的にくるので、それは逆にしないようにしてます。

道下 考えるなら組み手までじゃない?「こうやってこう組んで、ここの形になりたい」までかな。絶対これで決めたいっていうのはないかもしれないですね。


笑顔を見せる笠井(左)と道下主将(右)

――試合をする上で「こういう相手は嫌だ」というのはありますか

笠井 気持ちが強い人とか。すごく一方向というか、何て言うんだろう…。

道下 あれでしょ、高校生みたいに愚直な感じの柔道でしょ。必死に一つのことだけ「これをやる!」っていう相手が来ると、こいつは「やめてやめて〜」でそのまま負けちゃうんだよね。いっつも高校生にやられるんですよ。

笠井 おっしゃる通りです…(笑)。

飯田 僕は…なんだろ。雪だるまみたいな人。

道下 智博(中野智博)みたいな?

飯田 身長が低いずんぐりむっくりみたいな体型の、左組みが嫌です。

道下 それ智博やん。

飯田 でもって、めちゃくちゃ技がキレる奴が嫌です。

道下 じゃあ智博やん!!全部智博やん。

一同 (笑)。

道下 俺は柔道スタイルで言ったら、組み手がうるさい奴は嫌だ。組み合ってくれたら、同階級ならまあ負けないとは思いますね。体の力とかならまあ負けないと思うんですけど、ゴチャゴチャゴチャッてやられると面倒くさい。体型は身長183とかの相手が相四つとかだと嫌かもしれない。俺が奥を叩くタイプだから、叩き合う感じになっちゃって巻きにくいしね。巻き基準で考えてる(笑)。

――続いては全員にお伺いします。試合前に緊張されることはありますか

荻野 僕は選手の計量が終われば責任から解放されるんですけど、実を言うと計量までは結構ドキドキしてるんですよ。なのに「計量終わりました」って来ないので「ちゃんと行ってるのかな…」ってドキドキしてます。僕は計量が無事に終わってくれれば、もう「いってらっしゃ〜い」みたいな感じです。試合の後にも結構仕事があったりするので、あまり落ち着いて試合を見れないんですよね。選手とは別行動で、結果も情報でしか入ってこない感じです。

道下 俺は試合前はめちゃくちゃ緊張する。どの試合でも緊張するタイプです。高校の時も地区大会、支部大会の一回戦から「ここでコケたらさすがにマズイな」って緊張していて。国士舘って一階級に4人ずつ出すので、同じ学校の奴と一回戦でやらなきゃいけないんですよ。そういう意味では、同じ学校の奴ってある意味手の内が知れてるから、ワンチャンが怖くて。そういうのもあって緊張してたし、一回戦の動きでその日の調子とかわかることもあるので。一回戦でパーンッて勝つと「今日いい感じだな」とか。

荻野 じゃあ、一回戦が一番緊張するの?

道下 そうだね、相手にもよるけど。一回戦が一番緊張して2、3回戦は動きもかなり変わってくる。1回戦はその日の調子がわかるっていうのも含めて、結構慎重になっちゃう。

荻野 個人戦と団体戦だとどうなの?

道下 団体はどの試合でもあんまり緊張しないかも。俺が団体慣れしてるっていうのもあるし。団体は自分の仕事が明確になってて、無理に勝たなくていい場面とかあるじゃん。自分が獲りにいかなきゃいけない部分もあるんだけど、そういうときも別に緊張しない。団体はなぜか緊張しないね。個人はもう無理。自分がやらかしたら、その日もう終わりだからさ。

一同 (笑)。

荻野 1から10まで自分に返ってくるもんね。

飯田 僕も新大さんは第一声でわかりますね。緊張してるって。試合で「シャアッ」って言う時に、自分に気合い入れてるんだなって。

道下 そうだね、試合前とかも畳でバンバン跳ねたりとか、手を温めたりして多動気味だから。でも、決勝とかまでいくと「やるしかない」って集中してる感じかもしれない。

笠井 僕は、過度な緊張はしないかもしれないです。緊張して動けなくなる方が個人的には嫌なので、不安をなるべくなくして、負けた場合と勝った場合のみんなの対応とかを考えてます。「負けたら嫌味言われるんだろうなあ」とか「勝ってもあんまり褒めてくれないんだろうなあ〜」って想像すると心が安定しますね。

飯田 僕は前日にします。前日にいろいろ考えちゃって緊張して、0時に布団に入って、本当に3時くらいまで起きてるんですよ。講道館杯とかはたまたま緊張しなかったんですけど、いつもは前日が一番緊張します。試合当日もしてはいるんですけど、僕は態度に出さないタイプですね。新大さんと逆で「緊張してるけど、してないよ」みたいな感じで臨んでます。あえて出してない。

荻野 でも、前日寝るの本当に遅いよね。当日の朝は6時起きとかでしょ?よく体もつよね。全学の日とかさ、夜1時くらいにLINEが来て「寝かせて〜」と思った。

飯田 僕が返信したんですよね(笑)。1時くらいに寝れなくて携帯見たら「あ、荻野さんだー」って。横になってはいるけど、寝れてないんです。でも、当日にパフォーマンスが悪くなるとかはないですね。

道下 じゃあ、めっちゃ寝たらもっと強いかもしれないじゃん。遅い日の試合とか、昼からの試合とかならもっと調子いいかもしれなくない?

飯田 そうですね。昼からだったら最強っすね。

荻野 じゃあ早慶戦遅らせるかあ〜?11時くらい開始にしちゃう??

一同 (笑)。

笠井 自分は最近、寝れないときの対処法を見つけましたね。英単語帳を読むと眠くなるんすよ。

一同 (笑)。

笠井 それ読んで極限まで眠くして、寝るっていう。まあ寝れないことはありますけど、英単語帳を読めば何とかなります。1日ゲームとかやると生活リズムが乱れて、昼寝とかしちゃうんですよね。それで夜寝れなくなって、「どうしようどうしよう→あ!英単語帳だ!」って感じで。

道下 俺は個人戦で結構減量するタイプなので、計量が終わったら爆食いするんですよ。それでめっちゃ食べて、めっちゃ食べるからめっちゃ眠くなるんで、もう22時くらいに死んだように寝て。そしたら次の日に朝5時半とかに起きても7時間くらい寝てるから、バッチリ調子いいみたいな。団体は、23時くらいから布団入って寝れないなあと思いながら。まあ生活習慣がいつもと違うので寝れないなあと思いながら、0時くらいには多分寝てますね。

――ここからは個別でお伺いします。道下主将は昨年の対談で5才頃から柔道を始めたというお話がありましたが、これまでに本気で「柔道をやめたい」と思った時期はありましたか

道下 小学生のときは、結構ずっと思ってた。小4くらいまでは「もういつやめてやろうかな」と。「次の大会優勝したらやめよう」って考えてましたね。北海道の小学校低学年の大会って、北海道全体じゃなくて北海道の〇〇地区って感じでやるんで、まあ自分の地域ではまず負けなかったんだよね。札幌が強かったけど、体も大きかったし札幌以外には負けなくて。「じゃあ次の十勝大会で優勝したらやめよっかな〜」って考えてたら、親が「続けるんだったら〇〇買ってあげるよ」と。結局、ゲームだよね。

一同 (笑)。

道下 それで「じゃあ次の大会も」ってなって。それで引き延ばされる中で、5年生くらいから全国が関わってくるような北海道全体の大会が始まるんですよ。そこである程度勝ったんだけど、札幌の奴に負けて3位とかで。小6でやっと勝てて全国大会に出て、全国で一回戦負け。それで「ああ、全国勝てないんだ」と。今までは井の中の蛙だったからあまり負けなかったけど、全国に行ったら俺に勝った奴がその次で負けてるみたいな。すごいなってなった時に、道場の先輩が国士舘に行っていたこともあって、親から「国士舘すごい強いらしいよ〜」みたいな話があって。それでちょっと見てみようと見学に行ったら、一個上の軽量級の先輩にボコボコにされて、もう世界が違うなと思った。でも、なぜか「やってみたい」ってそこで思ってしまったんだよね(笑)。

――では、中学入学以降は柔道をやめたいと感じなかったということでしょうか

道下 中学に入ってからは、めっちゃキツかったんだけど、やめたいとは思わなかったかも。結局、やればやるだけ結果がついてきたのが中高だったので。脳死で続けて、練習はキツイけど試合とかで強い奴とやって倒せた時に「楽しいな」と思っていました。それで、辞めるタイミングを見失っちゃった感じですね。

――次に荻野主務にお伺いしたいのですが…

荻野 え、僕あるんですか!?

道下 柔道をやめたいと思ったことは?

荻野 もう常に思ってますね〜!!ふと、ご飯食べながら「やめるか?明日?」みたいな。

一同 (笑)。

荻野 はい、なんでしょうか。

――気を取り直して、主務としてのやりがいを教えてください(笑)

荻野 学生が大会で勝って、上の大会で楽しそうに柔道を頑張っているのを見るとやって良かったなと思いますね。あとは卒業する人たちが「早稲田でよかった」と言っているのを見たときも、良かったなと思います。早慶戦で一年がちょうど終わるんですけど、去年は実行委員長をやらせてもらって、無事に終わってみんなが出ていった講道館を見た時は一年間頑張ったなと思いましたね。

――ともに形競技に励んでこられた山本紘輝(商4=東京・早実)副務はどのような存在ですか

荻野 対人関係で困った時にクッションを挟んでくれますし、あとは僕の精神コントロールをしてくれるんですよ。「まあまあまあ…」と。

道下 一番荻野の愚痴を聞いている男だよね。

荻野 本当にいて良かったなと思いますね。立場的にいいことがあると上の手柄になって、悪いことがあるとこっちの責任になるということで、結構ストレスがかかるんですよ。彼はちゃんと聞いてるかはわからないけど、なんだかんだ愚痴を聞いてくれるので。いなかったら、僕本当に耐えられなかったと思います。爆発してましたね。

――次に飯田選手にお聞きします。今季は特にゴールデンスコア(GS)に強い印象がありますが、延長戦で勝つために意識していることはありますか

飯田 早稲田って他の強豪校よりも練習時間が短いので、どれだけ質を詰めて練習をやれるかが大事だと思っています。練習からGSを意識して、とにかく追い込むっていうことしか考えてないですね。

――試合が長引いて、気持ちが切れることはないのでしょうか

飯田 僕の親って大会にわざわざ福岡から見に来るんですよ。そういうのを聞くと「勝ってるところを見せたい」「喜ばせたい」とすごく思うので、諦めるとかはないですね。

――来年から最上級生となりますが、このようにチームを引っ張っていきたいといったイメージはありますか

飯田 僕の中では、選手一人一人の目標はみんな違うと思っていて。例えば全国レベルの力がある子の目標が全国大会出場とかだと、僕はそんなにアドバイスする必要はない。でも、その子が講道館杯優勝とかを目標にすると、僕も一緒にいろいろ声を掛けて頑張っていかないとなと思います。一人一人の目標をくみ取った上で、みんなと接するようにしたいですね。


笑顔で質問に応える笠井

――最後に笠井選手にお聞きします。昨年の対談では「結果が出ない」というお話がありましたが、今年は飛躍の一年になりました。昨年から何が変わり、好成績につながったと考えていますか

道下 …………(笠井を凝視)

笠井 何ですかね…。筋トレをしてたのは大きいと思います。ジムに行くと「こんなに頑張ってるのに結果が伴わないのは嫌だな」っていう気持ちが生まれて。筋力だけじゃなくて、気持ち的にもプライドが芽生えてくるというか。

飯田 違うでしょ。キャプテンのおかげでしょ。

一同 (笑)。

笠井 え?あ、そういうことね!そうそうそう(笑)!!

道下 傷ついちゃったなぁ…。期待してたのになぁ…。

荻野 みんな待ってたよ。みんな「いつツッコむんだろう」って待ってた。

道下 自分のおかげだもんな。全部自分のおかげだもんな。

笠井 よくない!こういうのはよくないよ!!いや、本当にストレスなくやれたのは道下キャプテンのおかげです。

道下 遅い遅い。

荻野 急カーブすぎる。

一同 (笑)。

笠井 でも、練習は真面目にやるようになった気がする。ずっと慎生(高倉慎生、社2=三重・四日市中央)とかとやってたじゃん。率先して陸斗(園田陸斗副将、スポ4=熊本・九州学院)とか王雅さん(布目王雅、令4社卒)とやったりとか。

笠井 それは、道下キャプテンが試合で負けて悔しそうにしてるのもあるし…。

道下 「ざまあ」って?

笠井 違う違う、だからチームに貢献したいと!

道下 「お前は負けてるけど俺は負けないよ」って?

一同 (笑)。

笠井 いやいや!2年生になって、個人のためっていうよりかはチームのためにやっている部分があると思いますね。

飯田 確かに。それはでかい。結果として、チームが勝つためにやっている中で個人に結果がついてきているだけなので。

笠井 そうそう。1年生の頃は環境に慣れるのが最優先だったので、周りをあまり見れていなかったと思います。でも、2年生になって監督が変わるとか転機があったときに、周りを見れているのかはわからないですけど、周りの考えが感じ取れるようになった部分はあると思います。

――続いて、講道館杯の感想を教えてください

笠井 消化しきれなかったっていう思いがあります。1試合目も自分の実力で勝てたとは本当に思ってなくて…。何て言えばいいんだろ。

道下 「大したことなかったです」って。

笠井 いやいやいや!講道館杯はチームというよりも、個人でどこまでできるかっていう気持ちで臨んでいました。王子谷選手(王子谷剛志、旭化成)との3回戦は、練習でもっと寝技とかをやっておけば対処できたのかなと思っています。

荻野・道下 うんうんうんうん。

笠井 えええ…(笑)。

――勝利した初戦でも、相手は格上の選手だったかと思います。あの一本は狙い通りでしょうか

笠井 いや、全然狙い通りじゃないです。

荻野 実力通りですと。

道下 気づいたら体が動いて投げてましたって?

笠井 何言っても俺負けじゃないですか!!

一同 (笑)。

笠井 相手が格上だったことは事実です。練習で何回かやらせてもらったこともあって、めちゃくちゃ対策もされているなと感じましたね。唯一付け入るとしたら、組み手くらいかなと思っていました。試合で組み合う中で一発技入ってみようとしてやったら、たまたま決まって。内股で投げようとかは思っていなくて、偶然いいところを持っていた時に掛けたら、技が入ったという感じです。

キャラが濃いのは…

――再びお一人ずつにお聞きします。部の中で特に「変わっているなあ」「キャラが濃いなあ」と感じる人を教えてください

道下 健介は決まってるだろうなぁ…。

飯田 (笑)。忘れてた!!決まってるなぁ、俺は。

道下 健介は一番好きだからね、彼が。

飯田 僕が個人的に変わってると思うのは…。園田さん。

――他の部員の方から、飯田選手が園田選手をいじっていると聞いたことがあります(笑)

飯田 ああ、そうなんですよ!!

笠井 そうなんですよって(笑)。

飯田 なんか行動が好きというか、面白いんですよね。

道下 可愛いよね。

飯田・笠井 そうそう!可愛い。

道下 普段の言動、行動とかね。なんでもいじってるよね。

笠井 飯誘う時とかね!

飯田 陸斗さんの近くで「めっちゃ腹減ったっす…」って言うと、向こうから「健介行く!?」って。

一同 (笑)。

笠井 俺3年生言いたいな。智博さんとかかなあ…。

飯田 あー、確かに。あんなに強いのにさ、めっちゃ後輩に甘えるよね。雄太とかにもへばりつくことあるし。

笠井 なんか前日はめっちゃベタベタしてきたのに、次の日に距離近く行くと嫌な顔されます。

飯田 ほんとに気分屋だよね。

<笠康介(スポ3=神奈川・東海大相模)が登場>

 俺のこと良く言っておいて〜。

笠井 次に悪口言う時あったら言っておくわ。

一同 (笑)。

笠井 智くん(中野智博)は一番柔道とかに対して素直ですね。素直だけど、私生活とかは変わってます。

道下 誰にしよう。意外と常識人も多いからな…。

荻野 なんだかんだ常識はみんなあるので、本当に変な奴は凱くらいしかいない。

道下 あ、それなら康介とかかな。クセ強いし。あいつにしよう。

飯田・笠井 確かに。クセ強いっすね。

道下 あいつはなんかね、柔道が好きなのか嫌いなのかよくわからない。

 柔道は好きだけど、練習は嫌い。

道下 こんな感じなんですよ。あとさ、学年下のくせにめっちゃタメ口使ってくるし(笑)。でも、勉強は真面目だけどね、彼。

笠井 そこしか取り柄ないですけどね。

 なんでお前に俺の取り柄語られなきゃいけないんだよ!

道下 ちゃんとやる時はやるのに、いつもおちゃらけてるから、先生方に「おい、笠はなんで練習やらねえんだ、あいつは〜」って目を付けられてるんですよ。

笠井 朝練も何週連続で休んでる?今。記録?

 え、でもさ、智博まじで半年くらい行ってないよ!?

一同 ……………………。

笠井・道下 いいんだよ、智博は!!

道下 今はお前の話をしてるんだよ。

一同 (笑)。

道下 柔道は不真面目だけど、他は真面目なんですよね。でも、ああいうのが早稲田には必要なんですよ、意外とね。ああいう奴がいるから回ってるみたいなところがあるかもしれない。

――最後に、荻野さんお願いします

荻野 え!これ僕にも来るんですか!?

道下 別に選手じゃなくて、主務チームで変わってる子でもいいよ?主務チームの方が知ってるでしょ?

荻野 (笑)。いや、でもみんな変わってると思いますけどね。4年間も柔道とか一つのことをする人たちはみんな変わってるので、結局みんな変わっていて、変わり者だからこそうまくまとまるみたいな部分もあって。ここにまともな人がいると歯車が合わないこともあると思うので、みんなが変わってるからこそお互いを尊重できるんだと思います。はい、きれいにまとまった!

「早稲田らしさを見せられる早慶戦にしたい(道下)」

――それでは最後に、早慶戦への意気込みをお願いします!

笠井 早稲田の方が有利という声もあるんですが、そこで決しておごらないように。一戦一戦取り組む姿勢を見せて、おごらずに真剣に取り組んでいこうと思っています。

飯田 やっぱり早慶戦って、誰かの協力があって成り立ってると思います。実行委員の人たちに感謝の気持ちを持ちつつ、4年生にも気持ちよく卒業してもらいたいです。そこは後輩が一生懸命頑張ることで4年生も喜んでくれると思うので、一生懸命頑張っていきたいと思います!

道下 4年間の集大成というか最後の試合になるので、当然勝ちに行くんですけど、早稲田大学柔道部との雰囲気とか、「早稲田大学柔道部ってこうだよな」っていう早稲田らしさを見せられるような試合ができればいいかなと思ってます。

荻野 お祭りっぽい雰囲気もありつつ、このチームで最後の大会なんで、とりあえず楽しんでいただければと思います。勝ち負けも重要ですけど、このチームでどういう柔道をするのか、どういう雰囲気で最後締めくくるのか、終わりよければ全て良しということで、本当に最後このチームでよかったなと思えるような1日にしていただければ、僕はやってよかったなと感じます。本当に、楽しんでやってほしいなと思っています!

――ありがとうございました!


自分らしい言葉を書き記した4人

(取材・編集 今村奎太、湊紗希、丸山勝央)

◆道下新大(みちした・あらた)(※写真中央左)

2001(平13)年5月7日生まれ。178センチ。東京・国士舘高出身。スポーツ科学部4年。「新大さんについていかない人は今年誰もいない」と飯田選手に言わしめた道下主将。抜群のリーダーシップと聞く力で、今年の早大柔道部を率いました。早稲田らしい柔道を見せつけ、有終の美を飾ります!

◆荻野祥平(おぎの・しょうへい)(※写真中央右)

2002(平14)年3月20日生まれ。170センチ。東京・早実出身。先進理工学部4年。「抜群の仕事人」の評通り、突破力でこれまでの早大柔道部ではなかった試みを次々と実現されてきた荻野主務。一方で持ち前のウィットやトーク力で対談を盛り上げてくださり、ユーモアある人柄も伝わってきました。早慶戦へ臨む選手たちを、万全のサポートで送り出します!

◆飯田健介(いいだ・けんすけ)(※写真右)

2002(平14)年6月8日生まれ。180センチ。福岡・南筑高出身。社会科学部3年。全日本学生体重別選手権で3位に入り、名実ともに早稲田を担うエースとなった飯田選手。先輩からの熱い信頼はもちろんのこと、飯田選手自身の柔道に対するほとばしる思いが対談で垣間見えました。「GSでは負けないよ」の言葉通り、早慶戦では優勝への一手に期待です!

◆笠井雄太(かさい・ゆうた)(※写真左)

2003(平15)年9月16日生まれ。183センチ。愛知・桜丘高出身。スポーツ科学部2年。東京都ジュニア、東京学生体重別選手権で優勝をつかみ取った笠井選手。確かな実力で先輩からも一目置かれる一方、あの荻野主務に「可愛いからいっか!」と言わしめる程の愛嬌の持ち主なのだそうです。早慶戦では、力強い一本で慶大をなぎ倒す活躍を見せてくれるでしょう!