10日より開幕した関東学生リーグ戦(リーグ戦)。1、2日目は男女フルーレの試合が行われた。男子フルーレは1日目こそ本領発揮とはならなかったが、2日目は終始安定した試合を展開し準優勝。6月に開催される全日本学生王座決定戦(王座)への切符も手…

10日より開幕した関東学生リーグ戦(リーグ戦)。1、2日目は男女フルーレの試合が行われた。男子フルーレは1日目こそ本領発揮とはならなかったが、2日目は終始安定した試合を展開し準優勝。6月に開催される全日本学生王座決定戦(王座)への切符も手に入れた。一方、フルーレを専門とする選手がそろわない女子の方も大奮闘。4位で1部リーグ残留を決めた。


準優勝し笑顔を見せる男子フルーレ(左から藤澤、ダグラス、竹内、川村)

☆2日目には調子を戻し準優勝(男子フルーレ)

「勝てる試合だった」はずが2敗を喫した男子フルーレの1日目。初戦はこのリーグ戦を全勝で制した法大との対戦であったが、あと少しのところを攻めきれず、その流れを次の日大戦にも持ち込んでしまったと藤澤将匡(スポ3=宮城・仙台城南)は話す。そして「今日が初日という思いでやっていた」という2日目。初戦の慶大戦では失点をわずか15点に抑えるなど、一切相手に流れを渡さない展開を繰り広げ調子を取り戻した。続く中大戦では、1試合目に川村京太(スポ4=東京・東亜学園)が無得点のまま5本先取されるものの、2試合目にダグラス・ビューワ―ニック(スポ3=埼玉・星槎学園)が一挙10本を先取し勝ち越しに成功。そのままリードを保ち、2勝目をあげた。これについてダグラスは「しっかり足を使って腰を下げて動くっていうのと、あとは相手のことも知っているので、自分がどこでやられているかというのをしっかり考えて挑んだら、自分の流れに乗ってそのままいい感じにできました」と振り返った。そして最後の専大戦。序盤から早大に有利なかたちで進んでいたが、7試合目、藤澤が9本も取られるなど相手の猛追にあう。それでも最後は振り切り、14点のリードを持って試合は終了。準優勝し、男子フルーレは王座進出を決めた。「(王座の初戦で当たる)法大に勝つ」(ダグラス)、「全勝で優勝」(藤澤)、「自信を持って優勝」(川村)とそれぞれ意気込んだ3人。どのチームにも勝る明るさとチームワークで日本一を目指したい。


1本決めガッツポーズをする藤澤

選手がそろわずとも1部残留(女子フルーレ)

狩野央梨沙(スポ4=宮城・常盤木学園)が遠征で抜けたため、フルーレの選手は森多舞(スポ2=山口・岩国工)のみとなった2日目。試合に出場した黒田ほのか(スポ4=香川・三本松)と蓮井陽菜(スポ3=香川・高松北)はそれぞれサーブルとエペを専門としているため、この2選手が時間を使って粘る中で、森多が得点を重ねるという作戦を持って臨んだ。しかしフルーレ専門の選手をそろえたチームはやはり手ごわく、なかなか突破口を見出せない状況が続く。それでも森多のプレーは圧巻であった。法大戦、38‐23で早大がビハインドの状態から始まった9試合目。森多は最後の0.1秒まで攻撃の手を緩めず、3分間で15得点という怒涛の追い上げを見せた。相手はわずか3得点と勝利の可能性が大きかったからこそ、審判の判定に納得のいかない様子ものぞかせていた森多。「絶対逆転できたので…」この悔しさは明日からのサーブル、エペの試合にもぶつけていきたいところだ。

また日体大戦でも森多の勝負強さが光った。相手は44点、あと1本取られたらゲームセットというところで、「この1本は絶対にやらない」という気迫がプレーに直結。試合時間の最後の最後まで積極的に攻撃を続け、得点を重ねながらその1本を守り切った。結果女子フルーレは1勝4敗で4位となり、1部残留が決定。目標としている「全種目で1部残留」の第1関門は突破した。


法大戦に僅差で敗れ座り込む森多

※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

※フルーレ:頭・両足・両腕を除いた胴体部への突きのみが得点となる。 両者がほぼ同時に突いた場合は、どちらの攻撃が有効だったかを主審が判定する。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は攻撃を防御してから攻撃しなければならない。

(記事、写真 槌田花)

森多舞(スポ2=山口・岩国工)

――フルーレを終えて率直な感想を教えてください

 女子の今回の目標は1部に残ることだったので、それがとりあえず残れたというのはうれしいですね。

――フルーレの選手がそろわない中、今回はどのような作戦を持って臨みましたか

 昨日までは私ともう一人、央梨沙先輩(狩野、スポ4=宮城・常盤木学園)がいたので、それで結構勝ち進められたんですけど、今日は私だけだったので、他の二人には時間を使って粘ってもらって、そこで私が点数を重ねるという方法しかなかったので、その勝ち方で行けたらよかったんですけど。法政との試合では、点差がすごい開いていて、最後自分が追い上げられたんですけど、あと3点がとれなかったことがすごい悔しくて。そうですね、本当に悔しかったです。

――最後まで攻撃の手を緩めなかったと思うのですが、どのような思いでしたか

 点差を縮めたいのはもちろんなんですけど、絶対逆転できたので・・・

――審判の判定に納得がいかない様子も見受けられました

 そうですね、審判の影響はあって、フルーレとかは攻撃権があるので。審判にイライラしちゃって、その前の点数がもったいなかったなと思うんですけど、それも試合の1つで。審判に見えるようにできたら一番なんですけど、これが試合っていう感じなのかな(笑)

――明日からもサーブル、エペの試合が続きます。意気込みをお願いします

 とりあえずけがだけはしないで、全部の種目で貢献できるように全力で頑張りたいと思います。

――目標はありますか

 目標は全種目で1部に残ることなので、少しでも点数を多く、1勝でも多くできたらいいなと思います。

――ありがとうございました!

男子フルーレ【川村京太(スポ4=東京・東亜学園)、ダグラス・ビューワ―ニック(スポ3=埼玉・星槎学園)、藤澤将匡(スポ3=宮城・仙台城南)】

――昨日の試合の振り返りをお願いします

ダグラス ひどかったです。

藤澤 昨日は本当にちょっと調子が悪かったですね。勝てる試合ではあったんですけど、残り少しで攻めきれないということが2回続いてしまって。1回目でそうなって、それを引きずったまま2回目という感じだったので、調子が悪かったです。

――昨日のどのような反省点を踏まえて試合に臨んだという感じですか

藤澤 たぶん全員「切り替える」っていう方向で。反省点というよりは、今日が初日という思いでやっていたと思うので、それが功を奏したのかなと思います。

――今日はとても安定感のある試合でした。どのような作戦を持って臨みましたか

ダグラス 足を使う…昨日足を使わずに負けてしまったところが多々あって、特に自分もそうで、今回はしっかり足を使ってピスト全体を使って、動いて動いて我慢して、ということを意識しましたね。

――ほかに今日の試合でうまくいった点があれば教えてください

川村 3人とも全員、昨日よりリラックスしてやれたかなと思います。

藤澤 声かけとかも他のチームに比べてだいぶよかったので、チームワークというところが勝利につながったと思います。

――中大戦の2試合目、今日の試合唯一のビハインドでまわってきたと思うのですが、ダグラスさんはどのような気持ちでピストに入りましたか

ダグラス しっかり足使って、腰を下げて動くっていうのと、あとは相手のことも知っているんで、自分がどこでやられているかというのをしっかり考えて挑んだら、自分の流れに乗ってそのままいい感じにできました。

――これで王座決定戦の進出も決まりました。意気込みをお願いします

ダグラス 王座は、昨日の1発目の試合で負けた法大が最初の対戦になるので、昨日もいい勝負だったので、次こそは絶対に勝てるようにしたいなという感じですね。

藤澤 去年は団体が3位続きで、今が2位で。それでも2回負けての2位なので、全部勝って優勝というところを目指したいなと思います。

川村 まず西の王者を倒さないといけないので、そこをしっかり勝つことと、法政に勝つこと。でもこのリーグ戦で一番法政を追い詰めたのは俺たちなのかなと思っているので、自信もって優勝できるように頑張りたいです。

――ありがとうございました!

結果

▽女子フルーレ(10日)

早大[狩野央梨沙(スポ4=宮城・常盤木学園)、影山野希花(政経4=東京・早実)、蓮井陽菜(スポ3=香川・高松北)、森多舞(スポ2=山口・岩国工)]

○45‐29専大

●34‐45日女体大

▽女子フルーレ(11日)

早大[黒田ほのか(スポ4=香川・三本松)、影山野希花(政経4=東京・早実)、蓮井陽菜(スポ3=香川・高松北)、森多舞(スポ2=山口・岩国工)]

●38-41法大

●22‐45日大

●15‐44日体大

▽男子フルーレ

早大[川村京太(スポ4=東京・東亜学園)、ダグラス・ビューワ―ニック(スポ3=埼玉・星槎学園)、藤澤将匡(スポ3=宮城・仙台城南)、竹内隆晟(スポ1=岡山大安寺中教校)]準優勝

●36‐45法大

●38‐45日大

○45‐15慶大

○45‐35中大

○45‐31専大