2028年に開催されるロサンゼルス五輪では、今夏のパリ五輪では採用されなかった野球が復活する。それに伴い、7日(日本時間8日)にMLBのオーナー陣に向けてプレゼンテーションが行われ、米複数メディアによるとメジャーリーガー派遣に前向きな声が上…

2028年に開催されるロサンゼルス五輪では、今夏のパリ五輪では採用されなかった野球が復活する。それに伴い、7日(日本時間8日)にMLBのオーナー陣に向けてプレゼンテーションが行われ、米複数メディアによるとメジャーリーガー派遣に前向きな声が上がったという。スーパースターの参加が球団から認められれば、五輪競技としての野球も注目度が一気にアップしそうだ。

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■オールスター戦を中止しメダルを争う

米フロリダ州オーランドで開催されたMLBオーナー会議の中でプレゼンテーションは行われ、日程案などが示されたという。

米スポーツメディア『The Athletic』によると、出場国は6カ国か8カ国を想定。期間は5~6日という凝縮した日程になると見られている。

オーナー陣は以前から五輪によるレギュラーシーズンの試合数縮小に拒否反応を示していたが、ロス五輪の開催される28年は夏のオールスター戦を中止し、このオールスター休みを使って大会を行うことを想定。これにより、試合数の縮小が最小限に抑えられるという。

また、オールスター戦もロスで開催することで、2大イベントを同地で並行して行う案も出された。オールスター戦は例年7月中旬に行われており、ロス五輪は7月14日が開幕予定。このため、同メディアは「日程を鑑みれば、野球が五輪のオープニングを飾る可能性もある」と指摘した。

そのほか、26年に行われる第6回WBCが五輪予選を兼ねるというプランも検討されている模様だ。

■オーナー側軟化の背景に「WBCの成功」

メジャーのシーズン中に開催されることの多い五輪に関しては、大会期間中も試合は中断しない。そのため、もし各国代表に選ばれた選手の離脱を認めれば、その間チームは戦力の低下に直面する。さらにケガの危険もあることから、MLBオーナー陣は五輪への選手派遣に慎重な態度を取ってきた。

実際、東京五輪(21年開催)においても40人のロースターに入っている選手たちは参加できなかった。米国代表だけでなく、金メダルを取った日本代表にも大谷翔平投手らメジャーリーガーはおらず、「オールNPB」で勝ち抜いた。

しかし、ロス五輪に向けてオーナー側もスター選手の派遣に理解を示している様子。同メディアは軟化した理由として「昨年のWBC大成功に基づいている」という球団関係者のコメントを掲載した。

シーズン開幕前に行われたWBCにはスター選手も参加し、決勝戦で大谷vs.マイク・トラウト外野手が実現するなど大きな盛り上がりを見せた。大会は視聴者数、観客動員数、グッズ販売などで過去最高を記録。米国だけでなく、世界的にも大ヒットコンテンツになり、マーケティング的にも成功を収めた。これを見たオーナー側が五輪でも同じような恩恵を享受するため、スター選手の派遣を容認する可能性が高くなっているという。

26年にWBC連覇を狙う日本は、28年も五輪連覇がかかっている。大谷や山本由伸投手が参加できるかどうかはチーム編成を行う上で大きなポイント。さらにロスはドジャースの本拠地であり、大谷が今度は地元で金メダルを掲げる可能性もある。今後下されるMLB球団の最終判断に注目が集まる。

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文●SPREAD編集部