DeNAで実力を示したバウアー。ゆえに機会さえあれば、メジャーでも結果を残せるはずだが……。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext  まもなくメジャーもキャンプインを迎える。…

 

DeNAで実力を示したバウアー。ゆえに機会さえあれば、メジャーでも結果を残せるはずだが……。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 

 まもなくメジャーもキャンプインを迎える。各球団の戦力も整いつつあるなか、いまだ新天地が決まらない「大物」もいる。昨シーズンにDeNAで活躍したトレバー・バウアーもその一人だ。

 実力に衰えは見られない。昨年3月にDeNAに電撃加入すると、19先発で10勝(4敗)、防御率2.76、WHIP1.13と好成績をマーク。シーズン中には中4日での登板も志願するタフネスぶりで日本球界を席巻した。

【動画】ここぞでギアを上げる。阪神戦で輝いたバウアーの奪三振シーン

 

 DeNAとの単年契約終了後に母国へ帰国。今オフはメジャーリーグへの再挑戦を決め、代理人とともに移籍先を模索し続けてきたが、いまだ買い手はついていない。

 理由はさまざまに考えられる。そのなかで念願のメジャー契約を阻んでいるのは、おそらく本人に対する「問題児のレッテル」にある。

 ドジャース時代の2021年に性的暴行などの疑いで女性から訴えられ、324試合の出場停止処分(その後、処分は194試合に短縮)を受けたバウアー。すでに不起訴処分となり、当該女性とも和解が成立しているものの、米球界内では彼の素行を問題視する関係者は少なくない。実際、米メディアでは「バウアーにはフィールドの内外でリスクが大きすぎる」(日刊紙『The Dallas Morning News』でレンジャーズ番を務めるエバン・グラント記者)との指摘もある。

 無論、当の本人は猛省中だ。米国の報道番組などにも出演し、「僕は間違いを犯した。やるべきでなかったことをしていたことに同意する。その過程で多くの人を傷つけた」とコメント。公の場で人として変わったというアピールをしている。

 ゆえに母国内での風向きも一部では変わりつつある。米ポッドキャスト番組『PBD Podcast』のホストを務めるパトリック・デビッド氏は「私はバウアーがセカンドチャンスを与えられるべきだと考えている。もしも、彼がそうなれば、素晴らしい模範例になる」と指摘。さらに米メディア『Barstool Sports』の創設者であるデイブ・ポートノイ氏は「健全な精神の持ち主であれば、誰も告発者側の言い分を信じることができないのは明らかだと思う」とし、こう論じている。

「彼の人生は一方だけを信じ切った人々によって2年間も台無しにされた。問題が起きた際にバウアーを非難しようと急いだすべての人々は、その時と同様に謝罪をすべきである」

 もっとも、近年の米球界はコンプライアンスを重視する傾向にあり、特に女性問題や暴力騒動を起こした選手に対して厳しい目を向けている。それだけに先述のような後押しを得ようとも、バウアーが今後も移籍市場で苦難する可能性は小さくない。

 となると、日本を含めた国外リーグでのプレーが現実味を帯びてくるが、果たしてどうなるか。刻一刻とシーズン開幕が迫るなかで、バウアーの去就は今後も注目を集めそうだ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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