将来の夢は北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)の選手――。横浜市港北区の小学6年生、土川怜也さん(12)は大きな目標に向かって突き進んでいる。本場米国で競技を覚え、海外と日本で技術を磨いてきた。7日からカナダ・ケベック州で開かれる国際大…

 将来の夢は北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)の選手――。横浜市港北区の小学6年生、土川怜也さん(12)は大きな目標に向かって突き進んでいる。本場米国で競技を覚え、海外と日本で技術を磨いてきた。7日からカナダ・ケベック州で開かれる国際大会に12歳以下のジャパン・セレクト(日本選抜)として出場する。

 大会は11~12歳の選手が世界から集う「ケベック国際ピーウィーホッケートーナメント」。日本は2015年から参加している。日本選抜は18人で神奈川県内から選ばれたのは初めてという。土川さんは「ゴールをしてチームを引っ張っていきたい」と意気込む。

 横浜市で育ち、17年12月、6歳のときに父親の仕事の関係で米国カリフォルニア州のシリコンバレーに移り住んだ。

 すぐに米国の4大プロスポーツ(アメリカンフットボール、バスケットボール、野球、アイスホッケー)すべてを観戦。NHLのサンノゼ・シャークスの試合のゴールシーンを見て「かっこいい」と感動し、将来の夢がパイロットからアイスホッケーの選手に切り替わった。

 シリコンバレーでアイスホッケーの滑り方を習い、8歳のときにチームのトライアウト(入団テスト)に合格。1軍に抜擢(ばってき)され、試合でも活躍した。

 20年夏に帰国した後は、新横浜ジュニアアイスホッケークラブのほか、月に1、2回、アジアリーグの栃木日光アイスバックス(栃木県日光市)のジュニアチームでプレー。千葉県内のスクールにも通い、夏にはカナダで鍛えている。

 アイスホッケーは「自分にとってすべて」という。魅力は「どのスポーツよりもスピード感がある」。自宅の庭にタイルを敷いて練習するほどで、NHLの結果を毎日チェックするのも欠かさない。母の恵倫子(えみこ)さんは「自分が小学生のときはここまで明確な夢は持たなかった。小さい頃に夢に出会えてよかったと思う。このまま夢に向かって真っすぐ進んでくれたら」とエールを送る。

 ポジションはFWで、司令塔となるセンターや得点能力が求められる左ウィングを務める。身長は150センチ。海外の大柄な選手を相手に持ち味のスピードで勝負する。日本選抜の黒川太郎監督(52)は「海外でもまれ、テクニックが高い」と高く評価する。

 NHLでプレーした日本人はGKとDFの2人だけで、フィールドプレーヤーは1人しかいない。「プレーヤーとしてNHLに挑みたい」と将来の目標を掲げる。アイスホッケーは日本ではマイナースポーツとも言われるが、「僕がNHLで活躍してメジャーに押し上げたい」。そう言って目を輝かせた。(上嶋紀雄)