パリ・パラリンピック正式種目のカヌー競技に取り組む選手たちの素顔に迫った写真展「On The Water パラカヌーアスリートの素顔」が、東京都新宿区の「新宿 北村写真機店」6階イベントスペースで14日まで開催されている。 撮影したのは写…

 パリ・パラリンピック正式種目のカヌー競技に取り組む選手たちの素顔に迫った写真展「On The Water パラカヌーアスリートの素顔」が、東京都新宿区の「新宿 北村写真機店」6階イベントスペースで14日まで開催されている。

 撮影したのは写真家の木下大輔さん(42)。昨年3月、鹿児島県伊佐市であったイベントをきっかけに撮るようになった。障害者スポーツの撮影は初めてだったが、選手たちと話して競技にかける思いを知り、その素顔にひかれたという。日本選手権や合宿、海外遠征に向かう選手の空港での様子など、さまざまな場所に出向き撮影した。

 写真展では、下肢に障害のある選手たちが水上でさっそうとカヌーをこぐ様子や、競技後に車いすに乗り換えて笑顔を見せる姿など計35点が展示されている。

 木下さんはモノクロにこだわってきた。光と影で表現するモノクロ写真は、色の情報に惑わされないため、見る人の想像力をかきたてることができるという。

 ポートレート写真の撮影には、ドイツの光学機器メーカー・ライカのモノクロ専用機に独特のボケ味が出る「ノクティルックス」というレンズをつけて撮影した。

 パラカヌーは2016年のリオ大会から正式競技に採用された。日本の競技人口は約20人。知名度が低いパラカヌーの普及を図るため、日本障害者カヌー協会が今回の写真展を企画した。

 事務局長の上岡央子(ひさこ)さん(44)は「水の上は、地上と違って段差がなく究極のバリアフリーといわれる。カヌーは障害がある人にとって最高のチャレンジができるスポーツ。まずは写真を通して競技や選手を知ってもらい、その魅力に触れてほしい」と話す。

 写真展の開催前にクラウドファンディングで支援を募り、112人から62万7千円を集めた。

 写真展は午前10時~午後9時で入場無料。問い合わせは上岡さんのメール(0314hisako@gmail.com)へ。