1Q2Q3Q4Qサドンデス計早大201014慶大110103▽得点者星井、井原、杉、八重倉 昨年の関東学生2020特別大会決勝、そして今年の六大学交流戦で敗れた慶大と再び対戦することとなった早大。2年ぶりの早慶戦は無観客での開催となった。…

 1Q2Q3Q4Qサドンデス
早大
慶大
▽得点者
星井、井原、杉、八重倉

 昨年の関東学生2020特別大会決勝、そして今年の六大学交流戦で敗れた慶大と再び対戦することとなった早大。2年ぶりの早慶戦は無観客での開催となった。そのような状況で、両チーム高い緊張感を保ったまま進んだ試合は4クウォーター(Q)では決着がつかず、延長戦へと突入。それでも互いに点が入らず、再延長かと思われた終了間際、A T八重倉良太(政経3=東京・早実)が劇的な決勝ゴールを決め、早大が勝利を収めた。

 女子部の試合の熱が冷めやらぬまま、男子部の試合が開始した。互いに緊張感を持って立ち上がる。先手を取ったのは早大。AT星井鉄男(法4=東京・早大学院)が得点を決め、貴重な先制点を挙げる。しかし、すぐに慶大に追いつ枯れてしまう。それでも、1Qの後半にM F井原優太(商3=東京・早大学院)がゴールを決め2ー1とリードを奪い、1Qを終える。2Qの立ち上がり、慶大にゴールを許し、再び追いつかれる。同点に追いつかれた後、早大は武器であるライドを効果的に機能させ、試合を支配する。M F杉颯斗(社4=東京・早実)のショットなどを含む3本のショットを放つが、試合後にM F森久優太(商4=埼玉・早大本庄)が「決定力が足りず、得点が伸び悩んでしまった」と語るように、相手のゴールをこじ開けることができない。そのまま、両者得点できず、前半は2ー2の同点で折り返す。

 

ボール運ぶM F森久

 後半の立ち上がり、早大は慶大を攻め立てマンダウンを獲得する。1人守備の少ない間に得点を取りたい早大は、じっくりとボールを回しながらシュートのチャンスをうかがう。そして、マークが外れたタイミングでM F杉が強烈なショットを相手ゴールに突き刺し、早大がリードを奪う。さらなる追加点を上げたい早大であったが、慶大の硬いディフェンスを破ることができない。さらには、A T平野義大主将(社4=東京・早大学院)が「相手のゴーリーの構えているところにショットを打ってしまった」と語るように、何度も相手にショットを止められてしまう。試合も終盤へと突入した4Q開始5分、一瞬の隙を疲れ、同点ゴールを慶大に許してしまう。そのまま両者決勝点を奪えず、試合は延長戦へと突入する。ラクロスの延長戦はサドンビクトリーといい、4分間で最初に得点を挙げた方が勝利となる。そのような失点が許されない局面で両チームとも守備陣が踏ん張り、得点を許さない。延長戦も残り時間がなくなり、ラストワンプレーとなったところで、ボールは早大にわたる。そして、ボールはA T平野へ。相手のマークを1人かわすと、ゴール前へとラストパスを送る。そこに飛び込んできたA T八重倉が放ったショットは、ゴールに突き刺さり劇的な決勝ゴールとなった。


相手ディフェンスの突破を狙うA T平野

 劇的なゴールにより、ライバルにリベンジを果たした早大。勝利に導いたのはG亀岡慎之資(法4=東京・早大学院)を中心とした守備陣の奮闘だ。延長戦では、2度相手にゴールを脅かされるも、G亀岡のビッグセーブでゴールを守りきった。試合後の閉会式で、亀岡は最優秀選手にも選出され、大量失点を喫した前回の対戦から大きな成長を見せることができた。一方で、攻撃陣は決定力の部分で課題が残った。何度も相手のゴールに迫りながらも得点することができなかったため、苦しい試合展開となってしまった。しかし、勝ち切れたということはチームにとって大きな収穫となったであろう。リーグ戦、そして日本一に向けて平野組はさらなる成長を続ける。

(記事 山本泰新 写真 早稲田大学男子ラクロス部提供)

A T平野義大主将(社4=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか。

お互いがなかなかうまくいかない中、両ディフェンス陣が高い緊張感を持っていたためにロースコアの展開になったという印象です。

――今日は相手のゴーリーが好セーブを連発するなど、相手ディフェンス陣にかなり苦戦していたように感じましたが、苦戦した要因はなんだと考えていますか

ゴーリーの立ち位置をしっかりと見ることができていなかったのではないかと考えています。相手のゴーリが構えているところであったり、狙っているところにショットを放ってしまったことがセーブを多くされた原因だと考えています。

――最後のプレーではゴーリーに仕事をさせずにゴールを決めることができました。最後のプレーを振りかってみてどうでしょうか

最後一つ目の攻撃で、インバートなら勝負できると考えていました。そして、自分にボールが入った時に相手がショートであったので、裏から勝負しようとしっかり考えてプレーできたことがあのプレーにつながったと思います。

――それはイメージ通りにプレーできたということですか

最後のプレーだけはしっかり自分の中で考えたことができたかなと思っています。

――A T陣のこの試合で見えてきた収穫があれば教えてください

ゴーリにセーブこそされてしまいましたが、裏からゴールにいくという怖さはしっかり見せることができたので、そこは収穫かなと考えています。課題としては決めきりかなと考えています。

――決定力の部分ですが、リーグ戦までにどのように修正していこうと考えていますか

スキルの部分ではシュート練習の本数をたくさん行うことが重要だと思うので、試合を意識して、エリアごとに打てるシュートをしっかりと考えて打つということと、判断面ではゴーリがどこに構えているのかしっかりと見るということを意識して練習してきたいです。

――リーグ戦への意気込みをお願いします

今日のような苦しい展開の試合もあると思いますが、その中でもしっかりと勝ち切れるようなチームを作っていきたいと思います。

G亀岡慎之資(法4=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返ってみてどうでしょうか

ロースコアゲームでどちらも苦しい展開だったのですが、ディフェンスがよく粘り、オフェンスが最後に決め切ってくれた良い試合だったと思います。

――ビッグセーブを連発されていて調子が良かったように見えました。ご自身ではどのように感じていますか

ここ最近、私もけが明けで調子が悪く、自分の中ではあまり良い状態で望めているような状態ではなかったのですが、実際の試合では集中してボール一球に対して気持ちを向けることができたことが良かったのかなと思います。

――今日は守備陣の調子も良かったように感じました。試合中の守備陣の雰囲気も良かったのでしょうか

慶大オフェンスへの対策をここ2週間くらい行っており、デフェンス全員で守るという意識を持って練習してきたので、その成果が体現できてよかったのかなと思います。

――今日の試合で得た収穫はありますか

相手の気持ちの良いようにオフェンスをさせないというディフェンスの形ができてきたと思うので、継続してそこの部分を強化していくこととまだまだつめが甘いところがあるので、リーグ戦に向けてもっと詰めていければと考えています。

――つめが甘いというのは具体的にどのような部分のことを指しているのでしょうか

疲れてきた際のコミュニケーションの量が少なくなり、隙を突かれてしまうことが多いので、そこを改善していきたいです。

――最後にリーグ戦への意気込みをお願いします。

私たちの目標は日本一なのでそこに向けてディフェンスとしてもチームとしても、常に勝てるようなチームを目指して頑張っていきます。

M F森久優太(商4=埼玉・早大本庄)

――今日の試合を振り返ってどうでしょうか

何よりも勝てたことがすごく良かったと思います。

――クリアが今日良かった要因はなんだと考えていますか

クリアは今まで練習をしてきたことを出すことができたと思います。特に慶大もライドをしてきたわけではなかったですが、今まで練習してきた成果を出すことができたよかったと思います。

――逆に慶大に対してライドがかなり効果的に機能していたように感じました。ライドがはまった要因はどこにありますか

たまたまの部分もあったと思いますが、選手一人一人がコミュニケーションをしっかりとって意識高くプレーできたことがうまくいった要因だと思います。

――M F陣の今日の収穫は何ですか

いろいろな主力選手がいない中、今回の早慶戦に臨むことになったのですが、下級生が試合に参加し、活躍してくれたことが下級生の押し上げにもつながってM Fというポジションとしては良かったのかなと思います。

――逆に見えてきた課題などはありますか

個々の力であったり、決定力が足りなかったために得点が伸び悩んだということをオフェンス陣として感じているので、個の力という部分はもっと上げていかなくてはと思っています。

――リーグ戦への意気込みをお聞かせください

リーグ戦はクリア、ライドを引き続き頑張るということと自分自身M Fとして得点を取れるような選手になりたいと考えています。