晴天の中行われた、男子ラクロス新人戦。2年生にとっては最後の新人戦。各グループから首位のチームしか決勝ステージに進出することができないという厳しい条件に加え、新型コロナウイルスの影響で十分に練習ができたとは言えない中迎えた大会は予選敗退と…

 晴天の中行われた、男子ラクロス新人戦。2年生にとっては最後の新人戦。各グループから首位のチームしか決勝ステージに進出することができないという厳しい条件に加え、新型コロナウイルスの影響で十分に練習ができたとは言えない中迎えた大会は予選敗退という悔しい結果に終わった。

 第1試合の東大戦。初戦ということもあり緊張による硬さの見られる立ち上がりとなった。そんな中でもAT松尾昇太(法2=埼玉・早大本庄)のゴールで先制する。しかし、その後立て続けに失点をし、逆転を許し、1点ビハインドで第1クオーター(Q)を終える。その後、第2Qにも1点を追加され、2点ビハインドで迎えた第3Q 、AT松尾が単独で東大ディフェンス陣を切り崩し、1点差に迫るゴールを決める。しかし、反撃はここまで。2ー3で惜しくも東大戦を落とす結果となった。大会運営側の時間計測のミスもあり、後味の悪い敗戦となった。この試合を新人担当コーチである小菅英佑コーチ(平16基理卒)は次のように振り返った。「大会運営側のミスで時間のズレが生じ、その時間で失点をしてしまった。それを取り返せなかったのは我々の実力不足ですが、運営側もそこはミスを認めているので、運の悪さと硬さのあった試合となってしまいました」。


シュートを放つMF杉本衡星(人2=神奈川・桐光学園)

 第1戦を落とし、決勝ステージに進出するためにはもう負けられない状況で迎えた明治学院大・東海大・大東大の混合チームとの第2戦。試合は再びAT松尾のゴールで早稲田が先制するとその後も順調に追加点を加え、攻守に相手を圧倒して4ー0と早稲田が完勝を収めた。初戦は複数失点をしてしまった守備陣もこの試合では相手を無失点に抑えるなど完璧に近いパフォーマンスを見せた。続く成蹊大・上智大の連合チームを迎えた第3戦。絶対に落とせない試合が続くが、早大は第2戦の勢いをそのままに試合序盤から相手を圧倒していく。第1Qの序盤から積極的に攻める早大は、こぼれ球を拾い、相手のデフェンスが乱れている中、MF中山鉱(人2=東京・早実)が少し離れた位置から鋭いシュートを放ち先制点を奪う。その後も順調に得点を重ね5得点を攻撃陣が奪えば、守備陣は第2戦に続き相手の攻撃を完璧にシャットアウトし、5ー0と第2戦に引き続き大勝を収めた。


ゴールを喜ぶ選手たち

 試合後、学年キャプテンの杉本はこの大会を次のように振り返った。「初戦で負けてしまいましたが、その後みんなでミーティングを行い2、3試合目で修正できたのはよかったかなと思います。しかし、この3試合を通じて初戦に勝つことの重要性を改めて理解しました」。本来の強さを発揮すれば十分通用することはこの大会で証明された。この大会を経て早大は日本一という目標に向けてさらなる成長を続けていくだろう。

(記事 山本泰新、写真 早稲田大学男子ラクロス部提供)

結果 ▽第1試合●2―3 東大 (得点者:松尾2) ▽第2試合○4―0 明治学院大・東海大・大東大合同チーム (得点者:長谷川2、山崎、松尾) ▽第3試合○5―0 成蹊大・上智大合同チーム (松尾2、中山、長谷川、山崎)

コメント

小菅英佑コーチ(平16基理卒)

――緊急事態宣言で練習などが制限されたと思います。具体的にはどのようなことに取り組んできたのでしょうか

全体の練習がAチーム、Bチーム、Cチームと分かれていまして、3月中旬まではAチームとB、Cチームメンバーが交わらないようにというコロナ対策の制限がありました。それも学年練習に影響しまして、B、Cチームの新2年生は一緒に練習できるものの、Aチームに所属している新2年生の合流が新人戦前ギリギリになってしまいました。そのようなこともあって、学年練習はすごく限られたものになってしまいました。そういった中でもオンラインを通じてのミーティングであったり、意識の共有であったりを可能な限りやってきました。けれども、そういうものがなかなか結果につながらなかったのかなというのが、試合を終えての感想です。

――昨日の試合を通して見えてきた課題はありますか

選手一人一人がチームに対してどのように貢献していくかということがまだまだ足りないなと感じました。スキルの面ではこのコロナ禍の中でよく成長してくれたなと思っています。けれども、まだチームに対して思っていることを言える人が少ないなと感じていて、そういうことを一人一人が言っていく、そういうことでチーム力を高めていくということがまだまだ足りないなと感じました。

――第1戦の東大戦は2ー3と惜しくも敗れてしまいました。しかし、第2線は4ー0と完勝と言っていい内容であったと思います。そのあたりの修正力もまだまだ改善が必要ということでしょうか

修正すべき細かいところは修正しました。しかし、1試合目に関しては、硬さや大会運営側の過失がありました。具体的には、試合中の時間計測のミスがありまして、全部で3クオーターあり、最後の3クオーターの残り30秒だけ、ラインアウトしたボールは全て時間を止めるというルールがあるのですが、大会運営側がそれを誤って第1クウォーターから適応してしまい、時間のズレが生じ、その時間のズレの間に失点してしまった。そのことをかなり引きずってしまったということが大きくありました。それを取り返せなかったという我々の実力不足はありましたが、運営側もそこは過失を認めているので、そういう運のなさと硬さがあった試合となりました。第2試合、第3試合では本来持っている力を出し切れたのかなという印象があります。

――先ほどおっしゃって頂いたチーム力の向上などの課題の改善に向けてどのようなことが必要となってくると思いますか

私はこの大会でチームを離れてしまうのですが、そのあたりは一人一人の主体性や、チームにどのように貢献していくかを考える力を一人一人が伸ばしていかなくてはならないと考えています。

――逆に昨日の試合で手応えを感じた部分はありますか

持てる力をしっかり発揮できれば、スキル的に十分通用するものがあると思っています。そこは自分たちを過小評価するのではなく、自分たちの努力や今までしてきたものに自信を持って励んでいってもらいたいと思っています。

 

MF杉本衡星学年キャプテン(人2=神奈川・桐光学園)

――昨日の3試合を終えての感想を教えてください

初戦で負けてしまいましたが、その後にみんなでミーティングを行い、2、3試合目に修正できたというのは良かったかなと思います。この3試合を通して自分は初戦を勝つことの重要性を改めて理解しました。

――1戦目から2戦目にかけてどのような修正を行ったのでしょうか

なぜ失点したのか、どこが悪かったのかを試合後みんなでミーティングして、オフェンスとディフェンスに分かれてミーティングをして、そこでお互いに考える反省点を出し合ってそこで2試合目に修正できたのかなと思います。

――去年は新型コロナウイルスの影響でなかなか練習ができなかったと思いますが、その中でどのようなモチベショーンを持って新シーズンを迎えたのでしょうか 

この新人戦は最初で最後になるかもしれないと言われていたので、同期と最後にやれる試合がこの新人戦だけだと思うと自分の中ではモチベーションが上がって試合が近づくにつれてこの短い練習量で大丈夫なのかという不安があったまま、試合に向かいました。最初は楽しみであったのですが、新人戦が近づくにつれて不安が増えたという印象です。

――新2年生の強みを教えてください

去年の練習から1対1の練習をたくさん行ってきたのでオフェンスもデフェンスもそこには強みがあるかなと考えています。

――逆にこの学年の課題などはありますか

初めての公式試合ということもあって緊張などもあったのですが、負けてしまった原因としては点を取られた後の切り替えの速さや負けた後の切り替えの速さなど、精神的な強さがなかったために初戦を落としてしまったので、そこがチーム全体の課題だと考えています。

――今年の抱負を教えてください 

同期たちで負けてしまったので2年後自分たちが4年生になるときに公式戦で勝つための技術の向上や同期たちみんなでAやBに上がって同期たち全員がうまくなることが今年の抱負です。

 

DF日吉壮太(政経2=埼玉・早本本庄)

――1試合目は複数失点をしてしまいましたが、2、3試合目は共に無失点でした。1試合目からデフェンス面で変更はあったのでしょうか

早稲田全体としてオフェンス面でボールを失った際にディフェンス面でボールを取り返すライドというプレーでデフェンス面でしっかりボールを落としてオフェンス面につなげられたというのは大きかったと思います。そのあたりを話し合った結果うまくいった形でした。

――逆に今後課題になってきそうな面はありますか

まだまだ、個人の力や技術が足りないと思っています。個人の力や技術はそれぞれA、B、Cチームで上げていき、フィジカル面も自主トレーニングで改善し、個人の力というものをまだまだ上げていきたいと思っています。

――個人の力を上げるための具体的な方法などは考えていますか

今はフィジカル面で弱さが目立ってしまっているので、現在トレーナーの方々の協力の下で栄養面であったり、ウエートトレーニングでもサポートをいただいているので、次にくる大会や2年後の自分たちの大会に向けて、どのように備えてウエート面でスキルアップなどフィジカル面の向上を目指していきたいです。

 

AT松尾昇太(法2=埼玉・早大本庄)

――昨日の試合は3試合通してかなり好調のように感じましたが、何か好調の要因などはあったのでしょうか

1試合目に関しては硬さというものもあって、良いオフェンスはできなかったかなと思っています。ただ、2、3試合目は緊張もほぐれてきて、自分たちのやりたいオフェンスができたのではないかと思っています。

――2、3試合目にかけてオフェンスで修正したポイントはあったのでしょうか

1試合目に反省として、オフェンスの中心であるATの選手が強くゴールに向かう意識がない、1on1に迎えていないという反省点が出たので、1試合目の後半にかけてから、ATのポジションのいる選手が強くゴールに向かおうとして、その結果いい流れができて2、3試合目につながったのかなと思っています。

――自身がオフェンスの際に気をつけていることはありますか

自分がボールを持っていて強くゴールに向かおうとする意識を持っているときほど、周りが見えていなくて、周りの状況を見ながらゴールに向かうということが大事なので、味方がフリーの時にパスを出せるように広い視野を持つことを気をつけています。

――昨日、自身で1番良かったと思うプレーはどのようなプレーでしたか 

2試合目の明治学院大戦で自分が得点したシーンなのですけど、そのシーンに関しては周りの選手が強くゴールに向かう意識があったおかげで、自分がシュートにつなげやすい状況になっていたので、自分のシュートが良かったというのもあるのですが、チーム全体でとったゴールだったと思っています。

――自分の課題は何だと考えていますか 

昨日の試合に関しては1年生だけで試合をやったというのもあるのですが、先輩方と一緒に練習をしていると自分のオフェンスの理解力がまだまだ足りないなと感じていて、先輩たちはいろいろな経験をしているからこそ、次のプレーの予測だったりそういった能力にたけていると思うのですが、まだ自分はそういった能力が弱いので先輩に聞いたり、動画を見ながらオフェンスの理解力を伸ばしていきたいと思っています。