1Q2Q3Q4Q計早大00022法大03328▽得点者森田、西森 前節に大勝を収め関東学生リーグ戦(リーグ戦)の通算成績を3勝1敗としたRED BATS(早大ラクロス部男子の愛称)はこの日、最終戦に臨んだ。対戦相手はすでにリーグ戦突破を決…

 1Q2Q3Q4Q
早大
法大
▽得点者
森田、西森

 前節に大勝を収め関東学生リーグ戦(リーグ戦)の通算成績を3勝1敗としたRED BATS(早大ラクロス部男子の愛称)はこの日、最終戦に臨んだ。対戦相手はすでにリーグ戦突破を決めており、春の東京六大学交流戦では王者に輝いた法大。引き分け以上でファイナル4進出が確定するという中で迎えた法大との試合は、終始主導権を握られ続け2―8で完敗を喫した。これにより3カ月弱にわたって行われたリーグ戦の敗退が確定。志半ばにして4年生の引退が決まった。

 


自陣からボールを運ぶDF田中進士(商3=神奈川・桐蔭学園)

 両校の選手のみならず、早大とは別ブロックに所属しすでにファイナル4進出を決めている慶大ラクロス部、この日の結果次第で敗退が決まる東大ラクロス部など多くの観客で埋め尽くされた東伏見グラウンド。異様な雰囲気の中で始まった第1Q(クオーター)は序盤から法大が主導権を握る。しかしG日野元太(商3=東京・東京都市大付)が2度の好セーブを見せる活躍もあり無失点でこのQを切り抜けた。このままロースコアで進むと思われた第2Qだったが、開始数分後一気に流れが動く。フェイスオフからボールを保持されると、自陣内でパスを回されてしまう。そしてゴール裏からのパスを受け取った法大の選手が冷静に決め切り、痛恨の先制点を献上。すぐさま追いつきたい早大。しかしここから法大の猛攻が続く。この後さらに2点を奪われ0―3で前半を終えた。

 


ボールを保持するMF森田翔吾(法3=東京・早大学院)

 絶対に点差を詰めなくてはいけないという状況の中で迎えた第3Q。実際に前半に比べ早大もチャンスを多く演出していた。ここで早大の攻撃陣に立ちはだかったのが法大のG矢澤祐人主将(4年)。AT筒井大雅(創理4=埼玉・早大本庄)、MF長谷川靖眞副将(創理4=東京・早大学院)がそれぞれ痛烈なシュートを放つがG矢澤が好セーブを見せる。反対にRED BATSは点が決まらない焦りからかミスや反則を連発。このQも法大から3失点を許し勝利は絶望的な状況となった。そして第4Qも法大のスタンディングシュートによる得点で幕を開ける。点差は7点となった一方で、これまで数々の逆転劇をつくってきたRED BATSに足を止める選手は一人もいなかった。するとゴール裏からのパスを受けフリーになったMF森田翔吾(法3=東京・早大学院)が待望のチーム初得点を挙げる。さらに、この1年間で幾度となく見せてきたMF西森大基(商4=埼玉・早大本庄)のスタンディングシュートが決まり2得点目。最後は失点覚悟で攻め立てたため、追加点を奪われそのまま試合が終了しスコアは2―8に。しかし最終Qで法大に一矢報いるかたちとなった。

 


2点目となるシュートを放つMF西森大基(商4=埼玉・早大本庄)

 


試合が終了しうなだれるRED BATS

 山﨑組の挑戦はこうして幕を閉じた。日本一を目指していた中でリーグ戦敗退。結果としては目標に到底及ばなかったのかもしれない。斎藤組(昨年の早大ラクロス部男子)や平野組(2年前の早大ラクロス部男子)のような圧倒的な個の力を持った4年生はそこまでいなかったのかもしれない。一方で今年の4年生が残していくものは大きいと言える。山﨑組が始動してから1年弱、4年生が見せてきた勝利への執念、不屈の精神、そして泥臭さ。こうした背中は3年生以下のこれからの道標となるに違いない。この日Aチームでともに戦い涙を流した下級生が。Aチームに選ばれなかった悔しさを噛みしめながら声援を送った下級生が。必ずや日本一に輝き、山﨑組の1年越しの『AVENGE』(※)を果たしてくれるだろう。今日の敗北は『常勝早稲田』復活のまだまだ序章にすぎない。

 

※早大ラクロス部男子の今年度のスローガンで直訳は「復讐をする」「仇討ちをする」など。弱い自分に打ち勝つことで今までの先輩や自らの悔しい思いを晴らし、強い早稲田を取り戻すという意味が込められている。

 

(記事 飯田諒 写真 近藤翔太、三浦佑亮、小川ゆりえ 取材 田部井駿平、廣野一眞)

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