1Q2Q3Q4Q計早大11114武蔵大10203▽得点者 山﨑2、森田、鶴見 ついに関東学生リーグ(リーグ戦)が開幕した。初戦の相手は多くの部員が口をそろえて「山場」と答えた武蔵大。最強と謳(うた)われた平野組(2年前の早大ラクロス部男子…

 1Q2Q3Q4Q
早大
武蔵大
▽得点者 山﨑2、森田、鶴見

 ついに関東学生リーグ(リーグ戦)が開幕した。初戦の相手は多くの部員が口をそろえて「山場」と答えた武蔵大。最強と謳(うた)われた平野組(2年前の早大ラクロス部男子)はこの武蔵大に敗れ、リーグ戦敗退が決まった。今年の早大ラクロス部男子のスローガン「AVENGE」を体現する絶好の機会でもあったこの日の試合は、前後半通して一進一退の攻防が続いた。幸先よく先制点を取ったものの、なかなか武蔵大を引き離すことができず、逆に第3Q(クオーター)で逆転されてしまう。しかし、AT山﨑大暉主将 (政経4=神奈川・鎌倉学園)が2点を決め返し、再逆転に成功。4―3で接戦を制し、リーグ戦初戦は白星発進となった。

 


この日もフェイスオフで高い勝率を残したFO高橋一史(法4=東京・早大学院)

 初戦ならではの独特の緊張感で幕を開けた第1Q、均衡を破ったのは早大だった。この日、本来のMFではなくATでのプレーとなったAT森田翔吾(法3=東京・早大学院)がバウンドシュートを決め先制に成功。その後も、早大がボールを保持し続ける。しかし、相手のマンダウン(反則で一定時間、一人少ない状態)を活かしきれず得点には結びつかない。これに勢いづいた武蔵大が反転攻勢。相手の強烈なシュートがバーをたたくも、DF中原健太(商2=東京・早大学院)の激しいチェックなどディフェンス陣の奮闘もあり相手の猛攻をしのぐ。その後も、お互いに攻め合うが第1Q終了間際、痛恨の同点弾を献上してしまった。悪い流れの中で始まった第2Qは、再度の武蔵大のマンダウンでも、決定機を作り出せず。しかし、相手陣内でのライド(相手が自陣内に侵入するのを防ぐ一連の動き)が成功。相手Gが飛び出していたこともあり、MF鶴見雄太(政経3=埼玉・早大本庄)が無人のゴールに流し込み貴重な勝ち越し弾を挙げた。

 

相手の攻撃を3失点で抑えたDF陣

 2―1で迎えた後半。追加点を奪いたい早大だったが、武蔵大の守備をなかなかこじ開けることができない。逆に武蔵大の選手にミドルシュートを決められてしまう。さらに相手チームの巧みなパス回しによって、フリーになった選手に得点を決められ瞬く間に逆転されてしまった。そんな悪い流れを断ち切ったのがAT山﨑だ。ゴール付近の相手DFからのチェックに倒されながらも、シュートを放つ。主将の強みである「泥臭さ」を象徴したシュートはネットを揺らし同点に追いついた。両校の応援もヒートアップし始まった第4Q。先に点を決めたほうが勝利をつかむであろう、そんな思いからか選手たちも最後の力を振り絞る。まさに意地と意地のぶつかり合い、勝利への気持ちをわずかに上回ったのが早大だった。AT森田が相手DFを寄せ付ける中、一瞬でフリーになったAT山﨑がパスを受けると冷静にシュートを放つ。ボールはゴールへと吸い込まれ、見事な逆転弾となった。感情を爆発させ、喜んだRED BATS(早大ラクロス部男子の愛称)だったが試合終了まで残すは7分以上。武蔵大も決死の覚悟で攻め立てる。さらに早大は反則によりマンダウン状態に。しかし、ディフェンス陣が集中力を保ち続け、ゴールは割らせない。最後まで守り切り、4―3で試合終了となった。

 


逆転弾に喜ぶRED BATS

 リーグ戦の開幕戦にふさわしい死闘を制した山﨑組。この日の収穫は何といっても主将の2得点だろう。なかなか、これまでのシーズンで主将として活躍ができていなかった中で大きな2発。チームの雰囲気も上がったに違いない。また、今日はDF陣が大きくメンバーを入れ替えての試合となったものの、ロースコアで強力な武蔵大のオフェンス陣を抑えることができた。日々試行錯誤する中で、進化するRED BATS。日本一のチームになるために、彼らはまだまだ発展途上だ。

(記事 飯田諒 写真 近藤翔太、権藤彩乃)

コメント

AT山﨑大暉主将(政経4=神奈川・鎌倉学園)

――今日の試合振り返っていかがでしたか

 武蔵大は個人の技術もあるいいチームで、オフェンスディフェンスともにいい選手が揃っていました。試合では先制こそしましたが、追いつかれて逆転もされたので非常に厳しい試合だったと思います。

――チームとして初戦の緊張感はありましたか

 個人的には、もっと硬くなる人が多いと予想していました。昨年のリーグ戦でしっかり出ていた選手が少なかったので、初めてのリーグ戦で硬くなる人が多いだろうなと。それでもアップから3、4年生が声を出してしっかりと雰囲気を出して、緊張しないような空間をつくれました。第1Qは多少緊張感がありましたが、思ったよりは硬くなく入れました。

――前半から接戦でしたが、後半に入るときにチームとして変えたところはありましたか

 特に攻め方や守り方を変えることはなかったです。ただ、今までどおりに攻めていけば、チャンスはあるからそこを決め切って、1対1の場面で勝とうと話していました。

――ご自身が決めた2得点はいかがでしたか

 どうでしたかね(笑)。主将として、やっぱりプレーや背中でチームを引っ張らなきゃとは思うので、ボールを貰ったときに自分で決め切る強い気持ちはありました。テクニカルな部分というよりは気持ちで押し切って、どちらも点につながりました。

――最後はチーム一丸で守り切って接戦を制しましたが、どんな勝利でしょうか

 大きいですね。とても大きいです。それこそ最後のワンマンダウン(ファウルでフィールドプレイヤーが1人少なくなる状態)は厳しい展開でしたが、ディフェンス陣が人数少ない中、集中力高く保ってくれました。そこを守り切れたのは大きかったと思います。

――次回の東大戦への意気込みをお願いします

 東大も非常に強いチームなので、難しい試合にはなると思います。自分たちの強みは泥臭さや一球への執着心だと思うので、そこを徹底して、1点差でもいいので勝ち切れるように頑張りたいです。

DF中原健太(商2=東京・早大学院)

――デビュー戦率直にいかがでしたか

 とても緊張しました。ずっとスタメンではなくてここにきて、スタメンになったので試合勘がないなかでの出場でした。ただ、緊張した中でも自分の良さを出すことができて良かったです。

――急にスタメンになったのは、チーム内での序列が上がったということでしょうか

 序列が変わったというよりもチームのディフェンスの方針が変わって、その方針に自分がマッチしたことで試合に出場できるようになったという感じです。

――方針が変わったのは武蔵大戦に合わせて、ということですか

 それもあると思います。

――先ほど、ディフェンスの方針に自分が合ったと話されましたが具体的にどういったところでしょうか

 1対1の強さです。

――これまでディフェンスの主力を張っていた選手が今日は、あまり出ていなかった中でどのような意識を持ってプレーしましたか

 先輩から「自分のやりたいことをやってこい」という言葉をいただいたので、自分の強みである1対1を活かせるようにプレーしました。

――今日のライドは普段よりGが飛び出していたように見受けられましたが、何か戦略や意図はありましたか

 武蔵大に合わせてというのと、自分たちがやりたいプレーをやりました。

――最後に次戦の東大戦に向けて意気込みをお願いします

 東大はすごく強い相手なので、自分がやりたいことチームがやりたいことをしっかりと出せるように頑張りたいです。