元日の能登半島地震で被災したオリックス・バファローズの選手がいる。 石川出身の長身右腕、山崎颯一郎(25)。 地震から1カ月が経った2月1日、チームが春季キャンプを行う宮崎市内で取材に応じ、「あの(強さの)揺れを体験したのは初めてだった」…

 元日の能登半島地震で被災したオリックス・バファローズの選手がいる。

 石川出身の長身右腕、山崎颯一郎(25)。

 地震から1カ月が経った2月1日、チームが春季キャンプを行う宮崎市内で取材に応じ、「あの(強さの)揺れを体験したのは初めてだった」と振り返った。

 本人によると、発生当時は石川県加賀市にある木造2階建ての実家にいた。

 2階で猫の「命(めい)」を触っていると、先に揺れに気づいた命が自分の元から離れていった。

 その後、大きく揺れていることがわかった。

 同市では震度は5強が観測された。

 「ちょっと……。怖かったです」

 「本当に家が壊れるかと思いました」

 1階にいた祖母を含め、家族や親戚、友人は無事で、家の倒壊などの被害はなかった。

 中学3年まで加賀市に住み、高校は福井の敦賀気比に進学。高校3年だった2016年秋のドラフト6位でオリックスに入団し、それ以降は関西に住んでいる。

 昨年5月にも、震度6強の地震が能登半島を襲った。その際、山崎は「あんまり揺れないところなので、石川自体が。そこはちょっと不安ではあります」と話していた。

 実際、自身が強い地震に遭遇したのは、過去には幼少期の1度だけだったという。

 まだ被害に苦しんでいる故郷への思いを抱えながら、キャンプ地の宮崎にやってきた。

 オリックスは2月2日から例年より1日遅く、キャンプがスタートする。

 リーグ4連覇、日本一奪回をめざす新たなシーズンが幕を開ける。

 山崎は「結果を出すこと」と強調した。

 「(被災者を)少しでも元気付けられたらいいなと思っていますし、もっと頑張ろうっていう気持ちはあります」

 けがなく、シーズンを「1軍完走」する。

 そして、リリーフとしてチーム最多53試合を投げた昨季と同水準の50試合は投げたいと誓った。(高橋健人)