4日間にわたって開催された関東学生対校選手権(関カレ)。大会3、4日目には、大量得点が期待された男子200メートルや女子400メートル障害(ヨンパー)などの競技が行われ、期待通りその2種目で早大選手が表彰台に立ち、ダブル入賞も達成した。ま…

 4日間にわたって開催された関東学生対校選手権(関カレ)。大会3、4日目には、大量得点が期待された男子200メートルや女子400メートル障害(ヨンパー)などの競技が行われ、期待通りその2種目で早大選手が表彰台に立ち、ダブル入賞も達成した。また、近年入賞者がいなかった800メートルを含め、早大選手が出場した全種目で決勝に選手が勝ち残るなど、国立競技場のトラックを多くの早大選手が複数回駆け抜けた。

 その一方で、大学ごとの対校点数では、目標の男子トラック優勝には遠く及ばずトラック順位は3位。また、昨年まで2年連続2位で、今年も上位進出が期待された男子4×400メートルリレー(マイル)は7位に終わるなど、次なる対校戦である9月の日本学生対校選手権(全カレ)に向け、課題も見えた。


男子200メートル表彰式で笑顔を見せる西裕大(教3=埼玉・栄東)

(記事 及川知世、写真 戸祭華子)

★西が2着で表彰台!三浦は悔しい結果に(男子200メートル)

 男子200メートルには三浦励央奈主将(スポ4=神奈川・法政二)と澤大地(スポ4=滋賀・草津東)、西裕大(教3=埼玉・栄東)が出場。予選では全員が2着でゴールし、着順で準決勝に進出。準決勝では、三浦と西が着順で危なげなく決勝へと駒を進めたものの、澤は4着で敗退し、またも3枚残しを達成することができなかった。決勝では西が2着、三浦が4着でフィニッシュした。

 準決勝では、同組となった三浦と西。三浦が飛び出し、他選手を引っ張る形でレースが展開された。三浦の背中を追うように西も加速し、1着3着で両人とも決勝の舞台に。決勝でも同様に三浦が先行していたが、中盤以降で失速し、まさかの4位。一方の西は、後半に脅威の追い上げを見せて、20秒82を記録し、2位で大会最終日をまとめあげた。「決勝ではリミッターを外して、後半で逆転できるように」(西)というレースプランが思い通りにいった形だ。レース後に三浦は倒れこみ、悔しさをにじませた。

 悔しい結果に終わった三浦だったが、来月には日本選手権を控えており、今回の経験を糧にそこでの活躍に期待がかかる。決勝で成長を見せた西は表彰台で笑顔をはじかせ、喜びをかみしめた。それぞれ対照的な結果に終わった関カレ最終日だったが、二人にとって次へと進む一歩になったことは間違いない。彼らは今後更なる結果を残し、また全カレでは今回達成できなかった3枚残しも達成してくれるはずだ。


200メートル決勝のレースでカーブを抜ける西

(記事 湯口賢人、写真 松平将太朗)

★鷺が表彰台には届かずも2種目で入賞!(女子100、200メートル)

 女子100メートルと200メートルには、鷺麻耶子(スポ2=東京・八王子東)と山越理子(人1=東京・富士)の2人が出場。鷺は200メートルで自己ベストを更新し、2種目とも入賞。一方の山越は粘りを見せたが、両種目とも惜しくも予選敗退に終わった。

  初日、2日目にわたって開催された100メートル。鷺は予選、準決勝ともに11秒台をマークし、着順で突破。2年連続となる決勝進出を決めた。決勝でも11秒88をマークしたが、表彰台には100分の1秒届かず4位でフィニッシュ。「昨年の3位よりも上の順位を狙っていた」ため、「タイムも順位も納得のいかないかたちになってしまった」とレース後は悔しさをにじませた。一方のルーキー山越は12秒27で予選敗退となった。

 100メートル決勝の翌日から行われた200メートル。鷺は、「予選と準決勝は着順で抜けることをテーマにしていた」と予選から安定した走りを披露。続く準決勝も、予選からタイムを着実に伸ばして決勝進出を決めた。決勝では、先日行われた日本学生個人選手権でマークした自己ベストをさらに更新する24秒45をマーク。100メートルに続いて200メートルも100分の1秒差で表彰台を逃したものの、「ベストが出たのは実力相応の結果」と納得の表情を浮かべた。

 鷺は今シーズンに入ってから200メートルで度々自己記録を更新。また、100メートルでも今大会では予選から決勝まで11秒台を3本そろえ、「自分のタイムのアベレージが11秒台になることは去年に比べたら成長している」と手応えをつかんでいる。今後に向けては、「日本選手権での100メートル決勝進出」、「日本学生対校選手権で昨年より良い結果を残すこと」の2つを目標に掲げた。躍進が続く鷺の走りに今後も注目だ。


女子100メートル決勝でゴールする鷺

(記事 加藤志保、写真 及川知世)

★早大中距離に新時代か 男女ともに入賞(男女800メートル)

 2019年以降、選手が少なく、対校戦での上位入賞からも遠ざかっていた早大の中距離ブロック。今年は筒井航佑(スポ2=愛知・時習館)が4月の東京六大学対校で参加標準記録を突破しエントリー。女子は昨年のインターハイ女子800メートル4位のルーキー新田望(スポ1=神奈川・法政二)と最後の関カレとなる髙田真菜(商4=東京・早実)が出場。髙田は残念ながら予選敗退となったが、筒井と新田は決勝に駒を進め、この種目早大勢3年ぶりの入賞者となった。

  今季自己記録を更新し続けている筒井。その勢いは関カレでも途絶えなかった。「タイムはそこまでは意識していなかった」というものの、予選では最後周りを確認する余裕も残しながら自己記録を更新。着順での予選通過を決めた。さらに、同じ日の夕方に行われた準決勝では、ハイペースなレースに食らいつき4着。決勝進出条件の上位3着に入ることはできなかったが、自己記録をさらに更新する1分50秒39をマークし、タイムで決勝進出を決めた。

 そして迎えた勝負の決勝。筒井は序盤、集団前方で積極的なレースを見せる。しかし、「最後勝負する余裕を残そうというところに集中しすぎてしまい、ペースが上がった時に対応できなかった」と、ラスト1周で集団最後尾に後退。ホームストレートに戻り、外側から懸命に前を追ったが、グランプリや日本選手権で活躍する選手が複数揃った上位陣の背中は遠い。「学生のトップレベルの人との差をすごく感じた」と8着でのフィニッシュ。それでも、3月から自己記録を3秒以上更新し、一躍対校戦の主力メンバーとなった筒井を仲間は称賛。スタンドのチームメイトからは大きな拍手が送られた。


決勝のレースを走る筒井

 女子800メートルの新田は予選から落ち着いたレースを見せる。「ラストスパートで必ず3着以内に入る」というプランのもと、予選、準決勝ともに1周目は集団中盤に位置し、最後のホームストレートで外側から追い上げるという得意のパターンで、着順で決勝まで駒を進めた。

 決勝のレースは、序盤は集団後方でレースを進める。ラスト1周、レースがバックストレートからカーブに差し掛かるタイミングで集団の中でのポジションを上げ、残り200メートル地点で5番手の位置につく。ホームストレートで追い上げ、一時は3番手辺りまで追い上げるも、「最後の100メートルで自分の力不足を実感するレースとなった」と最後は前を行く選手に離され5位でゴール。それでも、2分09秒61のタイムは早大歴代3位。「今の自分の力を最大限に発揮することができた」と堂々の対校戦デビューを飾った。


決勝のレースを走る新田

 ともに対校得点を獲得し、チームに大きく貢献した両者だが、レース内容、レース後の言葉からは更なる成長の可能性を感じさせた。初の関カレで決勝に残り、闘った経験は、両者をさらに強くする。

(記事 及川知世、写真 川上璃々、湯口賢人)

★早大3枚残しならず(男子400メートル障害)

 3、4日目の注目競技の一つとなったのが男子400メートル障害。昨年の日本学生対校で3人が決勝に残ったこの種目に代表として選ばれたのは、後藤颯汰(スポ4=長崎・五島)、田中天智龍(スポ3=鹿児島南)、金本昌樹(スポ2=東京・日大桜丘)。後藤が51秒05のセカンドベストタイムで7位入賞を果たした。

  予選に最初に登場したのは本大会がエンジデビューの金本。52秒16のタイムで自己ベストを更新。決勝進出とはならなかったものの、好調な様子をうかがわせるレースを見せた。続く田中、後藤は両者ともにテンポの良いスピードある前半の走りが目立った。田中は後半粘るも前との距離が縮まらず、52秒26という結果で惜しくも予選敗退。後藤はタイムで何とか決勝進出を決め、最上学年としての意地を見せた。

 翌日行われた決勝。今季初の決勝レースとなった後藤は予選よりも緊張感のある面持ちでスタート入り。レース前半から黒川(法大)、出口(順大)のスピードについていくことができず後れを取る。しかし、自分のリズムを乱さない安定感のある走りで最終コーナーを抜けた。後半は力強い走りを見せたが先頭には追いつけず、最後の関カレを7位で終えた。

 ブロック長後藤が目標としていた「3枚残し」とはならなかったが、各々が課題、収穫を得た大会になったことだろう。今季いまだに目立った結果を残し切れていないヨンパー勢だが、まだシーズンは前半だ。次回さらにレベルアップした選手たちの活躍に期待したい。


400メートル障害決勝のレースで10台目のハードルを越える後藤

(記事 川上璃々、写真 戸祭華子)

★津川が3位で表彰台に、連覇記録はついに止まる(女子400メートル障害)

 今大会勝てば早大6連覇となる女子400メートル障害。津川瑠衣(スポ3=東京・八王子)は3位、川村優佳(スポ3=東京・日大桜丘)も5位で入賞を果たしたものの、優勝には届かず。連覇にはストップがかかり、悔しさが残る結果となった。また大川寿美香(スポ1=東京・三田国際)は、レースの流れに乗り切れず予選敗退となった。

 危なげなく予選を突破した津川と川村。決勝でも序盤は安定感のある走りを見せたものの、2人そろって後半のペースアップに苦戦を強いられる。津川は前半粘り強い走りを見せたが、「最後まで体力がもたなかった」と首位に迫ることはできず、3着でゴールイン。一方川村も、後半の伸びを欠き失速してしまったがゆえに、先頭争いを展開できず、表彰台を逃す結果に。レース後の表情には悔しさが滲み出ていた。

 貴重な得点をチームに持って帰ったものの、それぞれ納得のいくレース運びを実現できなかった今大会。鍛錬を積み、各々のポテンシャルを再び活かすことができるのか。早稲田のお家芸としてやはり譲ることのできない表彰台中央。その地位の奪還を目指す彼女たちの逆襲から目が離せない。


女子400メートル障害表彰式でメダルを掲げる津川(写真右)

(記事 坂田真彩、写真 湯口賢人)

★男子マイル、悔しい7位に(男子4×400メートルリレー)

 前回は東京五輪代表の山内大夢(令4スポ卒=現東邦銀行)を擁しながらも2位に終わった早大。東洋大へのリベンジを誓い、「挑戦と優勝を目標にして(新上)」臨んだ。しかし決勝では精彩を欠き悔しい7位に終わった。

 2日目に行われた4継を走る仲間の活躍から刺激を受けて臨んだ予選のオーダーは、1走から眞々田洸大(スポ2=千葉・成田)、竹内彰基(スポ3=愛知・瑞陵)、藤好駿太(スポ3=福岡・修猷館)、新上健太(人3=東京・早実)。4走の新上がゴール前で筑波大、中大との競り合いを見せるも組1着とはならず。悔しさを残しながらも、3着で決勝へ駒を進めた。

 予選と同じオーダーで挑んだ決勝は、予選からスピードを上げることをテーマとして臨んだ。1走眞々田が好位置でバトンをつなぐも、2走竹内で一時8位まで後退、その後も追い上げを見せたが順位を大きく上げるには至らず。「後手後手の展開になってしまい、自分達のレースをすることができなかった(新上)」早大は、最後ホームストレートで熾烈(しれつ)な競り合いを見せるも7着でのゴールとなった。

 4連覇した東洋大学や、走者全員が個人種目で入賞を果たしている法大といった上位校との個人の差が浮き彫りとなった今大会。新上は、「今の短長メンバーの弱さを、順位とタイムの両方から痛感した」という。しかし今回メンバーに入っていた澤大地(スポ4=滋賀・草津東)や西裕大(教3=埼玉・栄東)をはじめ、実力が拮抗しており、「エントリーの段階でマイルに向けた自覚が芽生え、昨年よりチーム意識が強まっている(新上)」今年のマイルチーム。今回の悔しさをバネに全カレでのリベンジに期待だ。


ゴール後悔しさをにじませるマイルメンバー

(記事 戸祭華子、写真 及川知世)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

3日目 ▽男子1部

▽200メートル

予選

(5組2着+6)

澤大地(スポ4=滋賀・草津東) 21秒26 (+0・2)(1組2着)準決勝進出

西裕大(教3=埼玉・栄東) 21秒10(ー0・3)(3組2着)準決勝進出

三浦励央奈(スポ4=神奈川・法政二) 21秒09(ー0・2)(4組2着)準決勝進出

▽800メートル

予選

(4組3着+4)

筒井航佑(スポ2=愛知・時習館) 1分50秒61 (4組2着)自己新 準決勝進出

準決勝

(2組3着+2)

筒井 1分50秒39 (1組4着)自己新 決勝進出

▽400メートル障害

予選

(3組2着+2)

金本昌樹(スポ2=東京・日大桜丘) 52秒16(1組4着)自己新

田中天智龍(スポ3=鹿児島南) 52秒26(4組3着)

後藤颯汰(スポ4=長崎・五島) 51秒13(2組3着)決勝進出

▽3000メートル障害

予選

(2組5着+2)

菖蒲敦司(スポ3=山口・西京) 8分59秒30 (1組1着)決勝進出

北村光(スポ3=群馬・樹徳) 8分55秒44(2組6着)決勝進出

 

▽棒高跳

決勝

平川巧(スポ4=静岡・磐田南) 4メートル90 (10位)

▽4×400メートルリレー

予選

(2組3着+2)

早大(眞々田ー竹内ー藤好ー新上) 3分07秒 96(2組3着)決勝進出

  ▽女子1部

▽200メートル

予選

(4組3着+4)

鷺麻耶子(スポ2=東京・八王子東) 24秒74 (+0・9)(1組3着)準決勝進出

山越理子(人1=東京・富士) 25秒16(ー0・4)(4組5着)

 

▽800メートル

予選

(4組3着+4)

新田望(スポ1=神奈川・法政二)  2分12秒54 (1組2着)準決勝進出

髙田真菜(商4=東京・早実) 2分16秒47(4組7着)

準決勝

(2組3着+2)

新田 2分09秒60 (2組3着)決勝進出

▽400メートル障害

予選

(3組2着+2)

川村優佳(スポ3=東京・日大桜丘) 59秒45 (1組1着)決勝進出

津川瑠衣(スポ3=東京・八王子) 60秒97(2組2着)決勝進出

大川寿美香(スポ1=東京・三田国際) 64秒72(3組7着)

 

▽4×400メートルリレー

予選

(3組2着+2)

早大  棄権

 

4日目 ▽男子1部

▽200メートル

準決勝

(2組3着+2)

澤 21秒27 (+0・6)(1組4着)

三浦 20秒77(+0・8)(2組1着)決勝進出

西 20秒90(+0・8)(2組3着)決勝進出

決勝

西 20秒82(ー0・7)(2着)

三浦 21秒08(ー0・7)(4着)

▽400メートル障害

決勝

後藤 51秒05(7着)

 

▽800メートル

決勝

筒井 1分51秒43 (8着)

 

▽3000メートル障害

決勝

菖蒲 8分52秒38 (1着)

北村 8分57秒06(6着)

▽5000メートル

決勝

石塚 13分57秒09 (12着)

伊藤 14分00秒87 (16着)

山口 14分14秒06 (20着)

 

▽ハーフマラソン

決勝

安田博登(スポ4=千葉・市船橋) 1時間4分36秒 (15着)

菅野雄太(教2=埼玉・西武文理) 1時間4分54秒(19着)

鈴木創士(スポ4=静岡・浜松日体) 途中棄権

▽4×400メートルリレー

決勝

早大(眞々田ー竹内ー藤好ー新上) 3分07秒27 (7着)

▼総合得点

早大 60点 (7位)

▼トラック競技得点

早大 60点 (3位)

▽女子1部

▽200メートル

準決勝

(2組3着+2)

鷺 24秒59 (+0・6)(1組2着)決勝進出

決勝

鷺 24秒45 (ー0・3)(4着)自己新

 

▽800メートル

決勝

新田 2分09秒61 (5着)

▽400メートル障害

決勝

津川 58秒56(3着)

川村 59秒20 (5着)

▼総合得点

早大 26点 (7位)

▼トラック競技得点

早大 26点 (6位)

コメント

▽男子200メートル

西裕大(教3=埼玉・栄東)

――コンディションはいかがでしたか

ハムが少し痛くて、その痛みをどういかに抑えて戦うかというのを考えていました。決勝まではそこを悪化させずに行って、決勝では気にせずに戦うという感じでした。

――ハムは大会前から痛かったのですか

そうですね、大会前から少し痛くて、大会を重ねるごとに少し悪化していってしまっていました。なので今回はギリギリの状態で戦っていました。

――予選、準決勝から決勝のあいだに修正したことはありますか

予選ではハムの痛みもあって自分で無意識にセーブしてしまって前半から行けていなくて、三浦さんを始めとする他の速い選手に差をつけられてしまいました。決勝では、前半からリミッターを外して勝負して、自分の持ち味である後半で逆転できるくらいの差で行くことを意識していました。

――決勝のレース前に指導陣からの指示はありましたか

監督(大前祐介監督、平17人卒=東京・本郷)とか岳さん(欠畑岳短距離コーチ、平27スポ卒=岩手・盛岡第一)からは、「前半に置いていかれているので、しっかり前半からギアを出して勝負していこう」という事を言われました。

――4×100メートルリレー決勝で、バトンパスが少しもたついてしまったことについて

(スタートで)自分が早出してしまいました。自分が練習から早出してしまいがちで、そこを本番でも修正できなかったので、リレーの2位に関しては僕のせいで負けました。

――国立競技場での関カレはいかがでしたか

本当に楽しかったです。国立は走りやすいですし、聖地じゃないですか、なのでまた来年もここでやってくれたらなと思います。

――学生個人や静岡国際でずっと仰っていた三浦選手に勝つということを見事達成されました

(三浦さんは個人2種目出場したこともあって)まだ手負いなんでね(笑)。それこそ日本選手権ではフラットの戦いになると思っています。三浦さんは100メートルにも出るかもしれないですけど、今回みたいに疲弊した三浦さんじゃなくて、(勝つ確率と負ける確率が)本当にフィフティーフィフティーの勝負となったときに、勝てればと思います。三浦さんだけではなくて、静岡国際で負けた他の選手もたくさんいますが、日本選手権では決勝に残れるように頑張ります。

▽女子200メートル

鷺麻耶子(スポ2=東京・八王子東)

――100メートルではどのような目標を立てていましたか

関カレは去年3位だったので、今年はそれよりも上の順位を狙っていました。

――コンディションはいかがでしたか

東京選手権の前後の連戦の疲労が抜けなくて、なかなか思うような練習ができないことが続いていて、何とか間に合わせた試合という感じでした。

――100メートルは予選から11秒台を出されていましたが、感覚としてはいかがでしたか

本当は自己ベストを出したかったので、自分のタイムのアベレージが11秒台になることは去年と比べたらまだ成長しているのかなと思ったのですが、上の方で戦えるタイムではなかったので、そこは反省です。あまりうれしくないかなと思います。

――100メートルの決勝のレースを振り返って

決勝は、自分より速い選手と走った時に、落ち着いて自分の走りができないのは誰でもそうだと思うのですが、それが決勝でも出てしまって、タイムも順位も納得のいかないかたちになってしまいました。

――次に200メートルについてお聞きします。予選の走りの感覚はいかがでしたか

予選は、着(順)で確実に抜けるということをコーチと話していたので、そこができたのは良かったです。

――決勝で意識した選手は

青野さん(山学大)と宮武さん(日体大)は速いのでそこは意識はしていたのですが、自分のレースができれば上位に入れいるかなと思っていたので、あまり意識はしていないです。

――決勝のレースを振り返って

予選と準決勝は着で抜けることをテーマにしていたので、最後の方は流していたのですが、決勝で最後になって追いつかれて競るというかたちになった時に、距離を踏む練習をしてきていなかったことで最後の30メートルぐらいが全然動けなくて、トルソー勝負みたいになってしまったので、ただベストが出たので、そこは実力相応な結果なのかなと思います。

――国立競技場の舞台で関カレはいかがでしたか

国立で走るのは3回目だったのですが、有観客で応援もたくさん、部活の方、学校の人が来てくれていて、すごくテンションは上がりました。

――最後に今後の目標をお願いします

日本選手権100メートルは決勝進出、全カレでは去年よりも良い結果でチームに貢献できるようにしたいです。

▽男子800メートル

筒井航佑(スポ2=愛知・時習館)

――大会を振り返っていかがですか

素直にうれしいと言う気持ちがあります。もともと決勝に行くことは意識していて、そこで勝負するということを考えていたのですが、やはり気持ちが決勝に、決勝にと前に出過ぎてしまうと、予選や準決勝で落ちてしまうということもあると思っていたので、予選と準決勝はしっかり1本1本に集中して走ろうと思っていました。準決勝はプラス(での決勝進出)というかたちにはなってしまったのですが、しっかり決勝まで駒を進めることができたのは素直にうれしかったという反面、やはり決勝で学生のトップレベルの人との差をすごく感じた部分があったので、久しぶりにラウンドを踏んだというのもあるのですが、またこれから作り直して行って、全カレでもう一回決勝で勝負できるように、という風に感じました。

――大会が始まる前に掲げていた目標は、決勝進出ということになりますか

ただ決勝に進出するだけでは終わらずに、そこで勝負、ということを意識していました。

――調子は良かったですか

コンディション自体は、自分でもあまり良くわかってなかったのですが、冬季練習を終えて、春先シーズンインしてから、結構記録は顕著に出ていて、調子が良いというよりは、地力が上がったという自覚はあったので、そこで自信はありました。

――予選、準決勝と自己記録を更新するかたちになりましたが、それぞれタイムとしてはどう捉えていますか

結果としてタイムが付いてきた、というのが正直な印象です。やはり予選、準決勝しっかり着順で勝ち切って決勝に駒を進める、ということを意識していたので、タイムはそこまでは意識していなかったのですが、結果としてタイムが出たのは良かったかなと思っています。

――決勝まで3本走ることを頭に入れた上での予選、準決勝のレース、という感じですか

そうですね。決勝を意識しつつ、1本1本しっかり走ることは意識していました。

――レースとレースの間の切り替えで意識したことはありますか

予選は最後流せる余裕があったので、しっかりその時点で準決勝に気持ちをしっかりシフトして、間も休養を取りつつ、準決勝への意識はできていました。準決勝は、出し切るようなかたちにはなってしまったのですが、決勝に進んだという上で、とにかく疲労を抜こうということを1日の間は考えて過ごしていました。

――決勝は戦えなかった、というお話がありましたが決勝のレースを振り返るといかがですか

思っていたよりも前半が速かった、というのが正直な印象でした。1周目の通過は結構リラックスして行けていて、自分も最後勝負しようという意識はあったので、常にリラックス、リラックスというのは心がけていたのですが、500メートルの通過あたりから体が固まってしまって、気持ちという部分でも、最後勝負する余裕を残そうというところに集中しすぎてしまい、ペースが上がった時に、そこで対応できず、気持ちの部分でも付いて行けなかったというのが大きい敗因としてはあったなと感じています。やはりそこでキツイなりにも付いて行けていたら、ラストのところでもう一つ違った収穫があったのかなと思います。

――タイムはまだ出そうな感覚はありますか

予選は着順というのを意識していたのでいつでも勝負できる状態でラストの直線に入ったのですが、思っていたよりも周りが離れていて、スクリーンを見ながら最後は流して、という感覚での1分51秒60だったので、礒先生(礒繁雄総監督、昭58教卒=栃木・大田原)や大前監督(大前祐介監督、平17人卒=東京・本郷)からも言われていたのですが、(1分)49秒台というのは見えている感じです。そこに満足せずに、今の実力的にはやはり48秒台を目指していくべきなのかなと思っています。

――今後への意気込みをお聞かせください

僕が次控えている大きな大会が、間は空いてしまうのですが、全日本インカレ(日本学生対校選手権)になると思うので、しっかりスピードや持久力、全てにおいて一からもう一度ベースアップして、全カレでは関東インカレでできなかった決勝で勝負というところを、レベルは少し高くなるとは思うのですが、それでもしっかり勝負できるように頑張っていきたいです。

▽女子800メートル

新田望(スポ1=神奈川・法政二)

――初の対校戦でしたが感想を教えてください

憧れであった臙脂のユニフォームを着て、国立競技場に立ち、スタンドにいるたくさんの観客を見た時には今までにない高揚感を感じました。競走部のみなさんがスタンドから大きな拍手を送ってくださり、それが何よりうれしく、とても力になりました。

――今大会の目標を教えてください

決勝進出、自己ベストの更新です。

――予選、準決勝ともホームストレートで加速して前の選手を抜きましたが、レースプラン通りだったのでしょうか。またそれは得意のパターンですか

400メートルも専門種目としてやっていたので、スピードには自信がありました。そのため、予選、準決ともにラストスパートで必ず3着以内に入るレースプランを想定していました。高校時代も自分のスピードを活かすために、ラストスパートで勝ち抜くレースが多かったように思います。

――決勝のレースを振り返るといかがですか

前半やや速いペースで入りラスト勝負という予想通りのレース展開ではありましたが、最後の100メートルで自分の力不足を実感するレースとなりました。他選手の力強いスパートを自分も真似できるよう、持久力、スピードともに鍛えていきたいです。

――5位という結果に対して率直な感想をお聞かせください

表彰台に立ちたかったという悔しい気持ちもありますが、今の自分の力を最大限に発揮することができたと思います。

――U20の日本選手権は800メートルに出場するかたちになりますか。意気込みをお聞かせください

U20日本選手権は400メートル、800メートルの2種目にエントリーする予定です。U20の大会は今年で最後となるので、優勝を目標に頑張ります!

▽女子400メートル障害

津川瑠衣(スポ3=東京・八王子)

――今大会の目標を教えてください

優勝を狙っていました。

――イメージ通りの走りはできましたか

最後の9台目までは順調にだったのですが、ラスト1台で体力がもたなかったのが悔しいです。

――レースを予選、決勝と振り返ってみていかがですか

予選はあまり足が合わなかったのですが、自分の調子が良いことはわかっていたので、調子が良い上での調整が決勝ではしっかりできていたのかなと思います。

――昨年は400メートル障害のレースにあまり出場していなかったと思いますが、今年に入ってから今日までどのように調子を上げていきましたか

まだケガが完治はしていないので、徐々にできるものから行って、この大会には合わせてきました。

――連覇が止まってしまいましたがこの結果はどのように捉えていますか

先輩方に申し訳ないという気持ちでいっぱいです。

――連覇のプレッシャーはあったのですか

あまりプレッシャーというものはなかったです。自分の走りができた上で優勝がついてくればいいなと思っていたのですが、それができなくてとても悔しいです。

――次のレースへの意気込みをお願いします

3週間後に日本選手権が控えているので、そこでしっかり決勝に残って、表彰台に上れるように頑張りたいです。

▽男子4×400メートルリレー

新上健太(人3=東京・早実)

――チームとしての目標は何でしたか

前回大会では東洋大学に負けて2番だったこともあり、優勝を目標に取り組んできました。また、競走部として目標としていたトラック優勝を勝ち取るには優勝以外有り得ない状況だったこともあり、挑戦、そして優勝を目標にしてレースに臨みました。

――400メートル陣は個人種目では全員準決勝までで敗退でしたが、マイルまでにどう切り替えましたか、また何か皆さんで話したことはありますか

400メートルの決勝が行われる予定だった2日目が丸々空いたため、1日半かけてマイルに向けて準備しました。特に4×100メートルリレーの決勝を応援して、チームの活躍に刺激を受けました。マイルに向けて改めて言葉を交わすことはありませんでしたが、3人で早稲田のリレーを見たことで、予選に向けて覚悟が決まったように感じます。

――予選のレースはどう捉えていますか、そこから見つけた修正点はありますか

400メートルで準決勝に複数人送り込んでいる筑波大学、中央大学、駿河台大学との戦いになることは想定できていました。組1着を目標としていたため悔しい結果にはなりましたが、着順で決勝に進むという最低限の目標は達成できたと思います。また、私を含め個人に出場した3人は悪いイメージを少し払拭することができました。決勝が高速レースになることが予想されたため、予選からもう1段階スピードを上げられるかが決勝に向けた課題となりました。

――結果を振り返って率直にいかがですか

悔しいです。後手後手の展開になってしまい、自分たちのレースをすることができませんでした。今の短長メンバーの弱さを、順位とタイムの両方から痛感しました。

――今年のマイルチームの雰囲気や良いところを教えてください

絶対的なエースがいた1、2年生の時のチームとは違い、試合の直前まで誰が走るかわからないという緊張感があります。今大会は400メートル選手のみで挑みましたが、短短のメンバーも出走する可能性があるため、チーム全員で枠を取り合っているような状況です。明確な基準をもって選考されてマイルメンバーにエントリーされます。エントリーの段階でマイルに向けた自覚が芽生えますし、昨年よりチーム意識が強まっているように感じます。

――今大会で得た反省点や収穫を教えてください

今大会では短長メンバーの弱さが浮き彫りになりました。マイルで勝つためには、400選手が強くなることが絶対条件です。まず、個人で勝ち上がる力をつけること。そして、ハイスピードなレースに対応する走力をつけることが必要だと身をもって感じました。簡単なことではありませんが、全カレに向けてこの悔しさを忘れずに、全員で頑張っていきます。