3日間に渡って開催されている日本学生個人選手権。2日目は、朝は前日の冷え込みも残るも、午後からは晴天に。強い日差しの中、400メートル障害や、100メートルなどの種目に早大勢が出場。男子400メートルでは、前日の準決勝をタイムで通過した新…

 3日間に渡って開催されている日本学生個人選手権。2日目は、朝は前日の冷え込みも残るも、午後からは晴天に。強い日差しの中、400メートル障害や、100メートルなどの種目に早大勢が出場。男子400メートルでは、前日の準決勝をタイムで通過した新上健太(人3=東京・早実)が決勝で7位。男子100メートルでは、稲毛碧(スポ3=新潟・東京学館新潟)が準決勝で10秒32の自己ベストをマークし、決勝でも2位に入る活躍を見せた。


表彰式で笑顔を見せる稲毛

(記事 及川知世、写真 堀内まさみ)

★稲毛が2位表彰台!(男子100メートル)

 主将の三浦励央奈(スポ4=神奈川・法政二)らが棄権し、稲毛碧(スポ3=新潟・東京学館新潟)1人のみが出場した男子100メートル。稲毛は準決勝で自己記録、そして早大歴代10位となる10秒32をマークし、決勝へ。決勝でも10秒37のセカンドベストをマークし、3着に入った。

  1組目で追風参考ながら7人が10秒3台まででゴールするなど、ハイレベルな争いとなった準決勝。予選を危なげなく通過した稲毛は最終3組目に登場した。スタートでやや他の選手で遅れを取るも、後半に伸びを見せ、最後は横を向いて着順を確認するようにしながらフィニッシュ。余力も感じさせるレースながらタイムは10秒32。自己ベスト、そしてユニバの派遣標準を突破する記録で、決勝進出を決めた。

 迎えた決勝は一番外側の8レーン。準決勝同様スタート直後は他の選手に先行を許すも、中盤まで食らいつく。最後は追い上げて、4位の選手と100分の1秒差の3位に食い込んだ。  ゴール後は祈るような姿で表示板に結果が表示されるのを待った稲毛。2着に入った実業団選手が個人選手権表彰対象外だったため、選手権の順位としては2位。表彰台では笑顔が弾けた。


決勝を走る稲毛

(記事 及川知世、写真 湯口賢人)

★新上、見事7位入賞!(男子400メートル)

 男子400メートルには、早大から村木渉真(スポM2=愛知・千種)、新上健太(人3=東京・早実)、藤好駿太(スポ3=福岡・修猷館)、眞々田洸大(スポ2=千葉・成田)が出場。藤好、眞々田は予選敗退となったが、村木は準決勝進出。そして新上は決勝に進出し見事7位入賞を果たした。

 まず新上は15日に行われた予選2組に登場。「最初の100でしっかりスピードに乗せて、バックストレートである程度休み、後半にしっかり切り替える」という大前祐介監督(平17人卒=東京・本郷)の指示どおり走り、着順で準決勝に進出した。続く準決勝では、見事にシーズンベストを更新。タイム順により、16日に行われる決勝に進出した。そして16日に迎えた決勝では、「疲労もあり、正直万全の状態ではなかった」としながらも後半に粘りをみせ、最後は47秒76の7位でゴールした。

 新上は今回、「全カレ(日本学生対校選手権)を思わせるような」メンバーの中で決勝を戦った。この経験は、彼にとって関東学生対校選手権に向けての大きな経験になったに違いない。


ゴールする新上

(記事 戸祭華子、写真 及川知世)

★早大選手、決勝進めず(男子400メートル障害)

 男子400メートル障害には後藤颯汰(スポ4=長崎・五島)、新井公貴(スポ3=神奈川・逗子開成)、田中天智龍(スポ3=鹿児島南)が出場した。予選は新井、田中が突破し、準決勝に駒を進めたが、後藤は予選敗退に終わった。

 先に準決勝の舞台に立ったのは新井。他の選手を追う形でレースが始まったが、後半になるにつれ、徐々にスピードを上げる。10台目のハードルを飛び終えた後も、足を緩めることなく、最終的に5位でゴール。決勝に進むことはできなかったが、後半の力強さが印象に残るレースだった。  田中は序盤よりスピード感を持ってレースを展開した。しかし、7台目付近で速度が落ち、順位を落としてしまう。6位でフィニッシュし、準決勝敗退。東京六大学対校で好成績を残していただけに、悔しさの残る結果になった。

 昨年は決勝に2人を送り込んだ早大だったが、今年は全員が予選、準決勝で姿を消した。これから控える関東学生対校選手権や日本学生対校選手権に向けて、更なるパワーアップが求められてくる。


準決勝のレースを終え悔しそうな表情を浮かべる田中

(記事 湯口賢人、写真 及川知世)

コメント

稲毛碧(スポ3=新潟・東京学館新潟)

――3着2位という結果に対する率直な感想をお願いします

学生個人が始まる前までは決勝に残れれば良いやという気持ちでやっていたので、うれしい反面、もうちょっと勝負できたかなと。1着、2着の選手ともっと競れたという悔しさが7割くらいです。

――調子はいかかでしたか

いつも通りかなと。良くも悪くもいつも通りみたいな感じだったので、特段ここが良い悪いはあまりありませんでした。いつも通りの動きをすれば結果もついてくると思っていたので、そこまで気にしていませんでした。

――気候などのコンディションはいかがでしたか

朝起きて、外に出ると肌寒くて、冬季にハム(ハムストリング)に違和感を持っていたので、そこだけ気をつけていました。風はバックもホームも良く、追い風が吹いていたので、ある程度の記録はしっかり狙って、順調に自己ベストを更新して流れを作って、決勝をイメージしていました。コンディションも含めて自分なりに良い走りができたのかなと思います。

――記録が出そうだなという感じはありましたか

練習では良い感じで走れていました。先週の六大学(東京六大学対校)がそこまでで、色々修正点を見つけて臨んだので、出そうだなとは思っていました。六大学でも負けて悔しかったですが、ずっとハムに違和感がある中での(シーズン)初戦でした。(今回のレースでは)そんなにネガティブに捉えていなかったことは良かった点かなと思います。

――自己ベストを更新した準決勝のレースを振り返るといかがですか

自分が想定していたレースプランではありませんでした。最初飛び出すかなと思ってはいましたが、意外と前に出られていたので、その中で焦らず、普通に走って、自分のできる最大限の走りをしたので、準決勝全体を見てみると良いレースではなかったかなと思います。ですが走りというベースの部分ができていると実感できたので、そこは良かったと思います。練習の時にもスタートばかり意識していて、自分の持ち味を忘れている時があったので、準決勝で持ち味を再認識できたので、良い走りではなかったですが、今後につながるようなレースができたと思います。

――準決勝から決勝へ気持ちやコンディションをどのように持っていきましたか

体もきつかったですが、正直やるしかないと。僕はユニバを意識していたわけではないので、自分の動きをすれば問題ないかなと思っていました。準決勝のスタートで出遅れたので、三浦さん(三浦励央奈主将、スポ4=神奈川・法政二)と連絡を密にとり、スタートする瞬間に出る意識が強かったので、うまく修正しました。決勝ではタイムは落ちましたが、そこは修正できたので、大きな収穫だったかなと。

――決勝のレース振り返るといかがですか

自分が思っている以上に飛び出せて良かったのですが、その後の展開では準決勝の方が良い部分がありました。自分の反省点というか、これからにつながるかなと思います。なんとか3着以上、とは思っていたので、とりあえず良かったです。

――昨日のどのレースも後半伸びる印象でしたが後半が強みですか

後半が強いらしいのですが、自分ではよく分かっていません(笑)。ですが長所の一つは後半の伸びで、いかに最高スピードを持続できるかが自分の強みであると思うので、そこの長所を久しぶりに改めて実感できたので、良いレースでした。そこをベースにして、これからのシーズンで色々修正点を加えていきたいです。

――今回は1日3本レースを走りましたが工夫したことはありますか

いちいち緊張していたら、メンタル的にも疲れてしまうので、「2着でも良いや」みたいな感じで走っていました。体は結構きていましたが、メンタル的な疲労はなかったです。3本走るつもりではいたので、1着にこだわらず、ちゃんとラウンドを踏むことが大事なので、そこを意識していました。

――10秒32というタイムに対しての感触を教えてください

欲を言えばもう少し、10秒20台に乗せたかったです。(タイムが)出るなとは思っていて、こんなものだなと思っていたので、満足しているわけではないです。修正点もあり、自分の中では一歩進んだだけなので、驚きはしなかったです。

――これから更なる自己ベストの更新にも期待がかかりますが

これで終わりじゃないなとゴールした後もまだ思っています。シーズンが始まったばかりなので、この先もタイムが出るなと確信しています。

――今後への意気込みをお願いします

この先、織田記念か静岡国際のどちらかに出場し、速い人たちと記録を狙っていきたいです。関カレ(関東学生対校選手権)や日本選手権と強度の高い試合が続きますが、一歩一歩自分の走りをイメージして走れば、自ずと結果はついてくると思います。僕は高望みをするとダメなので、上をあまり見ず、一歩一歩やっていきたいです。

新上健太(人3=東京・早実)

――昨日の調子はいかがでしたか

天気と、先週の六大(東京六大学対校)の疲労もあって、調子はちょっとわからない状態でレースが始まるという感じでした。結果として、タイムはそんなに出ませんでしたが、しっかりラウンドを進められた、予選はちゃんと着通りで抜けることが出来たので、まずまずでした。

――走り始めてから、調子はどのように感じられていましたか

大前監督(大前祐介監督、平17人卒=東京・本郷)からレース展開の指示があって、それ通りには走れました。なので、そんなに悪くないのではないかという感じでした。

――その大前監督の指示というのはどのようなものだったのですか

まず最初の100でしっかりスピードに乗せて、バックストレートである程度休み、後半にしっかり切り替えるという指示でした。展開を見てもその通りに走れたと感じています。

――タイム順で決勝へ進出が決まったときのお気持ちは

準決勝終わった時は正直落ちたかなと思っていました。ですが、プラスで上がっても、今日は全く別のレースという感じで切り替えていたので、そこはそんなに気にせず臨めたかなと思います。

――今日の調子はいかがでした

結構疲労もあり、正直万全の状態ではなかったのですが、動きの部分でどう改善するかという点にフォーカスしていました。なので、しっかり戦う準備はできていたという感じです。

――レースプランはどのように考えていらっしゃいましたか

順位がついても、46秒5というユニバの標準を切れないとどうにもならないので、そこを意識していました。前半からしっかり速いスピードで入って、ベストを出しにいくぞという感じで行きました。

――今回のレースに点数つけるとしたらどのくらいですか

80点くらいです。あとの20点は少し気持ちが出すぎてしまい、空回って力みすぎた部分があったというシンプルに改善できる点が挙がったことです。あと、決勝のメンバーが全カレ(日本学生対校選手権)を思わせるような人たちだったので、これに対校戦の点数がついたことを考えると7着という結果だったので、そこも考えて(マイナス)20点という感じです。

結果

2日目 ▽男子

▽100メートル

予選 (8組2着+8)

稲毛碧(スポ3=新潟・東京学館新潟)  10秒47(8組2着)準決勝進出

三浦励央奈(スポ4=神奈川・法政二)  棄権

井上直紀(スポ1=群馬・高崎)  棄権

準決勝

(3組2着+2)

稲毛  10秒32 (3組2着) 自己新 決勝進出 決勝

稲毛  10秒37 (3着)

▽400メートル

決勝

新上  47秒66 (7着)

▽400メートル障害

予選

(6組3着+6)

新井公貴(スポ3=神奈川・逗子開成)  52秒49 (3組3着)準決勝進出

後藤颯汰(スポ4=長崎・五島)  53秒05 (5組5着)

田中天智龍(スポ3=鹿児島南)  52秒01 (6組3着)準決勝進出

盛岡優喜(スポ1=千葉・八千代松陰)  棄権

準決勝

(3組2着+2)

新井  52秒27 (1組5着)

田中  52秒96 (2組6着)

▽女子

▽100メートル

予選

(9組2着+6)

鷺麻耶子(スポ2=東京・八王子東)  12秒09(6組2着)準決勝進出 準決勝

(3組2着+2)

鷺  11秒94 (2組5着)

▽800メートル

予選

(6組3着+6)

新田望(スポ1=神奈川・法政二)  棄権

▽400メートル障害

予選

(5組2着+6)

川村優佳(スポ3=東京・日大桜丘)  棄権

津川瑠衣(スポ3=東京・八王子)  棄権

▽1万メートル競歩

決勝

木村和(人4=秋田・横手) 51分20秒94 (11着)