西舘(左)と武内(右)のふたりは1軍スタートを切る(C)NorifumiNISHIO 中日のドラフト1位右腕・草加勝が右肘の内側側副靱帯再建術を受けることが決まった。通称トミー・ジョン手術と呼ばれ、全治には1年以上を要する。亜大から…

西舘(左)と武内(右)のふたりは1軍スタートを切る(C)NorifumiNISHIO

 中日のドラフト1位右腕・草加勝が右肘の内側側副靱帯再建術を受けることが決まった。通称トミー・ジョン手術と呼ばれ、全治には1年以上を要する。亜大から即戦力先発投手として期待を受けて入団したが、ルーキーイヤーは一度もマウンドに立つことなく終えることが、春季キャンプ前に決定した。

【関連記事】中日ドラ1・草加勝がTJ手術へ 「前例」「チーム事情」からポジティブに捉えられる理由

 昨秋のドラフト会議は、7人もの東都大学野球所属投手が1位指名され、大きな話題を呼んだ。その7人衆の一角が、早くも離脱。大卒ドラフト1位指名ということで、誰もが即戦力の期待を背負ってプロの世界に飛び込んだのだが、草加に限らず、ここまでは苦戦が続いている印象だ。

 そもそもキャンプ1軍スタートの投手が少ない。中大から巨人に進んだ西舘勇陽、国学院大から西武に進んだ武内夏暉の2人だけ。草加と、青学大から阪神に進んだ下村海翔、広島に進んだ常広羽也斗、専大からヤクルト入団の西舘昂汰、東洋大から日本ハムの細野晴希の5人は、キャンプ2軍スタートとなった。

 うち、常広は学業を優先させる格好で2軍スタートが決まった。卒業に必要な単位取得のための試験で新人合同自主トレでの調整が遅れており、合流は急がせない方針だ。

 草加と、残る3投手は新人合同自主トレで不安をのぞかせた。

 草加は1月15日に、キャッチボールの最中に違和感を訴えていた。当初は保存療法で手術は回避する方針だったが、セカンドオピニオンを仰いだ上で手術を決断したという。

 ヤクルト・西舘と下村は、当初はキャンプ1軍スタートに内定していたが、その後に調整に遅れが出て2軍スタートへと方針転換された。下村は1月23日にキャッチボール中に背中の張りを訴え、別メニュー調整に。幸い軽傷で、その後はブルペン投球も再開させているが、大事を取った格好だ。

 細野も1月19日に、当初予定していたブルペン投球を回避。新人合同自主トレ期間中のブルペン投球は、同15日の1回だけにとどまった。

 プライベートでも交流があり、仲が良いことで知られる7人。下村と常広は同じ青学大、巨人とヤクルトの西舘は同性など共通点も多く、誰もが互いをライバル視して「同期よりも早く勝ちたい。同期よりも多く勝ち星を挙げたい」と口をそろえてきた。まさにいい刺激を受けながらプロの扉を開いたのだが、ここまでは逆風が続いているかのような流れだ。

 幸い、巨人・西舘と、武内の2人はキャンプで1軍スタートを切る。巨人は2月1日、西武は同6日にキャンプインを迎える。2人には嫌な流れを断ち切るようなブルペンでの剛速球を投げ込み、初日から豪快なミット音を響かせてほしい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】2年連続最下位からV奪回を目指す中日 浮上する「二遊間問題」「一塁手渋滞問題」とは

【関連記事】立浪竜勝負の3年目 4番は中田翔? それとも細川成也、石川昂弥ら若手抜擢?【勝手に妄想開幕オーダー|中日編】

【関連記事】「育成のバッティングじゃなかった」中日・片岡ヘッドコーチが2軍監督時代に目についた各球団の「ロマン砲」とは