卓球日本一を決める「2024年全日本卓球選手権大会」が22日から28日にかけて行われた。女子シングルスは早田ひな(日本生命)が連覇を達成、男子シングルスは張本智和(智和企画)が6年ぶりの優勝と日本を代表するエースたちが結果を残した。なかでも…

卓球日本一を決める「2024年全日本卓球選手権大会」が22日から28日にかけて行われた。女子シングルスは早田ひな(日本生命)が連覇を達成、男子シングルスは張本智和(智和企画)が6年ぶりの優勝と日本を代表するエースたちが結果を残した。

なかでも女子シングルスは、平野美宇(木下グループ)と伊藤美誠(スターツ)のパリ五輪選考争いや早田の連覇といった卓球黄金世代による戦いが注目を集めた。しかし最終結果を見ると、新しい世代の選手たちが黄金世代の3人に迫る活躍を見せていた。

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■プラチナ世代と新世代の3選手が大活躍

女子シングルスの結果を見ると、早田が連覇を達成し3度目の全日本制覇を飾った。2位には急成長を見せる張本美和(木下アカデミー)、3位にはノーシードから勝ち上がった赤江夏星(デンソー)と2年連続で準決勝に進出した横井咲桜(ミキハウス)の2人。赤江と横井は2004年生まれの「プラチナ世代」と呼ばれる選手であり、張本美は2008年生まれの新世代と、黄金世代よりも若い選手たちがベスト4入りを果たした。

ノーシードから勝ち上がった赤江の戦績を振り返ると、4回戦は笹尾明日香(日本生命)、5回戦は安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)、6回戦は佐藤瞳(ミキハウス)と日本でも屈指の実力者たちを破りベスト8へ進出。準々決勝では平野と対戦し、最終ゲームでは6-3から逆転に成功するなど白熱の戦いを見せた。

赤江は2019年からTリーグの日本生命レッドエルフに所属。デビュー年からシングルス2戦1勝1敗、ダブルス4戦3勝1敗と結果を残し、今季もシングルス8戦5勝3敗、ダブルス1戦1勝。年々実力をつけ自身初の全日本ベスト4入りを果たした。

赤江と同じくベスト4入りを果たした横井は、今季スーパーシードで4回戦から登場。5回戦の永野萌衣(愛知工業大)との対戦では一時1-3と追い込まれたが、その後3連続でゲームポイントを奪い逆転勝ち。6回戦では枝廣瞳(中国電力ライシス)を退けベスト8へ進出し、準々決勝では伊藤を破った木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋)と対戦。またしても1-3と追い込まれたが、そこから逆転。2年連続のベスト4進出を決めた。

横井は昨年の全日本卓球選手権でも3位の成績を収めており、6回戦では伊藤を4-1で撃破するなど力をみせていた。今年はさらにレベルアップした様子がうかがえ、今季のTリーグでは平野に2戦2勝。1ゲーム先取のビクトリーマッチでは早田ひな、張本美にも勝利している。また6日に行われた木下アビエル神奈川との試合では平野相手に3-0の完封。平野から「将来強くなる可能性を秘めている選手」と称賛を受けていた。

最後にジュニアとの2冠も予感させた張本美は、今大会準決勝までで落としたゲームはわずか3つのみ。準々決勝では昨年2位の木原美悠(木下グループ)にストレート、準決勝でも横井相手に4-0と快進撃を続けた。決勝では早田の前にストレート負けを喫したが、序盤は変化の鋭いサービスなどでリードを奪う場面も見せ、次期エース候補としての強さを示した。

女子卓球はまだ早田、平野、伊藤の黄金世代が中心ではある。しかし今年の全日本選手権を見ると赤江、横井らのプラチナ世代や、さらに若い張本美の世代など若手選手の成長が目覚ましい。パリ五輪は早田や平野らが中心となるが、それ以降は張本美や赤江、横井といった新しい世代と交代しているかもしれない。日本女子卓球の未来は明るいものとなりそうだ。

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(G.Tsukamoto/SPREAD編集部)