大阪国際女子マラソンで2時間18分59秒をマークし、19年ぶりに日本記録を更新した前田穂南(27)=天満屋=が一夜明けた29日、大阪市内のホテルで会見を開いた。 日本女子最速という称号を得たレースを、「しっかり自分の力を出し切って、粘って…

 大阪国際女子マラソンで2時間18分59秒をマークし、19年ぶりに日本記録を更新した前田穂南(27)=天満屋=が一夜明けた29日、大阪市内のホテルで会見を開いた。

 日本女子最速という称号を得たレースを、「しっかり自分の力を出し切って、粘って、日本記録を出せたのはうれしいです」と振り返った。

 兵庫県尼崎市出身で、家族がプロ野球阪神タイガースの大ファン。大会前は岡田彰布監督の言葉にあやかり、「アレを狙う」と何度も発言し、レース後に「アレ」が日本新記録だったことを明かしていた。

 「アレ」という言葉を使った理由について、目標を口にすることで「自分へのプレッシャーというか、重い感じがあった。岡田監督が『アレ』を使っていて、いいなと思って使わせていただきました」と話した。

 レースでは終盤になっても1キロ3分20秒のペースを刻み、最後までスピードが落ちなかった。これまで対応に苦しんだ厚底シューズを使いこなせるようになったことも躍進につながった要因のひとつだ。

 前田は厚底を履き始めた当初は「走りにくい、脱いで走りたいと思うほどだった」と明かしたうえで、「薄底のときは足の指を使うので、指でかきながら走る動作が多かった。厚底になってからはそれがだいぶなくなった」。足の指だけに頼らない走り方を身につけ、より推進力を得られるようになったという。

 3月の名古屋ウィメンズマラソンで自身の記録を上回る日本選手が現れなければ、パリ・オリンピック(五輪)代表の最後の3枠目に内定する。

 「待つだけなので。何も考えずに待っていたいと思います」