4月12日。新歓活動も佳境を迎える中、応援部吹奏楽団の「Spring Concert 2023」が西新井文化ホールにて行われた。3部構成のコンサートで、各部でそれぞれの特色が生かされた豊富なレパートリーの演奏や演出。そして、開演前のミニ…
4月12日。新歓活動も佳境を迎える中、応援部吹奏楽団の「Spring Concert 2023」が西新井文化ホールにて行われた。3部構成のコンサートで、各部でそれぞれの特色が生かされた豊富なレパートリーの演奏や演出。そして、開演前のミニコンサートや休憩時間のトークショー、応援曲メドレーなど老若男女問わず存分に楽しめるコンサートが西新井文化ホールにて開催された。
第Ⅰ部ではきらびやかな前奏から躍動感と奥深さのあるメロディーで大空を舞う鷲を存分に表現した『鷲の舞うところ』。続く『River Dance』では、幻想的な冒頭から一変して高揚感がある曲調に変化することで、アイルランドのタップダンスに見られる曲調の緩急が楽しめるようになっていた。アップテンポでピッコロ、クラリネット、トランペットのソロパートが印象的でパレードに参加しているかのような明るい曲調の『サウス・ランパート・ストリート・パレード』。そして、第Ⅰ部最後の曲となった『銀河鉄道999』では、入場時に配布されたビニールシールをスマートフォンに貼り、ライトをつけることで消灯されている観客席に明るく小さな光が舞っているように見える観客参加型の演出が行われた。観客席ではリーダー部員やチアリーダーズも先導してスマートフォンを振り、観客席は星空のようなきらめきを見せた。
ライトの光が舞った『銀河鉄道999』
休憩中にはトークショーが行われ、現役部員により、吹奏楽部の魅力について、直接部員が語る機会が設けられ、会場を盛り上げた。
第Ⅱ部のアンサンブルステージでは、一名一名から紡がれる繊細な音の響きが特徴的であり、トランペット4重奏による『ドラゴンクエスト序曲』、サックス4重奏による『情熱大陸』。管打楽器6重奏による『のび太の宝島』のテーマ曲。昨年度話題となったドラマ『Silent』の主題歌『Subtitle』が管打楽器8重奏で響き渡った。そして、『鎌倉殿の13人』のメインテーマ曲が管打楽器9重奏によって奏でられた。バリエーション豊かな楽曲が様々な楽器から演奏された。
残る第Ⅲ部はドリルステージである。ディズニーパークで公演されているナイトエンターテインメントショーである『Fantasmic!』より、ドリルステージが行われた。楽器を演奏しながらステージ上を縦横に動き、聴覚だけでなく、視覚的にも観衆に訴えかける様子に観衆は大いに盛り上がった。盛り上がりも冷めやらぬ中、観衆からはアンコールが飛び出す。アンコールでは3パート合同で早稲田大学の応援曲メドレーが鳴り響く。吹奏楽団が中心で輝く応援曲メドレー、全員が清々しい表情を見せ、「Spring Concert 2023」は幕を閉じた。
『Fantasmic!』を披露した吹奏楽団
最後は「W」の隊形でSpring Concertを終えた吹奏楽団
新たな始まりを予感させる春の季節に行われた今回のコンサート。『笑源(えみ)』を目標に掲げ、笑顔を絶やさず、周囲に演奏の楽しさを伝えた吹奏楽団のコンサートに心を動かされた観客は多かったであろう。今後の六大学野球リーグ戦応援など、吹奏楽団が奏でる音色に目が離せない。
※掲載が遅くなり、申し訳ございません。
(記事 橋本聖、写真 横山勝興)
コメント
奥山侑奈記録編集責任者 兼 演奏会運営責任者 兼 ドラムメジャー(教4=東京・国立)
――Spring Concertを終えて率直な感想は
無事に終えられたことに対する安心感と達成感を感じています。Spring Concertは今年で2回目ではありますが、初めてのホール、新体制初の演奏会ということで、わくわくする気持ちと、不安な気持ちが半分ずつありました。当日のリハーサル中も練習中も部員の顔からは、緊張と焦りが感じられました。しかし、演奏中はみんなが笑顔で吹いていて、もちろん、上手くいかなくて悔しかったこともありますが、演奏会が終わった時は終わってしまうことが悲しくなるくらい楽しくて、もっとステージに立っていたい、みんなと一緒に演奏したいという気持ちでいっぱいでした。
――特にこだわった部分は
部員が楽しんで演奏を行うこと、お客さんに楽しんでもらうことを優先していました。大学生らしさを残しつつも、親しみやすい曲を選曲したり、アンサンブルでは沢山のポップス曲をメインにしたり、スマホのライトを使って演奏に参加してもらったり、応援曲ドリルではリーダーやチアリーダーズと協力してお客さんとの距離を近づけたり、お客さんに楽しんでもらえるような企画や構成にしました。また、第3部のドリルステージでは、視覚的に楽しめる動きを増やし、本家の良さとドリルの良さ、早稲田大学応援部吹奏楽団の良さをつめ込んだステージを目指して、「魅せ方」にもたくさんこだわりました。
――練習期間は
1月から少しずつ練習を始め、2月から本格的に練習を始めました。本年度はさまざまな応援や渉外が復活し、忙しい中での練習にはなりましたが、3月には春合宿を行うことができ、みっちり練習出来たと思います。
――コンサート全体の出来は
演奏会自体は私たちも楽しむことができ、ご来場された方からも「楽しかった」「良かった」という声を聞くことができ、『楽しむ、楽しませる』という目標はかなり達成できたのではないかと思います。また、本番は310名のお客様にご来場いただき、たくさんの方がオンライン配信を視聴してくださいました。ありがとうごさいます。しかし、もっと練習出来たこと、本番で上手くいかなかったこともたくさんありました。もちろん、演奏会は新歓としての効果も十分にあり、大成功だとは思いますが、まだまだ成長の余地が多くあると思うので、今後に期待していただければと思います。定期演奏会はもっと素敵な演奏会にします!
――隊列や照明などの演出面はどのような工夫をしましたか
「ドリルの良さを伝えたい!」というスタッフの思いとホールの舞台面との兼ね合いでドリルの隊形の作成には苦戦しました。定期演奏会よりも狭い舞台面でいかに魅せるか、また、実現可能かに頭を悩ませながら、試行錯誤を重ねました。初めは上手くいかなかったものの、部員全員のより良いものを見せたいという強い思いが実となって、練習を重ねるうちにできるようになったこともたくさんありました。コマを考える上では、曲調に合っていること、音を形で表すということを大切にし、聴覚的に、そして視覚的に、お客様が夢中になれる仕掛けがいっぱいのコマにしたいと思って作成しました。照明は、会計との関係で定期演奏会程の大規模なものは出来ないものの、雰囲気の演出には欠かせないと思い、放送研究会の皆さまにご協力いただきました。曲のイメージやステージで使用する旗の色との組み合わせを考えて、色や明るさにこだわりました。こだわり過ぎるあまり、私達の要望が多くなってしまいましたが、放送研究会の方々をはじめ、対応してくださったホールの方々にも頭が上がりません。
――下級生の活躍は
今回の演奏会は、3年生のみならず、下級生の協力なしには開催できなかったと思います。企画、準備から本番まで、下級生の熱意や思いが伝わってきました。表からは見えなくても、裏でたくさん頑張ってくれた下級生全員に感謝しています。4年生が少なく、また、進路決定の時期ということもあり、忙しい中で、ここまでの演奏会が出来たのは下級生の力だと言っても過言ではないと思います。
――最後に、今後の意気込みをお願いします
早稲田大学応援部吹奏楽団は、応援することが好きだったり、企画するのが得意だったり、練習熱心だったり、応援部吹奏楽団の活動が、また、応援部吹奏楽団の仲間のことが好きな人たちがたくさんいます。私たちの活動を支えてくださる皆様に、私たちの演奏や応援に対する思い、皆さまへの感謝の気持ちが伝わるように日々練習に励んでおります。本年度、定期演奏会は60回目の開催となります。また、本年度は25名の新人を迎え、演奏も応援もドリルもパワーアップすること間違いなしです。絶対に、皆様が楽しめるステージにするので、12月19日(火)の予定を空けていただき、12月19日(火)は、北とぴあさくらホールにぜひお越しください!
清水優那副将 兼 吹奏楽団責任者 兼 新人監督 兼 演奏会広報責任者 兼 指揮(文4=奈良・西大和学園)
――Spring Concertを終えて率直な感想は
本年度に入って初めての吹奏楽団の大きな活動で、成功するか少し不安な部分もありましたが、結果的に曲も無事に完成できてよかったです。
――特にこだわった部分は
昨年度が1回目の開催で今回が2回目の開催ということで少し変化も持たせられたらと思っていました。私は演奏会広報ということでページ数を増やしたり、立て看板を作ったりして広報活動にもさらに力を入れました。Spring Concertは新歓に直結する部分も多いので、トークショーを設けたりして、より新入生の心に響く演奏会になったと思います。
――新人監督としても演奏会広報責任者としても関わりの深いコンサートだったと思います
新人監督かつ演奏会広報ということで、新歓のビラやポスターと同時並行でSpring Concertのビラやポスターを進めていました。昨年度は周辺の飲食店にSpring Concertのポスターを貼らせていただくことはできなかったのですが、多くの飲食店の方々にご協力いただけて、広報につながったと思います。あとは、新歓でブースを出していた時も吹奏楽団に限らず、リーダーやチアリーダーズにも宣伝してもらえたので、それも周知につながったと思います。
――3年生の補佐の活躍は
新3年生はすごく働いてくれました。特に、新人監督補佐は今年度から対面の新歓が本格的に復活したこともあって、4年生が分からないところもありましたが、3年生を中心にアイデアを出してくれました。ブースを装飾してくれたり、新歓のステージでもアイデアをたくさん考案してくれて、3年生の力は大きかったと考えています。あとは、演奏会広報では、パンフレットにパート紹介のページを3年生が作ってくれたので、3年生のアイデアがつまったパンフレットになったと思います。
――最後に、今後の意気込みをお願いします
吹奏楽団は新人が25人入ってくれて、より迫力のある演奏ができるようになると思うので、応援やマーチングなどいろいろなことに生かしていきたいと思います。次のコンクールに向けても動き出しているので、昨年よりもいい賞を獲れるよう、自身も責任者として尽力していきたいと思います。あと、定期演奏会は今年第60回という節目の回なので、それにふさわしい回にしたいと思っています。