今週の日曜日は、東京競馬場で根岸ステークス(GIII)が行われます。  過去10年の根岸Sでは4番人気以内の馬が8勝2着7回3着5回。複勝率50%、複勝回収率91%と優秀な成績を収めています。一方、5番人気以下の馬は2勝2着3回3着5回…

 今週の日曜日は、東京競馬場で根岸ステークス(GIII)が行われます。

 過去10年の根岸Sでは4番人気以内の馬が8勝2着7回3着5回。複勝率50%、複勝回収率91%と優秀な成績を収めています。一方、5番人気以下の馬は2勝2着3回3着5回。出走頭数が多いので複勝率8.5%と低くなっているのは仕方ないですが、複勝回収率も43%と低調な数値となっています。

 根岸Sは東京ダート1400mと特殊な条件で行われる一戦ですが、意外にも人気薄は不振。人気馬が実力通りに結果を残しているレースと言えるのではないでしょうか。

 今年の根岸Sで上位人気が予想されるのは2連勝中のエンペラーワケア、4連勝中のサンライズフレイム、前走武蔵野S(GIII)2着と好走したタガノビューティー、前走のりんくうS(OP)で鮮やかな差し切り勝ちを収めたアームズレイン、地方の重賞で安定した走りを見せるパライバトルマリンなどがいます。

 はたしてAIはどういった結論に至ったのか。早速ですが、AIに弾き出された注目馬をご紹介します。

◆底知れぬパフォーマンスを見せる上がり馬

 今週の根岸SでAIが本命に抜擢したのは、上位人気が予想されるエンペラーワケアでした。

 週初の本命候補3頭には挙がっていなかった本馬ですが、その予想が一転しエンペラーワケアに高評価が与えられました。

 エンペラーワケアは22年10月の阪神で行われた芝1600mの新馬戦でデビューし5着。続く未勝利戦ではダート1400mに出走し2着に10馬身差をつけて圧勝。その後は全てダート1400mに使われ、3勝2着1回の成績を残してオープン入りを果たしています。

 ダートでの敗戦は3走前の2勝クラスのみ。この時はスタートで立ち遅れる不利がありましたし、揉まれるのを嫌ったのか強引にハナを奪う競馬となりました。かなりテンに脚を使ってしまったので並の馬なら大敗してもおかしくありませんが、本馬は直線で一旦は後続を振り切る驚異的な走りを見せます。さすがにゴール前では一杯になってしまいましたが、それでも2着確保と力のあるところを見せていました。

 ここ2走はスタートで出遅れる事はなくスムーズな競馬を見せており、2走前のドンカスターC(2勝クラス)では4馬身差で圧勝。前走の御影S(3勝クラス)でも3馬身半差の快勝と底知れぬパフォーマンスを見せています。

 特に前走の御影Sは2着馬が次走でも2着に好走していますし、3着馬は次走で勝利しオープン入りを決めているなど、好メンバーが揃ったハイレベルな一戦でした。そのレースで他を寄せ付けない走りを見せているのですから、エンペラーワケアが持っている能力はオープンでも十分に通用するはずです。ダートではまだ底を見せていませんし、重賞メンバーが相手でも人気に応える走りを見せてくれるのではないでしょうか。