23日に大阪市内であった世界ボクシング協会(WBA)フライ級タイトル戦を制し、岡山県内のジム所属選手として初の世界王者となったユーリ阿久井政悟選手(28=倉敷守安ジム)が24日、同市内で一夜明けの記者会見を開いた。 新王者は晴れやかな表情…

 23日に大阪市内であった世界ボクシング協会(WBA)フライ級タイトル戦を制し、岡山県内のジム所属選手として初の世界王者となったユーリ阿久井政悟選手(28=倉敷守安ジム)が24日、同市内で一夜明けの記者会見を開いた。

 新王者は晴れやかな表情で、「ゆくゆくは海外の舞台をめざしたい。岡山での凱旋(がいせん)試合もしたい」と、将来の展望を語った。

 自身初めての世界戦では、22戦全勝の王者アルテム・ダラキアン(ウクライナ)に挑んだ。足を使う相手に落ち着いた試合運びを見せ、判定勝ち。ホテルで自身の試合映像を見返し、「世界チャンピオンになったんだな」と少し実感がわいたという。

 父の一彦さんも元プロボクサー。倉敷北中時代に競技を始め、父も所属した地元のジムで腕を磨いた。倉敷翠松高では国体で8強入りし、環太平洋大在学中の2014年にプロデビュー。リングネームの「ユーリ」は、外見が元世界王者勇利(ゆうり)アルバチャコフ選手に似ていることが由来だ。

 地方のジムでは、実戦練習の相手も限られる。それでも、世界のトップ選手の映像を見て研究するなど、「地方ジムでも工夫できることはある」と語る。

 岡山出身選手では元世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級王者の辰吉丈一郎選手に続く快挙。「レジェンドに続けた。ぐっと来るものがある」

 家族は妻と2女。一番やりたいことを問われると、穏やかな表情で「2月はディズニーランドに行く計画を立てている」と話した。(大宮慎次朗)