バスケットボール男子日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチ(HC)が20日、東京都世田谷区の日本体育大学で行われた日本バスケットボール協会主催の「コーチカンファレンス」に出席し、昨夏のワールドカップ(W杯)で優勝したドイツ代表のゴードン・ハ…

 バスケットボール男子日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチ(HC)が20日、東京都世田谷区の日本体育大学で行われた日本バスケットボール協会主催の「コーチカンファレンス」に出席し、昨夏のワールドカップ(W杯)で優勝したドイツ代表のゴードン・ハーバートHCと対談した。

 日本協会とドイツ協会が結ぶパートナーシップの一環。W杯では1次リーグ初戦で両チームが対戦し63―81で日本は完敗したが、後半のスコアは32―28で上回った。

 ハーバートHCから日本の転機になった瞬間を聞かれたホーバスHCは「ドイツ戦の後半を思い出しました。あそこで40点差で負けていたら、(次のフィンランド戦は)勝てなかった。あそこが大きなターニングポイントだった」と振り返った。

 対談ではホーバスHCが「どうしたら日本はよりよくなりますか」と質問する場面も。ドイツを頂点に引きあげたハーバートHCは「早い段階で12人を選んでチームを作っていくことが大事です」と助言を送った。

 7月末に開幕するパリ五輪に向けて、日本代表は近く再始動する。ホーバスHCは合宿にアメリカでプレーする渡辺雄太(NBAサンズ)と富永啓生(ネブラスカ大)を除くW杯メンバー10人のほか、Bリーグで活躍している選手を中心に20人前後を呼ぶ見通しを明かした。残り半年しか準備期間はないため、大きくスタイルを変えるつもりはないという。

 「2年前は60人集めたけど、今は時間がありません。ゴードンコーチも言っていたけど、早く12人を選べばチームを作れる。(渡辺ら)アメリカ組もいる。新しいチームを作らないといけない。(W杯で出た課題の)アジャストメント(適応)を始めたい」

 対談前の講演でハーバートHCは選手選考について「10、11、12番目の選手が重要です。試合に3~4分しか出られなくても、いいチームメートになり得るか。試合に出なくても、いい影響を与えられる選手が必要です」と語っていた。

 日本代表はどんな基準で五輪代表選手を選ぶのか。W杯優勝指揮官から刺激を受け、ホーバスHCのパリ五輪イヤーが始動した。(野村周平)