プロバスケットボールBリーグの名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(名古屋D)で、2人の高校生選手が奮闘している。愛知・至学館高校に通う2年生の今西優斗選手(17)と1年生の若野瑛太選手(16)。ともにデビュー戦で当時の最年少での出場と得点の記…

 プロバスケットボールBリーグの名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(名古屋D)で、2人の高校生選手が奮闘している。愛知・至学館高校に通う2年生の今西優斗選手(17)と1年生の若野瑛太選手(16)。ともにデビュー戦で当時の最年少での出場と得点の記録を塗り替えた。将来の日本代表をめざして汗を流す。

 2人はユース育成特別枠でトップチームに加わる。身長178センチの今西選手は2022年12月24日の新潟アルビレックスBB戦でデビュー。それまで16歳10カ月19日だった最年少出場記録を16歳7カ月8日に更新した上、最年少での得点もマークした。

 「出場したら最年少記録だと言われていた中で先輩たちがリードを広げてくれ、『思い切って行け』と背中を押してくれた。出たら、迷わずに行こうという精神状態で臨めた」と今西選手。出場時間は2分2秒。自らドリブルで切り込んでレイアップを決め、初得点をあげた。

 身長185センチの若野選手のデビュー戦は23年10月28日の宇都宮ブレックス戦。出場時間は49秒だったが、1本放った3点シュートが決まり、初出場と初得点の記録を16歳4カ月15日に更新した。

 選手交代を待っていたときに「自信を持って(シュートを)打て」と先輩たちから言われたが、「緊張で手汗が止まらなかった」と若野選手。それでも、パスを受けると得意の3点シュートを放つ。「最初は(ゴールに届かない)エアボールだと思って『やっちゃった』と頭をよぎったけれど、それが入った。驚きとホッとした気持ちだった」と振り返る。

 記録を更新された今西選手は「ずっと一緒にバスケをしてきたので、うれしい気持ちもあった。いろんな人に『抜かれたな』って言われたけど……」。若野選手は「みんなに『抜いたな』って。一緒にやってきた先輩を抜いたのもうれしかった」。「エイタ」「ユウト」と呼び合うチームメートは、そろって笑った。

■授業後、トップチームの練習へ ユースの練習にも

 名古屋Dの練習場に近い至学館に通う2人。授業後はトップチームの練習に参加し、さらにユースの練習に加わる。学業優先で試合は遠征には帯同せず、地元周辺のみ参加する。

 名古屋Dの梶山信吾GM(47)は「練習はダブルヘッダーになるけれど、トップチームの練習に参加するのは彼らにとっていい経験になるし、プロの厳しいフィジカルを経てユースに戻ると楽にプレーできる」。そして、「ほかのユースの子たちも『俺らも頑張ればBリーグに行ける』と大きな目標が出来る。いま、この2人は大きな期待を背負っている」と話す。

 最年少の記録は、昨年末に仙台89ERSの選手が「16歳3カ月17日」に更新した。若手が活躍の場を広げている証拠でもある。(上山浩也)