静岡県内初のプロ球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の本拠地となる清水庵原球場(静岡市清水区)について、愛称の命名権を得た地元の缶詰製造大手「いなば食品」の稲葉敦央社長らが出席して18日、市役所でネーミングライツパートナーシップ契約の締結…

 静岡県内初のプロ球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の本拠地となる清水庵原球場(静岡市清水区)について、愛称の命名権を得た地元の缶詰製造大手「いなば食品」の稲葉敦央社長らが出席して18日、市役所でネーミングライツパートナーシップ契約の締結式があった。愛称は同社グループのペットフード「ちゅ~る」を冠した「ちゅ~るスタジアム清水」。難波喬司市長は、ペットと一緒に観戦できる球場にしたいという考えを示した。

 契約は、いなば食品と球団運営会社ハヤテ223(フジサン)、市の3者の間で結ばれた。契約期間は5年間で、契約金額は年間7150万円。市とハヤテ223の間で1対9の割合で配分され、球場の維持管理や球団強化などに充てられる。

 いなば食品は昨年、大谷翔平選手が在籍していた米大リーグのエンゼルスとスポンサー契約を結んでいたことでも知られる。「大谷選手も東北の田舎の生まれで世界一の選手になりながら、謙虚でおごることなくやっている。生きている姿勢に対して応援したかった」と稲葉社長。

 今回、地元球場の命名権に手を挙げたことについては「清水地区の由比で生まれ育って、こんにちまで工場をやらせていただいた。生まれ育った土地に対する非常に深い慈しみというか、そのおかげで自分がこんにちまで生きてきたかなと思うので、機会があれば恩返しするのは当たり前かなと思う。地元に多少なりとも役に立てれば、こんなにうれしいことはない」と話した。

 ハヤテ223の杉原行洋社長は「大変可愛い名前をいただいた。『ちゅ~るスタ』と呼んで、ぜひ足を運んでいただきたい」。難波市長は「可愛い名前がついたので、ペットを連れて野球を見ることができる球場にできればと思う。芝生の外野席でペット連れで観戦を楽しめるようにしたい」と話した。市スポーツ交流課によると、プレーへの影響を考慮して一定の制限を加えることなど、NPB(日本野球機構)と相談しながら検討を進めていくという。

 くふうハヤテベンチャーズ静岡は今春からプロ野球ファームリーグ(ウエスタン・リーグ)に参入する。「ちゅ~るスタジアム清水」の呼称開始は、球団がキャンプインする今月25日から。同下旬にはファームリーグ公式戦の日程が公表され、3月中ごろに2024年シーズンが開幕する。(斉藤智子)