■大相撲初場所4日目(17日、東京・国技館) 横綱照ノ富士は豪ノ山の初挑戦を問題にせず、3勝目を挙げた。綱とりがかかる大関霧島は翠富士に屈して初黒星。大関豊昇龍は若元春の攻めをしのいで4連勝とした。ほかに全勝は、大関昇進をめざす関脇琴ノ若と…

■大相撲初場所4日目(17日、東京・国技館)

 横綱照ノ富士は豪ノ山の初挑戦を問題にせず、3勝目を挙げた。綱とりがかかる大関霧島は翠富士に屈して初黒星。大関豊昇龍は若元春の攻めをしのいで4連勝とした。ほかに全勝は、大関昇進をめざす関脇琴ノ若と、朝乃山。新小結宇良は不戦勝で初日が出た。

■阿炎、攻める姿勢は貫くが遠い白星

 初日から四つ並んだ黒星。特別な思いで今場所に臨む阿炎だが、なかなか勝利に手が届かない。

 互いに突き押しを得意とする北勝富士との一番。出てきた相手を引きながらうまくいなすと、圧力のある突きで反撃。のどわで俵まで詰めた。さあ、あと一押し。というところで、横に動かれ突き落とされた。

 足が土俵に引っかかったようにも見えたが「それも含めて実力不足。もっともっと、強くなれる」。言い訳はしなかった。

 昨年12月17日に病気のため急逝した、元関脇寺尾の錣山親方(本名・福薗好文さん)のまな弟子だ。躍進を期した昨年、納めの九州場所は小結として臨み6勝9敗に終わった。千秋楽から3週間後、悲報が舞い込んだ。

 阿炎というしこ名は、親方の愛称「a baby(ア ベビー)」に由来する。自分の最高位を超えられる逸材――。そんな思いが込められたものだ。

 平幕で迎えた弔いの場所、29歳は「師匠から何て言われるかを意識して土俵に上がっている」という。

 その言葉通り、前日の横綱戦を含め、教え込まれた攻めていく姿勢は貫けている。

 この日は実の親のように慕った師匠の、初の月命日だった。誰よりもいい報告をしたかったであろう阿炎は「悪い相撲は取っていないし、気持ちも落ちていない。集中していくだけ」。まずは白星を拾い、挽回(ばんかい)のきっかけにしたい。(松沢憲司)

■綱とり霧島、序盤に不覚

 横綱昇進を狙う霧島が幕内最軽量116キロの平幕翠富士に不覚をとった。突き放せず中に入られてしまうと、肩すかしを決められて初黒星。2日目には、場所前の稽古で圧倒された大関経験者の高安を押し出し、波に乗ったかに思えたが、伏兵に足をすくわれた。「明日からまた頑張ればいい」と言葉少なだった。

■貴景勝が首のけがで休場

 大関貴景勝が休場した。初場所4日目の17日、「頸椎(けいつい)症性神経根症で2週間程度の安静加療を要する」との診断書を日本相撲協会に出した。休場は昨年の名古屋場所以来。3日目を終えて2勝1敗だった。師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は「再出場はない」と話しており、3月の春場所は8度目のカド番となる見込み。師匠によると、15日の熱海富士戦で首の痛みが悪化。17日朝に本人から「右腕に力が入りません」と休場の申し出があったという。

■さじき席

 ○朝乃山 過去2戦2敗の北青鵬から初勝利。「足が伸びきって、棒立ちで寄っていったのが残念」と取り口を反省。

 ○翠富士 今年の初白星は、綱とりを狙う大関から。「得意技(肩すかし)が決まるとうれしいっすね」とニコニコ。

 □宇良 不戦勝。今場所初白星にも「その話はいいじゃないですか。明日から頑張ります」。

 ●霧島 初黒星。「捕まえにいこうと思ったが、中に入られてしまった。また明日から頑張ればいい」

 ○照ノ富士 3勝目にも不安を吐露。「立ち合いで踏み込めるかどうか少し迷いがある。動きは全然まだまだ」