【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬 【モンジュー】  凱旋門賞、仏・愛ダービーなど、ヨーロッパで12ハロン路線を中心にビッグレースを勝ちまくった名馬。凱旋門賞ではエルコン…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【モンジュー】

 凱旋門賞、仏・愛ダービーなど、ヨーロッパで12ハロン路線を中心にビッグレースを勝ちまくった名馬。凱旋門賞ではエルコンドルパサーに半馬身先着し、日本競馬界の夢を打ち砕きました。

 サドラーズウェルズの後継種牡馬のなかではガリレオに次ぐ存在で、英ダービーと愛ダービーをそれぞれ4勝、英セントレジャー3勝、愛オークス2勝など、中長距離のクラシックレースで特に強さを発揮しました。8ハロンのギニーでも強いガリレオとはこのあたりが違います。

 スタミナ、底力、成長力に強みがある一方、切れ味に欠けるところがあり、気性面の難しさも伝えます。母方に入った馬の成績は良好。タイトルホルダー、パンサラッサ、ソールオリエンスといった活躍馬が出ています。先に行ったり、追い込んだり、といった極端な戦法で好結果を残しているのは、気性面の難しさが影響しているように思います。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「24年の注目種牡馬は?」

 第2週が終了した時点で首位種牡馬はエピファネイア。1月7日のフェアリーSをイフェイオンが、1月14日の日経新春杯をブローザホーンが、京成杯をダノンデサイルが勝っています。年明けわずか2週間で重賞3勝。昨年の重賞勝利数に並び、一昨年(1勝)を上回りました。

 種牡馬としてデビューしてから、デアリングタクト、エフフォーリア、サークルオブライフと立て続けにGI馬を誕生させ、初年度250万円の種付け料は7年目に1800万円まで上昇。しかし、その後は当たりが続かず、9年目の今年は1500万円に値下げされました。

 今年の3歳は、種付け料が500万だった年の産駒で、初年度産駒のデアリングタクト、シーズンズギフト、スカイグルーヴが3歳春の重賞戦線で活躍しているころの種付け。交配頭数240頭はパーソナルベスト。良質な繁殖牝馬が集まったので、産駒のデキがいいのは納得です。

 他にも阪神JF2着馬ステレンボッシュ、京成杯では力んで大敗したものの素質が高いジュンゴールド、2戦2勝のファビュラススター、1勝クラスのカニキュル、インファイター、アルセナール、マーシャルポイント、セントメモリーズなど、素質馬が目白押しです。

 これまで種牡馬ランキングは2021年の8位が最高ですが、今年は自己最高順位が狙えるのではないかと思います。