茨城県日立市で2024年11月、フルマラソンの大会「ひたちシーサイドマラソン」が初開催される。海沿いの眺めが美しい42・195キロ。全国からのランナーと市民が集い、走り、ふれ合う、ビッグイベントに育てたいと市などによる実行委員会が準備を進…
茨城県日立市で2024年11月、フルマラソンの大会「ひたちシーサイドマラソン」が初開催される。海沿いの眺めが美しい42・195キロ。全国からのランナーと市民が集い、走り、ふれ合う、ビッグイベントに育てたいと市などによる実行委員会が準備を進めている。
実行委設立総会が昨年秋にあり、コンセプトに「まちが一体となった大会」や「また来たくなるようなおもてなし」を掲げた。
市内では春にハーフマラソンなどの「日立さくらロードレース」があるが、秋冬に大きな行事がないため、市民から開催を求める声が上がっていた。市民の健康増進の機会にするのはもとより、秋冬最大のスポーツイベントとして、にぎわいの創出と交流人口の拡大、地域経済の活性化を図る。概算では宿泊や飲食、観光、土産、交通などで6億~7億円の新規需要を喚起できると見込む。
コースは、同市東成沢町2丁目の市民運動公園を発着点とし、国道6号日立バイパス(日立シーサイドロード)や国道245号、ひたちBRT(バス高速輸送システム)の専用道路、日立製作所関連の工場付近を巡る。特に、波打ち際にのびる日立シーサイドロードは潮風を受けながら大海原を眺望しての走りを楽しめそう。
日本陸上競技連盟の公認を得る手続きにも入っている。県内では日本陸連公認のフルマラソン大会がすでに四つ(勝田全国、かすみがうら、つくば、水戸黄門漫遊の各マラソン)ある。秋冬から春先にかけては全国各地で同様の大会もある。後発としていかに多くのランナーを引きつけるか――。
実行委事務局の市スポーツ振興課は「伝統ある大会には毎回参加する常連ランナーが多くいる。後発ゆえに、先輩である各大会の良いところを採り入れたうえで、より魅力ある大会にしたい」と意気込む。さらに「最初が肝心です。初回の運営ぶり次第で良しあしがネットを通じて拡散され、2回目以降『また来たい』『行ってみたい』と思っていただけるかが決まる。多くのランナーの信頼をつかみ、リピーターを増やしたい」と気を引き締める。
ストレスなく走りを満喫してもらうため、受け付け手続きの簡略化のほか、快適な着替え場所やトイレの確保、荷物預かりサービスなどを充実させる方針。臨時駐車場やJRの駅と会場を結ぶシャトルバス運行も関係機関と調整している。地元参加を促すため市民優待枠も設ける考え。
コース上の給水給食ポイントでは飲み物に加え、地元の名産品やランナーが喜ぶ食べ物をそろえる。関連イベントを催したり、ゲストを呼んだりといった、走らない人も楽しめる企画にも工夫を凝らすという。
定員は1万人。参加資格は18歳以上(高校生は不可)で制限時間(6時間)以内に完走できる人。参加料は1万円の予定。開催は原則毎年11月の第3日曜日とし、今年は11月17日。4月にエントリーを始める見通しだ。(中村幸基)