【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆血統で振り返るフェアリーS 【PickUp】イフェイオン:1着  母イチオクノホシはクイーンCで2着の成績があります。ゼンノロブロイ産駒にしては珍しく鋭い決め手がセールスポイ…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返るフェアリーS

【PickUp】イフェイオン:1着

 母イチオクノホシはクイーンCで2着の成績があります。ゼンノロブロイ産駒にしては珍しく鋭い決め手がセールスポイントでした。イチオクノホシのきょうだいには阪神牝馬SとクイーンCで3着となったコスタボニータ、菊花賞で4着となったハーバーコマンドがいます。フランス産の2代母レディインは優れた資質を伝えています。

「エピファネイア×ゼンノロブロイ」は、ヴェローナシチーやシーズンズギフトといった活躍馬が出ており、連対率25.1%、1走あたりの賞金額228万円。これはエピファネイア産駒全体の連対率16.9%、1走あたり178万円をそれぞれ大きく上回っています。ニックスといえるでしょう。この組み合わせは総じて直線の長いコースを得意とし、中山よりも東京、阪神であれば内回りよりも外回りの成績が良好です。阪神外回りコースの桜花賞、東京コースのオークスでは侮れません。

◆血統で振り返るシンザン記念

【PickUp】ノーブルロジャー:1着

 父パレスマリスは、現役時代にアメリカで走り、ベルモントS(米G1・ダ12ハロン)やメトロポリタンH(米G1・ダ8ハロン)を勝ちました。ジャスティンパレス(天皇賞(春))とアイアンバローズ(ステイヤーズS)の半兄でもあります。

 日本で走ったパレスマリス産駒はわずか7頭。そのなかからジャンタルマンタルが朝日杯FSとデイリー杯2歳Sを、ノーブルロジャーがシンザン記念を勝ちました。今年から日高町のダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスで供用される予定ですが、相当な数の繁殖牝馬を集めることでしょう。

 ノーブルロジャーは「パレスマリス×モアザンレディ」という組み合わせ。これはBCジュヴェナイルターフ(米G1・芝8ハロン)を勝ったストラクターと同じ。同馬は昨年から新ひだか町のレックススタッドで供用されています。

 ジャンタルマンタルは大人びたレースぶりが印象的ですが、ノーブルロジャーも出入りの激しいレースのなかでうまく折り合い、直線で楽に抜け出しました。パレスマリス産駒の強みでしょう。