バスケットボール男子Bリーグ1部の川崎ブレイブサンダースは7日、元日本代表で今季限りの引退を表明しているニック・ファジーカス(38)が6日のアルバルク東京戦で左ひざ関節内側側副じん帯を損傷し、全治未定と発表した。 ファジーカスは先発した6…

 バスケットボール男子Bリーグ1部の川崎ブレイブサンダースは7日、元日本代表で今季限りの引退を表明しているニック・ファジーカス(38)が6日のアルバルク東京戦で左ひざ関節内側側副じん帯を損傷し、全治未定と発表した。

 ファジーカスは先発した6日の試合序盤、相手と接触した際に左ひざ付近を痛めた。足を引きずっていたので、すぐ交代していた。

 佐藤賢次ヘッドコーチは7日の試合後、「これから(状態を)精査して、というところ。(復帰までの)期間は分からないが、戻れるようにみんなで全力でサポートする。あとは、ニックがいない間にどれだけ周りが成長できるか。今できることにフォーカスしていきたい」と話した。

 北卓也ゼネラルマネジャーによると、チームドクターによる診察はこれからだが、今季中に戻れないような状態ではないという。

 ただ、10日の天皇杯全日本選手権準々決勝(長崎ヴェルカ戦)や14日のオールスター戦の出場は困難な見通しだ。

 ファジーカスは現役ラストシーズンながら、チームトップの1試合平均15・9得点を記録している。大黒柱の欠場は、中地区で上位争いを続ける川崎にとって痛手となる。

 だが、選手たちに下を向いている時間はない。

 7日の試合で第1クオーターに17得点を挙げた藤井祐真は「昨日(6日)、ニックがクラブハウスで治療している時に『明日、絶対に勝って』と言って帰っていった。ニックの気持ちもしっかり受け取って、出だしから自分がやってやるぞ、という気持ちで試合に臨んだ」と振り返った。

 その上でこう語った。

 「ニックがいる時は相手が(マークする相手を入れ替えて守る)スイッチディフェンスを仕掛けてきても対応できる練習をしていたが、いないときの練習はできていなかった。これからチームで共有してやっていかないといけない。僕らが持っている色々な選択肢を生かしながら、チームとしてどう攻めるのが効率がいいのか、コーチや選手と話し合って、対応できるように準備していきたい」

 2024年最初の2連戦は、ファジーカスの欠場も響いて連敗スタートとなった。7日時点で17勝11敗の中地区3位。功労者の花道を飾るためにも、まずは8チームが進出するチャンピオンシップ(CS)を逃せない。

 リーグ戦中盤を迎え、川崎が正念場を迎えている。(野村周平)