(7日、全国高校ラグビー大会決勝 神奈川・桐蔭学園8―5東福岡) 桐蔭学園は窮地でも動じなかった。 3点リードの後半ロスタイム。自陣5メートル付近まで攻め込まれた。「絶対にしんどい時間はくると分かっていた」と主将のナンバー8城央祐。一つの…
(7日、全国高校ラグビー大会決勝 神奈川・桐蔭学園8―5東福岡)
桐蔭学園は窮地でも動じなかった。
3点リードの後半ロスタイム。自陣5メートル付近まで攻め込まれた。「絶対にしんどい時間はくると分かっていた」と主将のナンバー8城央祐。一つのミスも許されないなか、東福岡の力強い突進を出足の鋭い防御で何度も押し返す。ボール争奪戦で、隙を逃さず途中出場のフッカー田中健心らがボールに絡んで反則を引き出し、試合を終わらせた。城は「やる側の花園はすごく短く感じました」。
前回大会はスタンドから見た。2022年11月、神奈川県予選決勝で東海大相模に1点差で敗れ、8大会ぶりに出場を逃した。
例年より早く始動した今のチームは、悔しさが原動力だった。ウェートトレーニングや走り込みを一層重ね、キャッチやパス、タックルといった基礎技術の向上に徹底して取り組んだ。昨年3月の選抜大会で優勝し、自信をつけた。ただ、「満足しているやつは誰もいなかった」と藤原秀之監督。花園出場を決めても、まだ満ち足りなかった。
メンバーで花園を経験したことがあるのは、SO萩井耀司だけ。「僕たちは花園初心者のチャレンジャー」。選手たちはそう言い続けて決勝まできた。
体を当て続け、走り続ける。前回王者・東福岡に対しても、チームで決めたことを貫き通した。「理想のラグビーを体現できた」と萩井。冬の頂点に立ち、ようやく満足できた。(佐藤祐生)