第103回全国高校ラグビー大会は3日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場で準々決勝4試合があり、九州勢の佐賀工(佐賀)と東福岡(福岡)がそろって準決勝への進出を決めた。佐賀工の4強進出は、23大会ぶり。 佐賀工は全国屈指の強豪校で、OBに元日…

 第103回全国高校ラグビー大会は3日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場で準々決勝4試合があり、九州勢の佐賀工(佐賀)と東福岡(福岡)がそろって準決勝への進出を決めた。佐賀工の4強進出は、23大会ぶり。

 佐賀工は全国屈指の強豪校で、OBに元日本代表の五郎丸歩さんや早稲田大学監督の大田尾竜彦さんらがいる。佐賀県内では「常勝」を誇り、全国大会出場は今大会で42年連続52回目となる。

 ただ、全国大会では前回、前々回の2大会連続で準々決勝で敗れるなど、「4強の壁」に阻まれてきた。

 佐賀工は今大会の準々決勝で、中部大春日丘(愛知)と対戦。序盤からリードしたが、相手選手が密集でボールに絡む「ジャッカル」に再三苦しめられ、ペナルティー(反則)を重ねた。

 だが、佐賀工は焦らなかった。

 後半開始直後、好タックルでマイボールのスクラムを獲得。そこから、フォワードとバックスが一体となった鮮やかな連続攻撃でトライを奪い、突き放した。

 大和哲将主将は「去年、一昨年は越えられなかった『1月3日の壁』を越えられ、うれしく思う」と語った。準決勝に向けては「ミスやペナルティーを減らし、自分たちのラグビーをしていきたい」と話した。

 東福岡にとっても、今大会の準々決勝には特別な思いがあった。全国4連覇をかけて臨んだ12~13年の92回大会で準々決勝で惜敗。そのときの対戦相手が、今大会と同じ茗渓学園(茨城)だった。

 東福岡は前半7分、司令塔であるスタンドオフの井上晴生選手が防御網のほころびを見逃さず、先制トライ。だが約10分後、ゴール前のラインアウトからモールを押し込まれ、同点に追いつかれた。

 その後勝ち越したものの、茗渓学園の鋭い出足のタックルに苦しめられ、じりじりとした一進一退の攻防が続いた。

 均衡状態を破ったのは、鍛え抜かれたFW(フォワード)だった。

 後半11分、ナンバー8の高比良恭介主将が防御網を突破して敵陣深くまで入り、ラックを連取しながら前進。最後はロックの坪根章晃選手がトライを決めて突き放した。終盤もスクラムでペナルティーを奪うなどFWが踏ん張り、26―10でノーサイドとなった。

 高比良主将は「FWの縦への強さが通用している。準決勝以降も自信をもってやっていきたい」と話した。(小川裕介)