【静岡】第76回全国高校バスケットボール選手権大会(ソフトバンク ウインターカップ2023、朝日新聞社など特別協力)の男子準決勝が28日、東京都渋谷区の東京体育館であった。藤枝明誠は前回準優勝の福岡第一に65―94で敗れ、初の決勝進出はな…

 【静岡】第76回全国高校バスケットボール選手権大会(ソフトバンク ウインターカップ2023、朝日新聞社など特別協力)の男子準決勝が28日、東京都渋谷区の東京体育館であった。藤枝明誠は前回準優勝の福岡第一に65―94で敗れ、初の決勝進出はならなかった。

 試合終了のブザーが鳴った後、藤枝明誠の選手たちは福岡第一の選手たちに歩み寄って握手し、抱き合った。明るい表情だったが、表彰式の直前にはユニホームで顔を覆ったり、涙をぬぐったり。「完全に力負けです。チームの力の差が出ました」。金本鷹監督は試合後の会見で、福岡第一の実力をたたえた。

 序盤から重苦しい試合だった。第1クオーター(Q)は、リバウンドを奪われて攻められる展開が続いた。ポイントゲッターの赤間賢人選手(3年)は「相手の速攻は警戒していた」というが、あっという間に点差が開いた。第1Q終了時点で12―26と追う展開になった。

 第2Qは相手のゴール下に潜り込んだ。身長209センチのボヌ・ロードプリンス・チノンソ選手(2年)がリバウンドでボールを奪って小沢朋樹選手(3年)が3点シュートを決めるなどして得点差を詰めた。しかし、第3Q以降は「ガス欠状態」(金本監督)で点差を広げられ、一方的な展開に持ち込まれた。

 これまでの試合で得点を重ねチームに貢献してきた赤間選手は、この日は19得点にとどまった。「自分が得点できない時、アシストなどもっとやれることがあり、悔しさが残った。しかし『堅守速攻』という自分たちのプレーを最後まであきらめずにやれた」と、涙を見せながら振り返った。(小山裕一)