12月28日は中山競馬場で2023年最後の中央GI・ホープフルS(GI、芝2000m)が開催されます。2017年にGIへ昇格したばかりのレースですが、以降の主な勝ち馬にサートゥルナーリア、コントレイル、ダノンザキッドらがいますね。 今回はG…

12月28日は中山競馬場で2023年最後の中央GI・ホープフルS(GI、芝2000m)が開催されます。2017年にGIへ昇格したばかりのレースですが、以降の主な勝ち馬にサートゥルナーリア、コントレイル、ダノンザキッドらがいますね。

今回はGII時代を含む2014年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。

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■年内最後の中央GIも軸は……

今年のホープフルSに騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは11騎手。各騎手のデータは次の通りです。

GII時代を含む2014年以降のホープフルS騎手データ

そもそもの施行数が限られることもあって、連対経験がある騎手は僅か3騎手しかいません。データ分析をする上である程度の分母となる騎乗数は欲しいものの、今回は連対数重視で3騎手を取り上げます。

まず取り上げるのが連対率37.5%、複勝率75%という数値が光るC.ルメール騎手です。

勝利経験は2016年のレイデオロ(1番人気)だけですが、ここまで抜群の安定感を誇りますね。17年のフラットレー(3番人気13着)、21年のコマンドライン(1番人気12着)のようなケースが見られます、その2頭以外の6頭は全て3着以内に入っていることを評価すべきでしょう。

そんなC.ルメール騎手が今年のホープフルSで跨るのが前日16時時点3番人気のレガレイラ(牝2、美浦・木村哲也厩舎)です。アイビーSで3着に敗れ、今回は牡馬が相手になるものの馬の能力と騎手の腕が評価されていそうですね。

なお、C.ルメール騎手は人気不問で今年のGIでは【6.4.4.6】の連対率50%、複勝率70%。かつ牝馬に騎乗なら【1.4.2.1】の連対率62.5%、複勝率87.5%ですから嫌う必要は一切ありません。1着はどうかも馬連や3連複の軸に相応しい人馬と言えるでしょう。

■武豊騎手×前走1着馬は買い

続いて先週の有馬記念を制し最年長勝利記録を自ら更新した武豊騎手のデータを見ていきます。同騎手はここを勝てばJRAの全平場GI制覇を達成となります。

ホープフルSでは1着こそないものの、2017年のジャンダルム(4番人気2着)、20年のヨーホーレイク(4番人気3着)で2回の馬券圏内がありますね。

注目ファクターは前走着順で前走1着なら人気不問で【0.1.1.1】の連対率33.3%、複勝率66.7%。先に馬名を取り上げたジャンダルムとヨーホーレイクが該当するデータです。

そして今年武豊騎手が騎乗予定なのが前日16時時点で4番人気のセンチュリボンド(牡2、栗東・庄野靖志厩舎)。同馬は前走の黄菊賞を勝っての参戦で、参戦過程はヨーホーレイクと酷似します。こちらもC.ルメール騎手と同様に頭まではどうかも好走に期待できそうですね。

■昨年大波乱を演出のB.ムルザバエフ騎手

最後に昨年のレースで14番の人気ドゥラエレーデを勝利に導き、大万馬券を演出したB.ムルザバエフ騎手のデータを考察していきましょう。過去レースの騎乗経験は先の1鞍のみで、過去データだけでは巧拙を判断できません。

そこで中山芝2000mに集計対象を広げて集計していくとその結果は人気不問で【2.0.0.1】の勝率・連対率66.7%。跨った3頭とも道中2番手に付ける積極策を展開できていますね。それだけ中山競馬場では前付けする意識が高いのでしょう。

昨年とは一転して前日16時時点1番人気のシンエンペラー(牡2、栗東・矢作芳人厩舎)に騎乗予定ですが、この騎手なら信頼すべきでしょう。

以上、ホープフルSの気になる騎手データでした。データ注目騎手はC.ルメール騎手と武豊騎手です。先週の有馬記念のように、終わってみれば両騎手がここでも活躍という場面が見られそうです。

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著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部 秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。