第74回全国高等学校対抗テニス大会および第107回全国高等学校テニス選手権大会(南東北インターハイ・テニス競技/8月2~4日団体戦、5~8日個人戦/会津総合運動公園テニスコート、あいづドーム)の大会3日目は、男女団体の準決勝、決勝が行われ…

 第74回全国高等学校対抗テニス大会および第107回全国高等学校テニス選手権大会(南東北インターハイ・テニス競技/8月2~4日団体戦、5~8日個人戦/会津総合運動公園テニスコート、あいづドーム)の大会3日目は、男女団体の準決勝、決勝が行われ、男子は相生学院が2年連続3度目の優勝を飾り、春夏連覇も成し遂げた。◇   ◇   ◇

 まず決勝に駆け上がったのは相生学院(兵庫)だった。S1菊地裕太が6-2 6-0で完勝すると、山中瑠樹亜/名越大地のダブルスが6-4 6-1のストレート勝利。同じ近畿の清風(大阪)を2勝0敗で下し、2年連続の決勝進出を果たした。

 清風は持ち味の粘り強さを発揮し、長い試合に持ち込んで勝機を見出したかったが、先にミスが出た。「あと1本の根性とか、しつこさに欠けた」と清風・富岡宏之監督。2年ぶりの決勝進出はならなかったが、それでも「よくここまで(4強)来れた。よくやったほうです」と選手の頑張りを称えた。

(写真)ベスト4の清風

 もう一方の準決勝は、秀明八千代(千葉)がS1白石光、S2清水一輝の強力なシングルス2本で、ともにストレート勝利。岡山理大附(岡山)を2勝0敗で下し、決勝への切符を勝ちとった。

 岡山理大附は3年連続のベスト4。チャンスはあったが、またも準決勝の壁を越えられなかった。S1星木昇が「自信はあったが、攻め急いでしまった」と唇をかむ。松村道則監督も悔しさいっぱい。だが、3年連続の4強は実力の証。この成績には胸を張っていいだろう。

(写真)岡山理大附属のS1星木昇

 2年連続3回目と春夏連覇を目指す第1シードの相生学院。3回目の出場で初優勝を狙う第2シードの秀明八千代。トップ2シードによる男子団体決勝は、11時30分から3面同時進行で始まった。

 3試合ともに相生学院のペースで試合が進んでいった。S1菊地が第1セットを6-0で先取したとき、S2阿多竜也は3-2、D1山中/名越は4-0とリードしていた。

 チームに1勝目を運んだのは、昨年に続いて菊地。警戒していたライバルの白石を6-0 6-1で沈め、安堵の表情を見せる。「出だしが肝心だった。(白石の)罠にかからないように積極的に攻めた」と菊地が言う。エースの圧勝で相生学院が優勝に王手をかけた。

(写真)相生学院のエース、S1菊地

 残る2試合は、ほぼ同時に決着がついた。先にD1山中/名越が6-0 6-1で優勝を決めると、直後にS2阿多も6-2 6-3で試合を終わらせ、相生学院が3勝0敗というスコアで有終の美を飾った。「追われる立場で苦しかったが、みんなその中でしっかりと力を出しきった」と語った相生学院・荒井貴美人監督が部員たちの手で宙に舞った。

(写真)優勝を決めた山中(左)/名越の相生ダブルス

(写真)阿多(右)も清水からストレート勝利

「自分の代で優勝できてうれしい」と菊地。阿多も「勝って優勝したかったのでよかった」と満面の笑み。「ガンガン攻めていくのが僕たちのスタイル。今日はそれができた」と山中が言えば、名越も「大会前に亡くなった祖父に優勝すると誓った。それが実現できてうれしい」と言葉に力を込めた。

 準優勝に終わった秀明八千代。ここまでチームを牽引してきた白石の疲労は色濃く、決勝はまさかのワンサイド。「(菊地と戦うには)体力がいる。そこまで残っていなかったし、無理ができなかった」と白石。それでも「チームが決勝までこれたことには満足しています。相生には来年、リベンジしたい」と雪辱を誓った。

 S2を務めた主将の清水一輝も「これまでの相手とは違った。プレーが一枚上手だった」と勝者を称えた。優勝に届かなった悔しさは残るが、「部活(中心)ではないけれど、みんなが高い意識を持ってやってきた成果」と準優勝を喜んだ。

(写真)準優勝に輝いた秀明八千代

 大会4日目となる8月5日からは個人戦がスタート。男子シングルス1~4回戦と女子ダブルス1~3回戦、準々決勝が行われる。試合開始時間は9時の予定。(テニスマガジン/編集部◎牧野 正)

※トップ写真は、日本一を決めて胴上げされる荒井貴美人監督(相生学院)