2026年に愛知県内を中心に開催される第20回アジア競技大会の開幕まで、24日で残り1千日となった。東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件や物価高騰の逆風の中、県や名古屋市などでつくる大会組織委員会は「簡素で合理的な大会」を目指し、あの…

 2026年に愛知県内を中心に開催される第20回アジア競技大会の開幕まで、24日で残り1千日となった。東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件や物価高騰の逆風の中、県や名古屋市などでつくる大会組織委員会は「簡素で合理的な大会」を目指し、あの手この手で経費削減に取り組んでいる。

 この日は中部空港(常滑市)で記念イベントがあり、開幕式までの日数を示すカウントダウンボードがお披露目された。大会組織委員会会長の大村秀章知事は「成功に向けて、しっかりがんばっていきたい」とあいさつ。元競泳選手で、アジア競技大会で優勝経験のある松田丈志さんも登場し、「東京五輪による国際スポーツ大会へのネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)する大会にしてほしい」と話した。

 アジア競技大会は26年9月19日~10月4日の16日間にわたり開催。陸上やバスケットボールといった五輪競技のほか、カバディやセパタクローなどアジア特有のものも合わせ、計41競技が実施される。

 大会の費用面では課題が山積している。県内開催が決まったのは16年。過去の大会を参考に、開催経費は当初850億円と見積もっていた。だが、物価高騰や資材不足で、300億円と見込んでいた選手村の設置に600億円近くかかることなどが判明。組織委は今年3月、選手村を作らずにホテルを活用する方針に切り替えた。

 また、競泳や馬術など一部の競技を、東京五輪で使用した会場で行うことで建設費用を削減する。新設・改築する施設は県体育館(名古屋市北区)と名古屋市瑞穂公園陸上競技場(同市瑞穂区)の2会場のみ。大半は既存の施設を活用する予定だ。

 一方、収入の柱となるスポンサー集めも喫緊の課題だ。マーケティング代理店に内定していた大手広告会社が、東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件を受けて辞退。地元企業を代表とする4社の事業体がスポンサー集めを担うことになったが、異例の試みで先行きは不透明だ。大会関係者は「有名な選手が出場すれば自然と大会は盛り上がり、スポンサーもついてくる。とにかく良い大会を作るしかない」と話す。(松島研人)