24日の有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)をもって現役生活に幕を閉じたタイトルホルダー(牡5、美浦・栗田徹厩舎)。22年の天皇賞(春)を7馬身差で制すなどGI・3勝という華々しい功績を挙げた。戦績だけでなく果敢な逃げのスタイルと無尽…

 24日の有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)をもって現役生活に幕を閉じたタイトルホルダー(牡5、美浦・栗田徹厩舎)。22年の天皇賞(春)を7馬身差で制すなどGI・3勝という華々しい功績を挙げた。戦績だけでなく果敢な逃げのスタイルと無尽蔵のスタミナは多くの人を魅了し、ファンからは引退を惜しむ声が多く寄せられた。

 同馬は父ドゥラメンテ、母メーヴェ、母の父Motivatorという血統で、父の後継種牡馬として期待されている一頭。姉にOP馬のメロディーレーンがいることでも知られている。18年のセレクトセール当歳セッションにて取引されたが、活躍のイメージに反して取引価格は2160万円(税込)。

 総獲得賞金は10億6875万1000円に上ったことを考えると、この価格が意外に感じるのではないか。そこで今回、タイトルホルダーと同様に、セリの取引価格よりはるかに高い金額を稼ぎ出した馬たちを紹介したい。

 まず挙げたいのは、1997年の北海道10月市場にて1050万円で取引されたテイエムオペラオー。GI・7勝&獲得賞金総額は18億3518万円に達し、顕彰馬にも選ばれた。次にGI勝利が多いのはモーリスで、13年のトレーニングセールで1050万円で取引。GI・6勝を挙げ10億8368万円を獲得した。15年のJRA年度代表馬にも輝いている。

 タイトルホルダーと同じセレクトセール出身馬であるジャスタウェイは1260万円で取引。国内のみならず海外でもG1を勝利し、9億940万円を稼ぎだした。

 1000万円以下で取引された馬には682万円の値がつけられ、5億1498万円を獲得したヒシミラクル。262万円ながら05年の阪神JFを勝利したテイエムプリキュアなどがいる。

 タイトルホルダーと同価格帯で多くの賞金を稼いでいる現役馬としてはメイケイエールがいる。同馬は19年のセレクトセールにて2808万円で取引され、これまで3億4305万円を獲得。重賞6勝を挙げている。

 このようにセリ価格が安くとも、大きな成果を挙げる馬も存在する。現役のラストまで何が起きるか分からないことも、競馬の魅力のひとつといえるだろう。タイトルホルダーのこれまでをねぎらうとともに、その産駒の活躍を祈るばかりだ。