木村和久の「新・お気楽ゴルフ」連載◆第33回 先日、ゴルフクラブを1本、ラウンドしたコースのどこかに置き忘れ、いまだに見つかっていません。 そんなふうに、ゴルフ場では小さなトラブルがわりと起こります。なぜ、そういうことが起きるのか。未然に防…

木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第33回

 先日、ゴルフクラブを1本、ラウンドしたコースのどこかに置き忘れ、いまだに見つかっていません。

 そんなふうに、ゴルフ場では小さなトラブルがわりと起こります。なぜ、そういうことが起きるのか。未然に防ぐ手立ても一緒に考えながら、考察してみたいと思います。

(1)クラブ紛失
 先に触れたように、先日ゴルフ場で久々にクラブを失くして、プチ落ち込みしました。

 過去にも何度か、コースにクラブを置き忘れたことがありますが、通常は後ろの組の人とかが拾ってくれて、あとで無事に戻ってくることが多いです。でも今回はそんなこともなく、どこへいったのやら......。そもそもどこでクラブを失くしたのか、まったく覚えていないんですよね。

 それは、自らの注意が散漫だったから起こったことで、行きつくところは、老化が進んだからかなと思います。

 こうしたクラブの置き忘れをしないようにするには、1ホールを終えたら、必ずクラブの本数を確認することです。ただ、これがなかなかできない。同伴メンバーにせかす人間がいて「前の組が打ってくるから急いで」などと言われ、しかも「クラブはバッグに入れず、手に持ってカートに乗って」と言う世話好きまでいたりして、つい慌ててしまうんですよね。

 でも今の時代、急いで次のホールに行っても、(前が詰まっていて)渋滞しているだけでしょ。だから、それって現実的ではないと思うんですけど。

 じゃあ、どうすればいいか? 全員のパットが終わったら、後ろの組の邪魔にならないところまでカートを動かして、そこでゆっくりとクラブ本数を確認すればいいのです。

 そうは言っても、ゴルフは現在、プレーファーストの精神が浸透していて、ゆっくりプレーするのはなかなか難しいですがね。

 そこで、モノはいつか失くすんだと、考えてみるのもアリです。ということで、次です。

(2)「モノはいつか失くす」という考え方
 個人的な考えですが、大事なゴルフグッズを失くすと落ち込むので、小物類などはすべて安い消耗品をそろえています。

 たとえば、マーカーとかね。知り合いからお土産でもらった有名ゴルフ場のマーカーなどは大事に取っておいて、代わりにコースに置いてあるマーカーを使います。

 ティーもそうです。ウッドの安物を使用しています。帽子もコンペでもらった景品だし、クラブカバーも失くしたら、中古ショップで購入したものを代用したりしています。そうすると、たとえ失くしても落ち込むことはないです。

 ちなみに、今回失くしたクラブは、ネットで調べたら同タイプのものが6000円ほどでオークションに出ていました。こういう時、中古クラブで買いそろえておいてよかったぁ、なんて思ったりして。買い直すかどうかは、次のシーズンまでには決めたいと思います。

(3)交通事故
 ゴルフ場で交通事故は起きないと思うでしょ? でも、実際は起きるんですよね。

 昔、某ゴルフ場の玄関で来場された方が車を停めていたら、後続の車が突っ込んできました。偶然近くにいたので、その音に驚いて飛んでいくと、運悪く荷物の積み下ろしをしていた人がいたようで、どこかを打って倒れていました。

 すぐに救急車が駆けつけてきましたが、私道での交通事故ということもあって、パトカーは来ませんでした。それで、保険はちゃんともらえたんだろうか、と気になったりして。

 そんな他人の事故を心配するなら自分の心配をしろ、というところですが、まさにそんな事故もどきが自らにも起こりました。実は乗用カートを運転中、"暴走老人"みたいなことをやってしまったのです。

 乗用カートをコースに乗り入れできるコースがありますよね。そこで自分がカートを運転していて、同伴プレーヤーが前から寄ってきたので避けようとしたら、その瞬間、ブレーキとアクセルを踏み間違えてしまって......。

 結果的には事故にはならず、「ちょっとストップ!」くらいのことで済みましたが、1mくらいカートを直進させてしまい、自分ではかなりショックな出来事でした。

 アクセルとブレーキを踏み間違えた老人の事故報道をニュース番組などで見ると、そんなことをするやつがいるのか? なんて思っていましたが、まさか自分がそれに近いことをやらかすとは......。

 ついでながら、ここ数年、自分は車を運転していません。今後、公道で車の運転ができるのだろうか......ものすごく弱気になっています。

(4)打ち込み等のトラブル
 ゴルフ場でよく起きるトラブルが、ボールの打ち込みです。打ち込まれたほうは目の前にボールが飛んでくるわけですからね、これはかなり危険な行為です。一番やってはいけないことです。

 この打ち込み。最近は数が減っているような気がします。これは、新しい世代のゴルファーが事前にスマホなどでゴルフのルール&マナーを勉強しているからだと思います。「打ち込みはいけない」というネット記事を事前に読んでいるから、打ち込みが少ないのでしょう。

 あと、乗用カートに設置されているナビゲーションボードが普及したことも大きいかと。前の組のカートの位置がきちんと把握できるようになって、打ち込みも未然に防げるようになったと思います。

 それに、若者たちはトラブルを避ける傾向にあり、万が一何か起きても、当事者と直接ぶつからず、マーシャルに連絡して解決してもらう。そういう処世術を身につけています。

 さらに言えば、若者たちはコースの渋滞などにも寛容です。「あのコースは慢性的に混んでいて、ハーフ3時間はザラ」といった情報を事前にネットで仕入れているのでしょう。要は、渋滞するのを覚悟のうえでコースに来ているのだと思われます。

(5)目の衰えで問題が起きる
 歳を取ると視力が衰え、打ったボールを見失ったりと、プレー面での弊害が起こりやすいです。

 冬場には「枯れ葉ルール」というローカルルールがあります。通常、ロストボールは2打罰になりますが、枯れ葉の山によってボールが見つからなかった場合、1打罰(あるいは無罰)にするといったものです。

 それは、コースによっては臨時のローカルルールとして明記されている場合もあります。そういう掲示がなかったら、プレーヤー同士で決めればいいのです。それは、「老眼ルール」と言ってもいいですが。

 そうすれば、みんながボールの行方を見ていたのに見失った。明らかにここら辺にボールが落ちたはずなのに見つからない、といった場合は、そのルールを採用。プライベートのラウンドでは、ストレスを溜めない方法で楽しくやっていただきたいものです。



枯れ葉が多い冬場は、ボールが見つからないこともしばしば。その際は自分たちでローカルルールを決めておくといいかもしれませんね。illustration by Hattori Motonobu

 また、老眼で、かつ近眼の人は、メガネをつけたままだと近いものが見えません。そのため、スコアカードにスコアを書く時は、メガネを外さないといけないのです。

 でも、プレー中にメガネを外すと、外したメガネがどこに行ったんだ? 状態になるので困ってしまいます。

 だから、ここ1~2年ほど、スコアカードに細い鉛筆で数字を書くのがすごくしんどくなっていました。ところがその矢先、思わぬハイテク機器の登場で、その面倒な作業から解消されました。

 ナビゲーションボードです。そこにスコアをインプットしながら、みんなでスムーズにラウンドを進められます。

 スコアの入力にしても、たいがい気が利く後輩がやってくれるので、そのスコアをあとでプリントするか、スコアカードに清書すれば、問題ないというわけです。

 最後に個人的な経験から、ひとつご注意を。

 冬のゴルフ場は、芝が枯れて滑りやすくなっています。そんななか、私は昔、両手をポケットに入れてコースを歩いていました。すると、緩やかな斜面で足を滑らせて捻挫。2カ月ほどゴルフができなくなりました。

 ということで、冬場は面倒でもグローブか手袋をして、両手を出してコースを歩きましょうね。