【広島】京都市で24日にあった全国高校駅伝競走大会(日本陸上競技連盟など主催)に、県高校駅伝で優勝した世羅(世羅町)の男子と女子、中国高校駅伝で優勝した銀河学院(福山市)の女子が出場した。銀河学院は初出場で9位(1時間9分20秒)と大健闘…

 【広島】京都市で24日にあった全国高校駅伝競走大会(日本陸上競技連盟など主催)に、県高校駅伝で優勝した世羅(世羅町)の男子と女子、中国高校駅伝で優勝した銀河学院(福山市)の女子が出場した。銀河学院は初出場で9位(1時間9分20秒)と大健闘。世羅は男子が13位(2時間5分54秒)。女子が11位(1時間10分15秒)と、いずれも昨年より順位を上げた。(菅野みゆき)

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 銀河学院は、選手の腕に森政芳寿監督が書いた「自分らしく のびのびと」という言葉通りの走りで一時は3位につけ、初出場で9位に入った。

 1区の森安桃風主将(3年)から6位でたすきを受けた2区の高橋美月選手(3年)は、区間2位の快走で順位を3位に上げた。「森安が満面の笑みでたすきを渡してくれた。次の2人が1年生なので、少しでも良い順位でつなぎたかった」

 3区の山根優奈選手(1年)も一時順位を落としたものの、終盤で抜き返し、3位を維持。「監督の『抜かされたらきつくても付いていけ』という指導があったので、がんばって抜き返せた」と笑顔だった。

 「最後まで粘って、アンカーに良い順位で笑顔でたすきを渡そうと思った」という4区の坂崎莉奈選手(1年)は、4位で細見芽生選手(2年)につないだ。細見選手は4月に興譲館(岡山)から転校してきたばかり。半年は大会に出られず、左脚の不調もあったが、夏からは調子を取り戻し、アンカーを務めた。

 9位でのゴールに「思い切って突っ込んでいかなければならないところで、脚が止まってしまった。ふがいない走りで、悔しい気持ちでいっぱい」と涙を見せた。

 森安主将は「来年もこの舞台に立って、伝統を作っていってほしい。ぜひ県代表となり、高みを目指してほしい」と話した。

 かつて興譲館を率いて2度の全国優勝を果たし、2019年から銀河を指導する森政監督は「初出場でプレッシャーがあったが、予想以上の走りでうれしい。3年生を中心に良い流れを作り、1、2年につないだ。細見はアンカーの責任があってきつかったと思うが最後までがんばってくれた」と笑顔を見せた。

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 女子11位だった世羅は、「自分のつけたい位置にはつけなかったが、一秒一秒がんばった」という山田依茉主将(3年)が3年連続で1区を走り、33位で2区の井上菜名選手(2年)にたすきをつないだ。

 41位で受けた3区の広崎夢音選手(1年)と37位で受けた4区の後藤彩香選手(3年)は共に順位を上げる快走。昨年、2区の区間賞を受け、今年はアンカーを担ったケニア人留学生、ローズ・ワングイ選手も(2年)は29位でたすきを受け、順位を11位まで上げてゴールした。「ベストの走りができたと思う」

 山田主将は「銀河学院の存在が私たちを強くしてくれたと、感謝している。後輩たちには県代表の(ゼッケン)34番を死守してほしい」と話した。

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 男子13位だった世羅は、1区の坂口雄哉主将(3年)と2区の向津翼選手(2年)が、共に27位で次走者にたすきを渡した。

 3区の井上史琉選手(3年)は前回大会と同じく今回も「想定より後の順位」と受け止めたが、そこから精神的な成長を見せ、20位に順位を上げた。「去年は焦って突っ込んでしまったが、今年は冷静に自分の走りができた」

 4区のケニア人留学生、ジェレミア・カマウ選手(2年)が15位に上げ、5区の檀上翔選手(1年)、6区の三谷虎太郎選手(2年)が順位を維持。アンカーの本宮優心選手(2年)は「前の2人を抜く」という決意の通りに13位でゴールした。

 坂口主将は「自分の実力不足で出遅れたことが結果に響いた。悔しいけれど、明日からは、負けてよかったと思えるほど努力したい」と話した。