■ライラック

今年は日経賞から始動したライラックは、初戦こそ4着と上々の滑り出しだったものの、次戦の目黒記念では9着、次の宝塚記念でも17着と徐々に成績が低迷。このまま下半期もスルズル行くかと思われたが、夏休みを挟んで立て直しに成功したようで、前々走の府中牝馬Sで3着に善戦すると、前走のエリザベス女王杯でも僅差の4着と、今秋は上昇気流に乗っている。

◆【有馬記念2023予想/穴馬アナライズ】「超抜追い切りで、万馬券の使者になる」 単勝オッズ“90倍超”の盲点

特筆すべきは、外めの枠でポジションを取れず後方からの競馬を強いられた前走・エリザベス女王杯。道中は中団でじっくり我慢しながら進めて最後の決め手勝負に賭けると、4角12番手から上がり最速の脚で上位との差を詰めていた。直線で前が壁になり、アクセルを踏むのを待たされるロスがあったり、もう少し前で進めたかったなど、決してスムーズなレースではなかったが、今春の不振からは完全に脱却していると見ていい。

2200mのエリザベス女王杯で4着、2着といったように非根幹距離が得意な馬で、中山コースも3戦してオール掲示板の【1.0.1.1】と問題ないクチ。今回は長距離輸送もないだけに、馬体を増やして臨めそうなのもいい。エリザベス女王杯からの臨戦は、2020年サラキアが11番人気2着、17年クイーンズリングが8番人気2着など、たびたび人気薄が激走する穴ローテ。一発の可能性を多いに秘めている存在だ。

◆【有馬記念2023予想】芸能人・予想家の本命・注目馬予想まとめ 「GI本命4連勝中!グランプリも要チェック」

◆【有馬記念2023特集】出走予定・枠順、予想オッズetc.「追い切り評価『S』と『B』で真っ二つ」 予想に役立つ馬券攻略ガイド

◆【有馬記念2023予想/騎手データ】勝率“8割超”2騎のワン・ツーに現実味 ドウデュース武豊Jは2、3着候補か

著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長 元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。